山本健人のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
この本は前々から読みたいと思っていたのだが、なかなか読めずにいた。内容が医学という無知の分野であることと、なんとなく難しそうに思ったこと、他に読みたかった本があったことなどが影響した。しかし読んでみると読みづらいなんてことは全然なくて、イラストやら何やらで物凄く分かりやすかった。読んでみた感想としては、本当に入門書という感じだ。これ以上書いたら専門書になって読みたくない人が出てくるところなのだろうが、ちょうどいいとはこのことだ。医療器具についても解説を入れてくれるとか、筆者は痒い所に手が届く人だ。しかしインターネットをちょっと散策すれば分かるような情報ばかりなので、物足りない人もいるかもしれな
-
Posted by ブクログ
現役外科医が、人体の仕組みや医学を中心に、意外性のある話題について解説した本。眼の盲点のような実際に体験できる話や、血液型などの身近な話、ノーベル生理学・医学賞につながる医学発展の歴史の話など、興味のそそられるテーマが多く、読んでいて飽きなかった。参考文献が明示されている点や、読書案内を記している点も、学びのある本として仕上がっていて良い。
最後の読書案内の中で、「学びによって高まるのは、『知識の量』よりむしろ『知識がないことへの自覚』だと私は思う」と述べられているが、本書はまさにそれを実感する内容だった。自分が浅学であることを感じ、医学の世界の広さを知る良いきっかけとなった。
本書から学 -
Posted by ブクログ
人間の身体を体系的に学べる1冊。
各器官の働きや現代の医学、医学の歴史について幅広く取り上げており、全体像をざっくり理解できる医学の入り口的な本です。
身近も何も、もはや自分自体のことなのに、こんなにも何も知らないのか…!と驚くと同時に、人間の身体、なんてよくできているの…!と感嘆してしまいます。
特に空気と固体を選り分ける肛門や、床ずれができないための寝返りが自然にできてることには感心し「いつもありがとう…!」と自分を抱きしめたくなりました。
このような身体の働きを入り口に、免疫や医学史など難しいテーマに移っていく構成ですが、「人間の身体すごい!もっといろいろ知りたい!」という思考になって -
Posted by ブクログ
前作『すばらしい「人体」』の続編。
作者自らが前作のアンチテーゼと言うように、人体編で書かれていた人体のすばらしさに対し、今回の医学編では人体の弱さと脆さに注目し、病との闘いぶりが書かれている。
人体編でも驚いたが、人間の体は本当によくできているものだ。そして人間はその弱さ故、様々な病気と闘ってきた歴史がある。学者はその歴史の中で、治療法を編み出し薬を発見してきたのだ。その病気との闘いは、偶然の発見や発明の積み重ねによるものであり、そのお陰で現在の我々は安心して医療にかかることができている。この積み重ねには感謝の思いがする。
前作と合わせて読むことを勧めたい。 -
Posted by ブクログ
著者は外科医で医療関係の本ですが、非医療従事者に向けて書かれていますので、専門知識は不要です。
それどころか、どの題材も「名前や存在は知っているけど、くわしくは知らない」といったものばかりです。薬や麻酔の歴史、現在使われている外科器具の秀逸さ、医療の黒歴史など、どの話も読み物として面白く、好奇心を満たしてくれる内容となっています。
やはり医療や人体に引かれるのは、自分の体に関係することだからなのかなとは思います。そういう意味では、興味がないという人はいないのではないのでしょうか。
この休みにビジネス書ばかり読んでも飽きるので、たまにはそれ以外の分野も、と思
い購入しましたが、読んでみて良 -
Posted by ブクログ
以前、「すばらしい人体」を読んで印象が強かったので、こちらも読んでみた。
前作とダブる要素もあったが、現役の外科医としてリアルに分かりやすく語る話は、やはり興味深かった。
体の器官の仕組み、薬の開発に関するエピソード、外科医や外科治療、手術の歴史など驚くべき話が満載されている。
ただ、次々に紹介される薬や専門的な用語、内容についていけないところが多々あったのは否めない。
驚きが大きかった内容や印象に残った点を以下にメモしておく。
・胃や膵臓、肝臓などで作られる消化液は、体内で漏れると臓器を傷つける危険性がある。
・普通の飲食では一日あたり約9リットルもの水分が小腸~大腸に入る。(うち7リットル -
Posted by ブクログ
現役外科医である著者が人間の身体の奇跡というべき精巧さとその脆さを人類の医学の歴史と共に紹介していく。
まず第1章では頭から下に向かって各臓器の大まかな機能を小ネタを交えて紹介する。
その後の2章では主に薬の発見、それがどのように体に作用するのかを見ていく。
3章ではいわゆる外科的処置がどのように発展してきたかを見ていく。
4章では最先端の医療技術を、第5章では人体を脅かす毒などについて紹介する。
普段なんも意識することなく生存活動をしてくれている自分の身体だが、こんなにも不思議な活動をしてくれているのかと感謝したくなる。
面白い本でした。