【感想・ネタバレ】スパイ教室 短編集06 消されたアクトレスのレビュー

あらすじ

「なんだ、これはああぁぁ!」常に冷静沈着なスパイ・クラウスが吠える。隠密行動中の部下たちが、映画に出演しているという異常事態を目の当たりにして。――これは、離れても繋がっていたスパイ少女たちの軌跡。

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Posted by ブクログ

何というか、あらすじの時点で凄まじさが感じられた短編集。だって他国に潜伏中のスパイ達が揃いも揃って反政府映画に出演しているとか意味判らないからね!そりゃクラウスだって咆哮を上げるというものですよ!
ライラット王国革命編ってクラウスの指揮が得られない中、スパイ少女達もチーム行動の中で培ってきた力が試されるかなりシリアスで不可能を越えた極限任務だった筈なのに、その間に反政府映画に出演していたとなれば、何をしていたの?となってしまうのは避けようがなく。まあ、自らの意思で堂々と出演したのはリリィくらいなものだったけど

その意味では少女達が映画で共演したのは完全に偶然。けれど、その偶然があの時期に離れ離れとなり、緊張の最前線に居た彼女らに一時の安らぎを与えたのではないかと思える作りになったのではないかと思えたよ
……だとしても、潜伏中のスパイが反政府映画に堂々と出演しているのは大問題だと思うけども!


『ウサウサシスターズ』
タイトルの時点で大ふざけしている本エピソードはエルナとアネットの学園生活の表と裏の物語に
後書きでも少し触れられている点だけど、本作の時代背景って戦争により荒廃した直後に暮らした者達の物語だから人々の生活には何処か冷たさや傷が見え隠れしているんだよね。それはカトリーヌが映し出そうとしたライラットの表と裏に通じるような話で
けど、だからといってエルナの穏やかな学園生活で奏でられた諸々の想いまで裏とするべきではなくて。欺瞞であっても、映画の形で語られたのは良かったのかも知れないね


『暴虐なる吸血鬼』
ニケに近付き《暁闇計画》を探る最難関任務を言い渡されたティアとモニカの物語は最もシリアス度が高いものになると思われた。そこに映画出演なんて混ざらないと思った
それだけにモニカの男装に磨きをかける為に始まったティアのトチ狂った訓練には大笑してしまったよ!確かに正論かもしれないけれど、リリィに恋心を抱くモニカに求める要素じゃないよ!そりゃモニカだって胃を痛めるというものだよ!

そうしてモニカの失策ばかりになるかと思いきや、ここに来てティアの内心に踏み込みますか
ティアってそりゃ恋愛遍歴がヤバい事になってるし、それを武器と出来る強かな少女となったのだけど、その原点は痛ましい事件。だからここでモニカに指摘された要素は前々から薄っすら感じ取れる部分はあったんだよね
モニカはどうにかニケを騙し得る程度の男装技術は手に入れた。対してティアの恋心については戦果なく。これは本編の、『灯』として世界をどう守っていくかという方針に活かされて来るのかな


『匿名芸術家「マキシム」』・『消されたアクトレス』
リリィってやっぱりぶっ飛んでいるなぁと再確認させられるエピソード。序盤のメイド業に隠れて政財界と繋がりを作る流れは完璧に等しいのに、“マキシム”の後継者を名乗り始めた辺りから常識を宇宙に放り投げたかのよう…。これは割といつも通りな印象はあるんだけど、潜伏中にそのノリを始めちゃうの?という驚きを禁じ得ない。しかもそれで任務が上手くいく余地が生まれるんだ……

そんなリリィの思惑はクラウスを通じて翻訳されるのは印象的。
ライラットでの任務の重要さを考えれば考えるほど、リリィの思惑なんて読めそうもない。けれどクラウスはきちんとリリィの行動に『『灯』』のリーダーとしてどのように判断したかを見出だせるわけか
だからか、クラウスはリリィが始めたおふざけな奇想天外アイディアに則った奇想天外の策を思いつける
この時期、『灯』は連絡も連携もほぼ取っていなかった。けれど、リリィとカトリーヌが始めた呆れるような映画撮影が彼女らを繋げたのは動かしようがない事実で
これは『灯』のリーダーだからこそ採れた決断だったように思えるよ。……スパイが反政府映画に堂々と出演しているというアレな事実を他所に置けばの話なんだけどさ(笑)

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2026年05月02日

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