澤井悦郎のレビュー一覧
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書名のとおり、ぼーっとした雰囲気から人気のマンボウについての本。
生物学的な分類の話が主ではあるが、マンボウと人間の関係の歴史、マンボウがどのように食べられるか、マンボウに関する都市伝説…など様々な知見を与えてくれた。
自分は2010年代に流行った「マンボウは死にやすい魚」というネットミームに影響されていた世代(そして恥ずかしいことにそのミームをこの本を読むまで信じ込んでいた)だが、そう言ったマンボウに関するちょっとした噂についても丁寧に説明してくれるのは嬉しい。
そして何よりも興味深かったのはマンボウの説明をしながら生物学の研究手法にもさり気なく触れているところだ。「ジュニア」新書なのでお -
Posted by ブクログ
[ぷかぷか,ぼーっ]誰もが知っているマンボウの,意外と知られていない秘密をまとめた作品。生態,人間との関わり,そして「ジャンプ後の着水による衝撃で死んじゃう」といった都市伝説の真偽に至るまで,マンボウのあらゆる側面に光を当てています。著者は,数々の困難により,鬱状態になりながらもマンボウ研究を続けた澤井悦郎。
「へぇー」が止まらない読書になりました。種の分類といった難しめのことだけでなく,マンボウの味のような思わず気になってしまう点についてもまとめられているため,マンボウ好きでない人でも楽しむことができるかと。下記の一文なんて,さらりと哲学的な雰囲気を漂わせていますよね。
〜マンボウが襲わ -
Posted by ブクログ
徹頭徹尾マンボウ。おはようからおやすみまでマンボウ漬け(であろう)なマンボウ学者による、全世界のマンボウ愛好家への200年ぶり(らしい)のマンボウ本。
マンボウとウシマンボウが形態的、遺伝的に裏付けされたという展開に手に汗握る。なぜならその発見は、澤井さん一人で成し遂げたのではなく、歴代のマンボウ学者、そして澤井さんに手を差し伸べてくれた研究者の方々によって分かったヒューマンドラマだからである。
そしてこの本のすごいところは、分類・生態に留まらず、マンボウの歴史、サブカル化などなどマンボウならばすべて網羅していることだ。
著者のマンボウ愛には脱帽する。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ著者の書いている川柳が良い~魚とは鰭鰓鱗水暮らし/マンボウの鰭は軟条尾鰭なし/絵や写真魚の場合は左向き/マンボウは鱗トゲトゲヤスリかな/体表の粘液くっつきやや匂う/マンボウも水流関知側線で/白や黒まだらにもなるマンボウや/縦と横人と魚でズレている/マンボウの丸く小さな鰓孔よ/マンボウは皮膚寄せ合って目を閉じる/マンボウの鼻孔は四つ目の前に/癒合して嘴状のマンボウ歯/暴行と生殖腺は同じ穴/マンボウの謎の形質骨板や/マンボウの鰭の基部には帯がある/マンボウは単純化した内臓や/マンボウの鰓は五つで細長い/マンボウの帯前体長帯の前/心臓は三つで成り立つ魚かな/マンボウは耳石の代わりに耳砂を持つ/体重
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Posted by ブクログ
軽やかにスタートしたものの、Ⅰは魚の体の一部のアップ写真が多くちょっと退屈。(縦縞横縞の説明のところでストライプのシャツきた著者?が魚と並んでいるところは面白い。)
私が生き物として魚が特に好きではないということもあるかもしれないが、性別を変えるクマノミとかと比べても、マンボウって特に驚くほど意外なところがない感じ。見た目が一番変わってる。フグの仲間と言われると、そりゃそうだよね、顔が似てるもの、と思う。シロアリがゴキブリの仲間というほどの意外性はない。
しかし最後まで読んだら、歴史や名前の由来から北杜夫、初音ミク、美味しい調理法までとにかくマンボウに関する、あらゆることを調べてあり、なかな