毛利嘉孝のレビュー一覧
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ネタバレ正体不明のアーティスト、バンクシーのアーティスト像に迫る入門的な本。バンクシーがなぜ社会と真っ向から対立するようなポジションで人気を博したのか、故郷ブリストルの音楽性にも焦点をあて文化的な背景から、バンクシーが持つ独特のポジションを解説していく。パレスチナの壁画、シュレッダーでオークション購入直後に裁断されるアート。一つ一つに強烈なメッセージ、特に資本主義、お金だけの拝金主義、華々しいセレブ、戦争、裏側で届かぬ声を届けたいと思うアートワークへの強い思いが作品に風刺と強烈なメッセージと愛すべきキャラクターを産んでいる。いよいよニューヨークで、バンクシー展が行われる。テーマは何か、何をやってのける
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日本でもネズミの絵で話題になった、正体不明のストリートアーティスト「バンクシー」の本。
ビジネスと化した現代芸術につばを吐き、アートの力で毒を撒き散らしていく反骨精神には、とても好感が持てた。
ほとんどの人が求めてやまない「金」や「名誉」に目もくれず、いたずら小僧のように純粋に生きていく。
こんな生き方が出来たら、さぞ痛快だろうな、と思う。
反面、実は全てが自分を売り込むための「計算」なのではないか、とも思う。
この二面性もまた、正体不明の魅力を際立てていて、とても良い。
元々アートには全然興味がなかったけど、最後まで楽しく読めた。
こんな「変わった」人間が現代にいるということが、なんと -
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小池都知事が取り上げて、少し話題になったな、というのがこの本を読む前の「バンクシー」に関する知識でした。
もちろん、今美術に関心が向いていたからかも知れませんが、きっとこの本を通り過ぎてしまったら、おそらくバンクシーのことは、今後の人生で出会うことはないだろう、となぜかそう思ってしまい、つい手に取ってしまいました。
アートとは何でしょうか?
定義づけというものは難しく、たとえば、マルセル・デュシャンの「泉」なんかもそうですが、必ずしも、こういうものであると形作ることはできないように思えます。
この本は、バンクシーに関わるガイドブックとしてはものすごくわかりやすいです。
が、それだけで -
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落札額1億5000万円。その瞬間、額縁に仕掛けられたシュレッダー
が動き出し、会場に衝撃が走った。
2018年のサザビーズでのオークション風景は、その作品を体現す
るような仕掛けだったのだろう。私は、彼の多く作品の根底に
見ているのは「抵抗」であるからだ。
だから、東京都内で彼の作品が発見された時の、小池百合子知事
のはしゃぎようには違和感しか覚えなかった。だって、落書き
禁止場所に書かれてたんだぜ?
有名な匿名アーティストの作品だからって、はしゃぐのは違う
と思うのよ。為政者ならば…ね。
バンクシー。謎のアーティストは何者なのか、どのような文化的
背景を持って生まれたのか、世界的名声 -
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2019年に小池百合子都知事がツィッターでつぶやいて以来、日本でも話題になったバンクシー。
ストリートアートが、その社会の在り方を映し出すものだとは知らなかった。
バンクシーの作品のように、公共物に描かれたアート、グラフティは表現の自由を測る尺度になる。
日本では、「公共」は行政が管理するものという認識なのだという指摘にはっとした。
日本はストリートカルチャーに対して欧米より不寛容だ。それは表現の自由、さらには民主主義の抑制と無関係ではないのだと、本書は問いかける。
「行政の作り出す秩序は、支配、管理者の視線。多くの人々を一箇所にあつめ、匿名の顔のない存在に変えて幾何学的な造形を作り -
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・ブルック・ル・ラットはフランス人のアーティスト。1980年代にすでにパリでステンシルのグラフィティ作品を発表し、「ステンシル・アートの父」と呼ばれていました。
・人類という歴史を大きく考えると、人間は公共の場所で自由に絵や文章を作ってほかの人々に見せてきました。こうした公共空間が、国家や地方自治体、あるいは私企業や土地所有者によって独占的に、そしてすみずみまで管理されるようになったのは、ごく最近のことにすぎないのである。
・バンクシーがブリストルで活動を始めたのは1992年頃。
・戦車、爆撃機、爆弾、銃、ミサイルといった武器は2000年代初頭のバンクシーの重要なモチーフ
・キース・ヘリン -
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ネタバレブリストル
黒人奴隷文化 グラフィティの街
ザ・ポップ・グループ
マッシヴ・アタック 3D=グラフィティ・ライター=バンクシー?
ネズミ= 厄介者=バンクシー自身
パレスチナの分離壁
ベツレヘムの世界一眺めの悪いホテル
グラフィティ=名前を公共空間に書く
キースへリング、バスキア
シチュアシオニスト運動
セックスピストルズ、ジェイミー・リード
ゴッド・セイブ・ザ・クイーン ⇒バンクシー:モンキークイーン
デミアン・ハースト
日の出桟橋のネズミ 2002年ころから2019年まで
誰にも迷惑をかけていない。
ストリートアートは道を歩く市民のもの、公的な議論=民主化