竹町のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ前巻でクラウスと別離した『灯』の少女たち。どうなっちゃうのと続きを楽しみにしていた。
なんと、あれから1年経っており、クラウスの影も全くない。少女たちはそれぞれの生活を楽しんでるようだけど、どこか違和感がある。やりたいことはこれじゃない的な。
本作はかつての『鳳』に在籍していたランが、『灯』の少女たちの思惑を確かめる任務に着くところから始まる。ちなみに私はランはそんなに好きではなかったが、本作を読んでいたらちょっと可哀想になった。
結局利用されてしまったわけだし。でもスパイの世界ではそんなの日常茶飯事なんだろうなとも思いつつ…。
この巻は私の中ではあまり話が進まない印象で、次巻以降でいっきに展開していくんだろうなと思った。
最後の『巓』VS『灯』は楽しかった。頭脳戦に肉弾戦にと、もはや『灯』に敵なし。『灯』は全員が集まると真価を発揮するのだと思う。彼女たちが再集合したってだけで、もう嬉しかった。
さて、いよいよ登場人物が複雑だ。ケルビムの代表やらフェンド連邦の諜報機関やらもう忘れちゃってて誰が誰だっけ状態だが、とりあえず《奈落人形》の取り合い合戦が始まる…って覚えておけばいいかな。 -
Posted by ブクログ
クラウスの離反という衝撃で幕を閉じたサードシーズンに続くファイナルシーズンはクラウスの居なくなった『灯』はどのような現状かを外側から描くものとなっていたね
それはまるで幾つものインタビュー記事を読んでいるかのよう。けど、聞き手が防諜スパイであり話し手に国家反逆の疑いがあるならば、インタビューの意味は異なってくる。それは尋問に等しいもの
しかし、元『鳳』のランにとって『灯』は共に共和国を守り抜くと近い合った同志。ランが『灯』を探り続ける間に抱き続ける懸念は尚更に今の『灯』がどうなっているかを気にさせるものとなるね
『灯』に生じた大きな変化はクラウスの喪失だが、それ以上にライラット王国における革命を経た事で彼女らが大きく成長した事も変化と言える。特に養成学校にて『灯』が尊敬すべきスパイとして喧伝されているのは、当初の彼女らが落ちこぼれであった事を考えれば尚更意外に思えるね
ただ、意外な変化という意味ではランにも当て嵌まるか。『鳳』ではどこか頼りなくて「ござる」口調の変な妹分みたいな認識だったけど、『巔』に加わった彼女は最前線で活躍するスパイらしくなったね。それは彼女が更に強くなっただけに限らず、彼女に付き従う後輩が現れた事も関係しているのかな
かつての『灯』と『鳳』は大志を同じくして国を守ると誓った。なら、異なるチームに居たとしてもランと『灯』が協力するのは当たり前の光景に思えて
それだけにランが国を守る為に『灯』を疑わなければならないのは心苦しい展開。これ、そもそも『灯』を率いていたクラウスが裏切っただけに仕方ない側面もあるのだけど、それ以上に『灯』が自ら疑われるような行動に出るが故にランは彼女らへ疑いの目を向ける事を辞められない面があるのは非常に厄介だね
一方でそうした感情の揺らぎを主に見せるのは後輩であるヴィニベルガの役割か
元より『灯』に対して複雑な感情を持っていた彼女は『灯』が語る内容に感情を乱され続ける。対してランは動揺をこそ覚えはすれ、それを表には出さないようにしていた。それが最終的な『灯』相手の防諜において優劣を分けるわけだ
この点はランの優秀さを改めて強調すると共に、ランを上回るスパイ術を披露した『灯』の本気が垣間見える結果となったか
この巻では主にランが主役の立ち位置を採っているけれど、読者的に気になるのは前巻終盤のあの選択から今まで『灯』は何を心に抱えて過ごしていたか。それがインタビューの形で見える形となっていたね
《暁闇計画》の成就を望むか阻止を望むか。クラウスによって突き付けられた問い掛けは『灯』をバラバラにする事はなかったけど、他方で『灯』とクラウスの道を決定的に違える分水嶺となった
一般的に考えれば大量虐殺兵器の使用を望むなんて簡単には同意できない話だけれど、『灯』の少女達は戦争に拠って荒廃した国で生き、その後も様々な痛みを見てきた事を思えば、むしろ当然の選択だったのかも知れないと思える
しかし、彼女らの師であるクラウスは全く別の選択を行った。そして彼女らはクラウスを上回る事なんて一度も出来なかった。なら、『灯』には未だ見えていない視点なんてものがあるといえるのかも知れない。クラウスへ追い付こうとする中でクラウスが見ているものが見え、場合によってはクラウスすら見えない何かが見えるかも知れない
この巻で『灯』が選んだのはそうした道か
でも、作中で彼女ら自身が言及しているように、かつては落ちこぼれと揶揄されていた彼女らが国で英雄か何かのように称えられ、サラを始めとして理想へ向かって動き始めた者も居る。それはクラウスが用意した祖国で得られる幸福の一端だろうね
それでも彼女らがクラウスへの慕情を捨てきれなかったのは驚きの理由によるもの
《暁闇計画》の真実を前にクラウスに守られてしまった彼女らはいわばクラウスから落第を言い渡されたようなもの。あれだけクラウスの教えを受け、彼女らだけで革命を実現した筈なのに、更なる不可能任務に連れて行って貰えなかった
そこで『灯』が抱いた悔しさと決意は『灯』らしさに満ちている。但し、これまでの『灯』に全く見られなかった要素もそこには見えて
自分達にとっての安息の場、疑似家族の象徴を自ら破壊した。それは世界が知る『灯』の姿が変革を始める序章を飾るに相応しい爆炎だったのかも知れない
そして、その炎はもう一人に火を付けるね。最後に残った『鳳』として『灯』を超えると誓うランがこれからどのように『灯』と向き合っていくかも気になるね
プロローグで喪服に身を包んだ『灯』の誰か、ガルガド帝国で魔王へと片鱗したクラウス、世界中のスパイが狙い出した《奈落人形》、そして第三勢力へと突き進む『灯』。全ての要素がこれからどう絡み合っていくのか全く予想できない作りなだけに、このファイナルシーズンが私達に何を見せてくれるのか、とても期待を持てる始まりでしたよ -
Posted by ブクログ
ネタバレ毎回、さて、この巻ではどんな種明かしが待っているのだろうと楽しみになっているが、今回も期待を裏切られず、予想できない結末となった。
特にアネットがあんなに取り乱すなんて、母親を手にかけたときの彼女とは似ても似つかない。そして、アネットが機械なんかではないと言い切ったサラも格好良かった。
『灯』の少女たちの自分たちより数段上の相手にも果敢に立ち向かう姿勢が本当に凄い。少しでも自分が足止めできれば…!と自分を犠牲にしても仲間が革命を為すことに懸けるなんて早々できない。今回も身体張ってるなぁ…。
敵の中では、心理戦を得意とする藍蝗が強敵だった。身体能力皆無なのにね。半端ない。絶対、敵にしたくない。圧倒的強さのニケですら、こいつには一目置いてるもの。ニケも頭が回って作戦の先の先を読んでいるところは流石なんだけれど、いかんせん小手先ばかりな感じがして少々不満。やっぱりニケには暴力的にすべてを跪かせてほしい(どっちの味方なんだ)。
革命の部もそろそろ終わりを迎えそうだが、気になる『暁闇計画』の全貌はまだ明らかになっていない。いつまで待たされるのだろう。 -
Posted by ブクログ
クラウスが『焔』へ入るまでの話と『焔』が壊滅するまでの話。
今では世界最高のスパイと言われるほどの実力を持っているクラウスも、最初はただの子どもだったのだなぁと微笑ましくなるが、そんな時代もつかの間で、吸収力の早さ、能力の高さを見るとやはり恐るべし子どもだった。
無人島では自身も感染症に罹りながら、病人を助けようとし、最終的には冷酷且つ合理的な判断を降す。
クラウスのいる世界は甘い世界ではないと分かってはいるけれど、それでもクラウスがこんなに残酷な世界にいることに哀しみを覚える。
ギードはじめ『焔』のメンバーとクラウスの関わりが書かれていてとても良いのだが、いずれ訪れるメンバーの最期を思うと読み進めたくなくなる。
『灯』の少女たちの出番はないが、間接的にクラウスと関係していたことが仄めかされていて、ちょっと楽しくなった。 -
Posted by ブクログ
スパイでありながらアネットの為に敵スパイを助ける。それはとんでもなく甘々な判断でクラウスに知られたら叱責されたって仕方ないもの
だからティアは誰にも相談できず、対立したモニカも屈服させる形で危険なミッションに参加させるしか無かった
それが為にティアはマティルダに騙されてしまったのだろうなぁ…
マティルダは見る人が見れば危険な人物だとすぐに判るタイプ。またその本性も唾棄すべきもの
だからスパイの世界で生きていこうと思うなら彼女のようなスパイに容易に騙されているようではまだまだ。マティルダがティアを指して「ちょろすぎますよぉ」と言うけれど、それは真実だね
紅炉に憧れてスパイのヒーローを志す彼女にとって今回の件は挫折であり明確な判断ミス
でも、ティアだけが甘々なのではなく、モニカが指摘するように『灯』全員が危うい一面がある
ならそれを補う者が必要となるわけで。これまでその役は教師であるクラウスだった。だからこそ、クラウス不在の局面でも補える者が欲されたわけだけど……
モニカでさえ直前まで気付かなかった『灯』のジョーカー
仕掛けられた冷酷非情な罠、それが発動した瞬間の嬉しそうな表情。アネットが隠し持っていた恐ろしさ
普通なら存在そのものが間違いと指摘したくなるそれをクラウスが「誇りに思うよ」と褒め称えるシーンは印象的
母娘の関係であれば排斥されるアネットの本性、けれどそれは『灯』にとって必要不可欠なものだと見えてくるエピソードとなったよ
そういや、白蜘蛛の描写にはちょっと笑ってしまったな
彼って確かに『蛇』の一員で危険なスパイである事は確かなのだけど、ちょくちょく三下っぽい雰囲気を出してくるものだから拍子抜けしてしまう。でも、それが彼のキャラとして確立されているのだから堪らないのだけど
だからって、街に到着してすぐにマークされる場面はあまりに酷すぎるよ(笑) -
Posted by ブクログ
本コミカライズは原作小説よりもグレーテの内心にフォーカスしているのだけど、彼女と対になるオリヴィアが本性を表すに連れ、その点が意味を持ってくるようになるね
正体不明の暗殺者を前にして不安定になる仲間はグレーテが守らなければならない相手。けれど一方でジビア達に刃を向けようとするオリヴィアは倒さなければならない相手
二種の重圧はグレーテの身に過ぎるものだけど、その持て余す重圧に拠ってクラウスの重責を知るというのは印象的な展開。グレーテはこの任務で仮リーダーというだけなのだけど、それ以上の意味をこの任務に見出すならばクラウスの想いに近づく事も彼女にとって大きな意味を持つわけだ
ここで潰れそうなグレーテだけに全てを任せず重荷を分けようとするリリィ達の動きは良いね。これぞチームという感じがする
それでも囚えなければならない敵であるオリヴィアに対峙すべきはグレーテだけとなるわけで
これは仮リーダーだからではなく、クラウスに恋する少女だからこそ背負う責任。そして大切な人から愛される意味を履き違えているオリヴィアに止めを刺すため譲れない役割
でも愛の意味はグレーテ一人だけで証明できるものではないから。最大のピンチと成り得た瞬間に降り立ってグレーテの美しさを褒め称えたクラウスは本当にいい男だよ