山本健人のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
本書は、医師が用いる医療用語を噛み砕いて説明してくれている一冊である。
前提の知識の差や医学定義な厳密な定義、あるいは一般に普及した単語を用いているがゆえの認識の違い。
医師と患者にはすれ違いが起こる理由が数多くあるが、我々はなかなかそれを知る機会がない。
医師にかかる場合は冷静でない場合も多く、心身共に万全ではないがゆえに勘違いがなおさら起きやすい。
そうしたすれ違いを避けるために、丁寧に引っ掛かりを解いてくれているのがこの本だ。
癌とがんは定義上まったく違ったものである。
多くの病気は「治った」が言えない。
先進医療だからより効果が強いというわけではない。
白衣は清潔ではないという医学的な定義。
その他もろもろ、目からウロコの内容ばかりで、普段から医療情報に触れていない方には是非にとお勧めしたい一冊である。
何より平易な点が良い。
医療に関する知識が足りない一般の方向けに、ここまで噛み砕いてくれているのは本当にありがたいところだ。
新書という性質に即した内容はパーフェクトと言っていいと思う。
文句なしに星五つで評価したい。素晴らしい一冊だった。 -
Posted by ブクログ
外科医けいゆう先生の、医学用語のトリビアが詰まった本。
私達が普段使っている病名の間違いや、医療ドラマでは使われるけど実際には使われない言葉や、医療関係者が使う患者にはわからない言葉を取り上げて説明してくれています。
へぇーへぇーとページをめくるたびに驚きがたくさんありました。
医療と患者のコミュニケーションをスムーズにするために尽力してくれている先生だけに、きっといつも歯がゆい思いをしていて、それが溜まりに溜まっていて1冊の本になったのだろうな、と思います。医療と患者の距離を少しでも縮めるための努力を惜しまずにしてくれている先生に感謝です。
何度でも思い出せるように、自分用に目次をメモしておきます。
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はじめに
第1章 実は医者が使わない言葉
意識不明ー「意識を失っているか否か」だけでは不十分
重体ー重体・重傷・重症はどう違う?
全治○カ月ー多くの病気は「治った」が言えない
危篤ー「生命の危うい状況」はどう伝えるのがいいのか
容体ー容体・病態・病状はどう違う?
ショック症状ー心理的な衝撃とは全く関係なし
心臓麻痺ー漫画や小説ではたくさん死んでいるけれど……
ご臨終ー死亡確認は挨拶ではなく重要な診療行為
脱水症状ー水分が不足すると体では何が起きるか
ばい菌・雑菌・菌ー「除菌」「殺菌」はウイルスには効かない?
コロナー新型? 旧型? 病名? ウイルス名?
末期がんー「ステージV」は末期がんではない
コラム(1) 新型コロナが治ったことは検査で証明できない?
第2章 間違いやすい医学用語
貧血ー立ちくらみは「貧血を起こした」から?
リンパ腺ー「腺」とは何かを分泌する臓器
ヘルニアーシュークリームからクリームが飛び出た状態
がんと癌ー医学的には全く意味が違う
心停止ー心臓が動いていても「心停止」
低酸素脳症ー酸素が足りなくなる「原因」はいろいろ
血を吐くー「血を吐いて倒れる」のはなかなか大変
先端医療ー最先端だからよく効くとは限らない
複雑骨折ーバラバラに砕けていなくても「複雑骨折」
ヘルペスー人生に大きく関わるヘルペスウイルス
コラム(2) ○針縫った?
第3章 あだ名で呼ばれている病気
脱腸ー「腸」という臓器は存在しない
盲腸ー昔は悪化して見つかるケースが多かったために……
水虫ー「しらくも」「いんきんたむし」「ぜにたむし」も原因は同じ
ものもらい・はやり目ーものもらい、またの名は「目ばちこ」
肋膜炎ー「助膜」という膜はない、病気もない
蓄膿ー「鼻」とは全く関係ない言葉なのに……
痔ー「いぼ痔」「きれ痔」「あな痔」は違う病気
整形外科領域のさまざまなあだ名ー四十肩、突き指、ぎっくり腰etc
コラム(3) 医療従事者は左右をよく間違える
第4章 分かりにくい医者の言葉
侵襲ー患者さんの体に与えるダメージ
ステージー決め方・段階はがんの種類によって全く違う
治るー患者さんからの「治りますか?」に答えるのは難しい
認めるーなぜ「ある」ではなくて「認める」なのか
既往ーなぜ初診で必ず聞かれるのか
清潔と不潔ー白衣は「不潔」、麻酔科医も「不潔」
感受性ー心とは全く関係ない不思議な医学用語
蘇生ー亡くなった人を蘇らせる?
死因ー全ての死因は「心不全」「呼吸不全」?
癒着ー傷が治る過程で起こる正常な反応
様子を見るー「何もしてくれない」と思われがちだが…
コラム(4) まだまだある医学用語の数々
第5章 医療ドラマに出てくる医学用語
インオペー「インオペかどうか」は外科医の腕次第?
コード・ブルーーブルーだけでなくレッド、ホワイト、イエローも
研修医・レジデント・フェローー若手医師の呼び名の正解は?
総回診ーあんなに広がって歩いたら邪魔
クランケー今も根強く残るドイツ語
医局ーインフラとしての医療を維持する仕組み
成功と失敗ー手術が終わった時点ではどちらも言えない
コラム(5) 外科系ドラマに出てくる業界用語
第6章 著名人の不思議な病名
突発性虚血心不全ー存在しない病名から推測する
大動脈剥離ー大動脈が裂ける仕組みから推測する
全身がんー全身のあらゆる臓器でがんが発生?
多臓器不全ー正確な病名だが何の病気か分からない
コラム(6) 実は使いづらい白衣とナースキャップ
第7章 健康に関わる身近な言葉
免疫力ー免疫の仕組みは「上がる」「下がる」では捉えられない
自律神経ー意思とは無関係に体を自動調節
胃腸にやさしいー「胃腸に良い」を医学的に定義してみる
風邪ー「急性上気道炎」と呼ぶと分かるたくさんのこと
おわりに
参考文献
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Posted by ブクログ
外科医けいゆう先生の最新著書。
医者と患者のすれ違い(コミュニケーション・エラー)を少しでも減らしてより良い医療を受けるために、患者側が知っておいたほうが良い事柄を、簡潔にわかりやすく書いてくれていました。
1〜3章では、「検査」での思い違い、「診察」での思い違い、「薬」について思い違いについて、そして、4章で医師と患者のコミュニケーションにおける思い違い、そして最後の5章では、けいゆう先生からの「アドバイス」が書かれています。
けいゆう先生のツイッターをフォローしていて、やさしい医療の情報を目にしている私は、1〜3章は、うんうん、知ってる知ってる、という事柄が多かったですが、4章・5章では、「なるほど!」と思った事柄がいくつもありました(救急車で運ばれるときの準備とか、考えたこともなかったし!)。
この本、すべての患者(患者未満)の人たちが読めばいいのになぁ〜と思いました。ほんと、誰もがこういうことを知っていれば、病気との付き合い方が少し楽になるんじゃないかなと(そんなに簡単なものではないでしょうけど…)。
本は、結構厚く見えたんですが、とても読みやすくわかりやすいので、1日で読むことができました。みんなに気軽に読んで欲しい本です。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「人体って、こんなにすごかったのか!」と、読んでいて何度も驚かされた一冊。普段は意識することのない身体の仕組みを、「なぜこうなっているのか?」という身近な疑問から丁寧に紐解いてくれるので、医学の知識がなくても楽しく読み進められた。
特に面白かったのが医学の歴史。現在では当たり前になっている医療や人体への理解が、長い年月をかけた発見や試行錯誤の積み重ねによって成り立っていることが分かり、興味深かった。
もともと学生時代から、内臓など身体の話を聞くと、その辺がなんとなくムズムズしてしまうタイプだったので懐かしい気持ちになりつつも、人体について知れば知るほど面白くなる感覚を楽しめた。身近な自分の身体を、少し違った目で見られるようになる知的な一冊。 -
Posted by ブクログ
医学の発展の多くがここ2世紀ほどの間に成し遂げられたことに驚いた。現在では当たり前だと思っている医療も、数え切れない試行錯誤と研究の積み重ねの上に成り立っているのだと実感し、改めて今という時代に生まれたことのありがたさを感じた。
同時に、医学は完成された学問ではなく、今この瞬間も更新され続けていることを知り、これから先の発展にも期待が膨らんだ。
そして、この本を読んで最も印象に残ったのは、「学びによって高まるのは知識の量よりも、知識がないことへの自覚である」という感覚だ。知れば知るほど、自分が知らないことの広さに気づく。その感覚こそが、新たな学びへの原動力になるのだと思った。 -
Posted by ブクログ
人体ってすばらしい。
とくに第1章の人体の構造のお話は、
日常のあるある出来事がパラダイムシフトするような驚きでいっぱい。
笑えることも満載だったけど個人的には、
自分の身体(足1本約10kg、腕1本4~5kg)は自分1人で運べる(移動できる)のに、
意識を失った他人を運ぶには4~5人が必要になる……ということが印象深かった。
なんか感動ですらあった。
医学ってすごい。
第5章の医療機器・器械の開発物語も結構好きだった。
例えば、不感蒸泄を発見したサントーリオ。
自らのすべての食事や飲み物、排泄物をすべて計測記録している人が身近にいたら猟奇的怪奇的だと思ってしまうだろうけど、
医学的に重要な、皮膚や呼気から放出される水分の喪失という発見をもたらしたという。
こんな苦節の時代の検証研究を経て現代医療が成り立っていると思うと、先人たちの偉業に感激してしまう。
人間の貪欲な知的好奇心ってスバラシイ。
最後の読書案内ページで著者が↓のように書いていた。
---何かが「わかった」ときはゴールではない。「無数の問いが生まれる」出発点なのだ---
本書は、知的冒険のはじまりの書である。
出会えた発見から、また新たな冒険が始まりそうで、いま、読み終えてもわくわくしている。 -
Posted by ブクログ
横隔膜は ハラミ
ピロリ菌の検査に尿素呼気試験(ピロリ菌は尿素を二酸化炭素とアンモニアに分解する 検査薬の尿素中の炭素を同位元素に置き換え)
胃潰瘍や十二指腸潰瘍の原因の95%はピロリ菌か痛み止め
ピロリ菌はアンモニアを産生させるため、自分の周りの強酸を中和できる
大便の茶色は胆汁に含まれるビリルビンが腸内細菌の作用でウロビリンに変化した色
ビリルビンはヘモグロビンが分解されてできたもの(老化した赤血球が破壊され変化)
食べると便意を催す「胃結腸反射」胃に入ると大腸の蠕動が促される
摂取不足で起こる病気
壊血病(ビタミンC) くる病(ビタミンD )
ペラグラ(ナイアシン) 夜盲症(ビタミンA)
悪性貧血(ビタミンB12) 脚気(ビタミンB1)
経口免疫寛容(口から入って消化管を通る異物には反応しないよう免疫抑制)
漆職人は幼い頃から漆を舐める。皮膚の漆の反応も抑えられる
経皮感作(皮膚のバリアを突破して侵入したものは、異物とみなしやすい)
アトピー性皮膚炎の人は食物アレルギーを起こしやすい(バリア機能が破綻した皮膚)
「エピジェネティックス」環境因子が遺伝子に影響を与え 次世代に引き継がれる現象が存在することがわかった。生後に獲得した性質も子に伝わることがありうる
ポルフィリン(炭素 水素 窒素の有機化合物)に鉄が結合したものが、ヘモグロビン(動物)
マグネシウムが結合したものがクロロフィル(植物)
銅由来のヘモシアニンで酸素を運ぶのが 一部の昆虫やエビ カニ イカなど
酸素の使い方はよく似ている