あらすじ
医学は、人体の構造・機能の美しさを明らかにし、病気の成り立ちを理解し、多くの病気にひそむ謎を解いていくことで、膨大な数の治療手段を生み出してきた。
はるか昔、呪術やまじないと一体化していた「病気を治す」という営みは、先人たちが一歩ずつ知見を積み重ねていくなかで、古代ギリシャの「医学の父」ヒポクラテスによってサイエンスしての歩みを始める。
医学は、サイエンスであるからこそ、体に起きた病気をサイエンスの言葉で説明し、その治療手段もまた、サイエンスによって生み出すことができる。
また、人体は本当によくできている。
だがこれらの現象は、自然界で普遍的に起こりうる化学反応の連鎖によるものだ。超自然的な力を信じたくなるほどよくできたしくみが、実は化学や物理の法則によって説明できる。
本書は、外科医けいゆうとして、ブログ累計1000万PV超、twitter(外科医けいゆう)フォロワー10万人超のフォロワーを持つ著者が、医学5000年の歴史、人が病気になるしくみ、人体の驚異のメカニズム、薬やワクチンの発見をめぐるエピソード、人類を脅かす病との戦い、古代から凄まじい進歩を遂げた手術の歴史などを紹介する。
あなたの体の謎に迫る、知的興奮の書!!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
病気のこと、人間の体のこと、薬品のこと
知ってる様で知らないことばかり
昔はどうだったのか、どんな事件があったのか、広く浅く…興味を損なわない文章でじっくり書かれている。
私が食べたものに含まれた油はどうしたら乳化して排出されるんだろう…なかなか面白い着眼点だ。
Posted by ブクログ
めちゃくちゃ勉強になった!
ど素人の私でもわかる文章の読みやすさ。
難しすぎると飽きるし途中で読みたくなくなるけど、一トピックがちょうど良いボリューム感でぐんぐん読み進められた。
これ頭に入ってると落ち着いて病気と向き合えるかも。
Posted by ブクログ
テーマに沿って、昔実際に起きたことを丁寧に教えてくれる。非常に興味を掻き立てる。あと、巻末の読書すべきリストは、次にどういう本を読もうかと思っている人には必見。
Posted by ブクログ
すばらしい人体が好きで何周も読んでいるので、こちらも購入しました。
興味をひくような書き方ですごいです。
先人たちの血の滲むような努力や情熱、たくさんの犠牲のおかげで今の医学があるのだと感動しました。とくに麻酔無しの時代のことはびっくりです。
すばらしい人体より対象年齢が上がるような難しさを感じました。分かりやすく解説してくれますが、読むのに時間はかかりました。短く区切ってあるので少しずつ読むのにも適している気がします。
巻末のおすすめの本や偉人のところまで全部おもしろくて、買ってよかった!!
Posted by ブクログ
人体はいかに脆弱であるか、そして先人がそれに立ち向かってきたことで現在まで医学が進歩したのだと思い知った。命を賭けてこれまでの数々の厳しい戦いに挑んできた医学者、科学者たちのおかげで今があるのだと分かった。
すばらしい人体と同様、からだのしくみについても面白かったが、その他にも、薬ができるまでの過程や名前の由来などもとても勉強になった。
私は医療職であるが、現在の医学を学んだだけで、これまでの医学の歴史や苦労を知らずにいたため、本書を読んで、さらに医学について興味を持てた。
Posted by ブクログ
生命科学から医学を勉強しており、比較的身近な話題であった。私自身、生物の神秘を感じながら勉強を行なっているが、この本で改めて生物はすごいと感じたとともに、生命現象を見つけた人や効果的な治療を見つけ出した人達は本当にすごいなと感じた。
Posted by ブクログ
健康オタクな私にはとても興味深い1冊だった。著者は外科医で、人体の機能のすばらしさ、内臓機能の仕組み、医学や検査機械やツールの進歩について熱く説明してくれる。
私も常日頃から、人間の体は本当によくできているな~と感心しているが、本書を読むと健全な生活を送るために体の各部位がどういう活躍をしているのかがよくわかる。本当に感心するばかりだ。
得体のしれない疫病になすすべがなかった時代、どうやって偶然から治療法を見つけてきたのか、研究者たちの意欲に頭が下がる思いだ。著者自身の正義感も、本当に医療が好きなことも、よく伝わってくる。
さらに、内視鏡手術のやり方や、瞬間的に止血しながら切り開く手術や、ミシンのような縫合機械、ロボットによる手術が一般的になってきたことなど、自分が将来病気になったりけがをしたらどういう治療が受けられるのか、想像しながら読んだ。
1冊目の「すばらしい人体」もぜひ入手して読みたいと思う。
Posted by ブクログ
2023年刊。前作が「すばらしい人体」で生命の神秘賛歌の方向。本作は「こんなにも危うく脆い」事を主題としたとの事。正に一般向けで、専門用語などで混乱することは無かった。断片的な知識の整理にも良い。外科医師としての執刀の現場視点から書かれた内容にも惹き付けられた。歴史には興味がまるで無いのだが、知と技術の進歩の件はとても興味深かった。先端医学にも触れているが、日常から伺える事象を医学の見地から解説してくれている事も、実に面白く読めた。
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こんなにも医学に関してわかりやすい本があるのかと驚きました。素人が読んでも楽しめます。何より、ここ100年ほどでの医学の進歩には感謝することばかりです。現代に生まれてよかったと思えます。読んでよかった1冊。
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著者は外科医で医療関係の本ですが、非医療従事者に向けて書かれていますので、専門知識は不要です。
それどころか、どの題材も「名前や存在は知っているけど、くわしくは知らない」といったものばかりです。薬や麻酔の歴史、現在使われている外科器具の秀逸さ、医療の黒歴史など、どの話も読み物として面白く、好奇心を満たしてくれる内容となっています。
やはり医療や人体に引かれるのは、自分の体に関係することだからなのかなとは思います。そういう意味では、興味がないという人はいないのではないのでしょうか。
この休みにビジネス書ばかり読んでも飽きるので、たまにはそれ以外の分野も、と思
い購入しましたが、読んでみて良かったです。
ぜひ前著や巻末にある書籍も読んでみたいと思います。
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前作に引き続き面白い。今の時代に生きてて良かった時思いつつ、人類のほとんどの時間はそれが当たり前だったのだなと思う。と、今の時代も当たり前ではないんだとすぐ分かる。
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医学の発展は人類史上において、現代になってから発展速度が速くなったが、進歩の中でもいろんな人の努力と犠牲したことで、私たちが今の先進的な医学、治療を享受できる。とはいえ、まだ治療できない病や、新しいウイルスの脅威がある。だが、本を読むと、将来、それらを必ず良い方法を見つけられると信じたい。
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素晴らしい人体も読みやすくて興味深く読めたけど、こちらもとても分かりやすく興味深く読めました。10.0年ほど前まではホントに原始的な治療で、苦痛を伴っていたものが、近年飛躍的に進歩している。
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前作に引き続き、とても面白く読みやすい。
化学兵器から抗がん剤が生まれたり、ニトログリセリンから狭心症の薬が生まれたりと薬の誕生の話が1番興味深かった。
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先日受けた手術が腹腔鏡下だった。診断から入院手術の間、あまり深く考える余裕がなかった。多くの書類に署名したものの、箇条書きにされた内容を細かく読んだのは術後だった。自身の手術はどのようにして行われたのかを、ようやく事細かに知ったのはこの本の第4章でのこと。入門にもってこいの一冊。
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人体とは?
→とてもよくできているもの。しかし、弱くて脆いもの。
医学とは?
→過去の偉人達の研究の積み重ね。消毒や麻酔ですら、当たり前になったのは本当に最近の話。
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第一章:あなたの体のひみつ、第二章:画期的な薬、精巧な人体、第三章:驚くべき外科医たち、第四章:すごい手術、人体を脅かすもの。著者がいう「人体はいかによくできているか」しかし、「人体はいかに弱くて脆いか」。とても興味深く読むことができた。
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筆者は外科医だけあって、手術やそれに使用される機器の説明が秀逸である。
術後、体内にガーゼが残されたってことを、ごくたまに記事で見かける。「そんなこと、ありえんやろ」、「なんてヤブ医者なんだ」なんて考えていたが、本書でその手術の状況を説明されると、「あり得る話だ」と納得させられる(当然、そんなことはあってはならないことだが)。
どの項も筆者の表現が分かりやすく、面白い。是非、読んでみるべき一冊だと思う。
Posted by ブクログ
前作『すばらしい「人体」』の続編。
作者自らが前作のアンチテーゼと言うように、人体編で書かれていた人体のすばらしさに対し、今回の医学編では人体の弱さと脆さに注目し、病との闘いぶりが書かれている。
人体編でも驚いたが、人間の体は本当によくできているものだ。そして人間はその弱さ故、様々な病気と闘ってきた歴史がある。学者はその歴史の中で、治療法を編み出し薬を発見してきたのだ。その病気との闘いは、偶然の発見や発明の積み重ねによるものであり、そのお陰で現在の我々は安心して医療にかかることができている。この積み重ねには感謝の思いがする。
前作と合わせて読むことを勧めたい。
Posted by ブクログ
以前、「すばらしい人体」を読んで印象が強かったので、こちらも読んでみた。
前作とダブる要素もあったが、現役の外科医としてリアルに分かりやすく語る話は、やはり興味深かった。
体の器官の仕組み、薬の開発に関するエピソード、外科医や外科治療、手術の歴史など驚くべき話が満載されている。
ただ、次々に紹介される薬や専門的な用語、内容についていけないところが多々あったのは否めない。
驚きが大きかった内容や印象に残った点を以下にメモしておく。
・胃や膵臓、肝臓などで作られる消化液は、体内で漏れると臓器を傷つける危険性がある。
・普通の飲食では一日あたり約9リットルもの水分が小腸~大腸に入る。(うち7リットルは消化液)そのほとんどが小腸と大腸で吸収され、便として排出される水分は2%以下。この多寡すなわち食べたものの腸内での滞在時間に応じて便の硬さが決まる
・脾臓は「なくても生きられる臓器」のひとつだが、免疫を担うリンパ節の親玉であるため、全摘すると、ワクチンが必要になる。
・マスタードガスから生まれた抗がん剤・アルキル化薬は細胞分裂を妨げることでがんの増殖を抑制するが、「細胞分裂の盛んな場所」に副作用を引き起こしやすい。
・毎日4000万人以上の患者が内服するコレステロール降下薬「スタチン」は、日本人農学博士・遠藤章が開発した。
・19世紀に、細菌が病気の原因になることが証明され、イギリスの外科医・ジョゼフ・リスターやによって「消毒」という概念が初めて提唱された。この時代に「麻酔」も生まれ、外科学上の革新的な技術によって手術で死亡するリスクは大きく減少した。
・1895年、ドイツの物理学者ヴィルヘルム・レントゲンが発見した「エックス線」は体内を可視化するという意味で革命的なものだった。
Posted by ブクログ
人体や医学の話が面白くまとめられている。一つ一つがとても興味深く語り口も軽妙なので読んでる時はほうほう、という感じで楽しめた。が、話題が多岐に渡っていることもあり具体的な内容を思い返すのが難しい笑
とりあえず人体は良くできている。医学は誤ちも繰り返しながらゆっくりと確実に進歩している。筆者やそのほかの医師、研究者には頭が上がらない。
さて、mRNAワクチンはどうであろう。過去のヘロインやラジウムうんちゃらと同じ末路にはならないか。人体にはまだまだ謎があり、ワクチンの原理は分かるし現状の科学では論理的に問題ないのだが。
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良書。今回も、ヘェ〜、なるほど〜の連続。このシリーズは分かりやすいです。細菌やウィルスの発見と麻酔の二大発見発明と近年の体内の可視化。確かに医学が急速に進んだのは、この100年ばかり。幸せな時代に生まれたのかもしれません。この先も進歩が楽しみなのとともに、人体の不可思議さ、緻密さに敬虔な気持ちとなります。
Posted by ブクログ
現役外科医である著者が人間の身体の奇跡というべき精巧さとその脆さを人類の医学の歴史と共に紹介していく。
まず第1章では頭から下に向かって各臓器の大まかな機能を小ネタを交えて紹介する。
その後の2章では主に薬の発見、それがどのように体に作用するのかを見ていく。
3章ではいわゆる外科的処置がどのように発展してきたかを見ていく。
4章では最先端の医療技術を、第5章では人体を脅かす毒などについて紹介する。
普段なんも意識することなく生存活動をしてくれている自分の身体だが、こんなにも不思議な活動をしてくれているのかと感謝したくなる。
面白い本でした。
Posted by ブクログ
ラジオで山本先生のお話を聞いて面白そうだったので購入。医学って面白い!人体も面白いけど。医学の発展に寄与してきた研究者やお医者さんたちが様々犠牲にしながら今の医学がある。感謝しかない。
Posted by ブクログ
すばらしい人体。に続く医学編。
ただ、今回は、結構知っている話が多かったんだよね。
なので、私は「すばらしい人体」の方が読み応えがあったかな。
ただ、知っていながら考えてもいなかったことで、言われてみれば!と思ったことも。
その一つが、「食べ物の通り道に迂回路はない」ってこと。
本州の交通網を考えると、東海道新幹線があり、東海道本線があり、東名高速道路があり、第二東名高速道路もあり、中央道もある。
そのどれかが、万が一通れなくなっても、迂回ができて、東京から大阪方面には時間はかかるが行かれる。
なのに、人体の中は消化管という一本道だけ。
言われてみればすごいなーと思った。
一本道、大事にしないとね。
Posted by ブクログ
医療の発達が分かりやすく、書かれていて、読みやすい。
一般に知られる医療言葉は、それを考案したり、発明発見した人の名前から来ていることが多いことを知り、先人医療者たち奮闘を感じる。
それにしても、つい100年ほど前は麻酔も消毒もなく手術されていたなんて、患者もお医者さんも恐ろしい時代だったのね。
現代の医療を受けられる時代に生まれて良かった(笑)。