石井公成のレビュー一覧

  • 恋する仏教 アジア諸国の文学を育てた教え

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    仏教がそれを受容した国々、特に中国、韓国、日本、ベトナムの文学にどう影響を与えたのかについて、平易な語り口調で述べているんだけど、仏教の影響ここまでと思うと驚きを隠せない。
    白氏文集などで日本の文学が中国からの影響を多大に受けてきたことは認識していたが、その白居易も仏教徒だったし、仏教が来る前の日本の純粋な文学のように思われていた万葉集の歌ですら、その内容やレトリックには仏教の影響が多々見られる。そして書名のとおり、仏教には恋にちなんだ説話が多く、東アジア各国の文学にも当然恋の話が持ち込まれたと。
    日本の古典文学も仏教も深過ぎて、いくら学んでも底がどれくらいかさえ見えそうにない。

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    2025年02月14日
  • 文明・文化の交差点

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    日本人の視座では発祥の地(インド)、伝来元(中国)しか意識されないが、インドから中国への単なる通路と思っていいた中央アジアが大きな影響を与えていることが本書で認識できた。経由地に時代を超えて根付いてた宗教(ゾロアスターい教、マニ教、キリスト教)、風俗と混交し、教義と瞑想に基づくインド仏教から庶民的で実践的な宗教(大乗仏教)に変遷していったことは目から鱗であった。

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    2025年08月16日
  • 恋する仏教 アジア諸国の文学を育てた教え

    Posted by ブクログ

    仏教のイメージがガラリと変わる。こんなに、仏教って民俗的だったんだぁ…(いろんな意味で)
    仏教ってなんか、哲学的で、お坊さんで…ってイメージが強かったけどさ、、こんなちょっとえってぃな感じだったんだね…(精一杯濁しております)
    ブッダも、頭ん中こんなに恋愛のこともあったんだろーか。

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    2025年03月07日
  • 仏教者の戦争責任

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     こうして文庫本の形にならなければ、おそらく手に取ることのなかった本だと思う。著者は、明治35年岐阜県の臨済宗寺院に生まれ、敗戦後、仏教者の戦争責任について真摯に考え、追及し続けてきた禅研究者として知られる人物とのこと。

     著者個人が自らの聖戦体験の経路を概観した「挫折と転向」では、自分が臆病であったこと、死ぬのが恐かったことを正直に語っていて、この人は信頼できると思った。
     第Ⅲ部に収録されている「倉田百三論」「西田幾多郎論」は、彼らがどうして国体賛美に陥っていったのかを論じたものであるが、正直良く理解できなかった。

     仏教の教義をほとんど知らないため、各論考を読んでいても、そこで引用さ

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    2024年08月20日