葵遼太のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレこれぞまさに青春、あまりにも良すぎる。
個人的な癖で申し訳ないのですが私は"愛した女性に先立たれた男性"が大好きです。あくまでフィクションに限りますし、現実世界でこのような話を聞くとしんどくなります。でも、たった一人の女性を愛して、愛し抜いて、ボロボロになってしまう男性が好きなのです。この作品にはそんな風にボロボロになった男の子を主人公に進み始めます。
私の好きなもの全部乗せみたいな贅沢な作品に涙を流してしまいました、心が若返る。
── 十代をロックンロールに捧げないで、人間になにができるっていうの? p.132 / 作中から引用
ここ、めちゃくちゃ刺さったんです。抜け -
Posted by ブクログ
佐藤晃は留年した。成績が悪かったからではない。出席日数が足りなかったのだ。余命いくばくもない恋人の砂羽と少しでも長く一緒にいるために、彼は学校へ行かないで病院に通った。その回想シーンが、読んでいてつらい。
たとえば、死ぬまでに晃と濃密なセックスがしたいと砂羽が望む。それで外出許可を取って二人でラブホテルに行くのだが、服を脱がせると砂羽の体が想像以上に痩せていて、晃はセックスができない。それで一緒に手をつないで寝る。このくだりがつらい。
またあるとき、砂羽が「佐藤くんの手が好きだったよ」と言い、晃が「俺も砂羽の肌が好きだよ」と言う。彼女は過去形で語り、彼は現在形で語る。それがつらい。いよいよ死が -
Posted by ブクログ
ネタバレタイトルで少し読むのを躊躇うけれど、読んでみるととても良かった。
「ロックミュージシャンは何故か早死することが多い。ロックな生き方ができるような人間は、そもそもロックな生き方をつづけていけるほどに図太くはできていないのだろう。」
この文に感銘を受けた。私自身、藤田ほどロックな生き方はしてないけれど、いつも全力疾走で走り続けられるほどに私は強くできていない。
絶望の淵を歩いていてもまだ生きてみようと思える程の彼女の愛は大きく、新しくできた友人たちが救ってくれた世界は淡くて儚くて素晴らしい世界だと感じた。皆しあわせになってほしいです
-
Posted by ブクログ
ネタバレタイトルにつられて読んでみた作品ですが
カート・コバーンの名言から取った言葉だったんですね。
タイトルと序盤の物語の内容がしっくりこなかったのですが
途中で種明かしがあったのでスッキリしました。
内容としては学園青春モノで40手前のオッサンが読むには
少しくすぐったいところが沢山ありましたが面白く読むことが出来ました。
というのも主人公の両親の言葉や悲劇のヒロインである砂羽の両親の言葉が
青春真っ只中のTeenagerに贈る言葉としてとても秀逸だったからです。
自分の息子・娘が同じような状況になった時に果たして自分は
こんな言葉をかけることが出来るだろうかとそんな視点で読んでしまいました。
-
Posted by ブクログ
ネタバレすごいタイトルだな、というのが初めの印象。
ただ、読んでいくにつれて惹き込まれて泣きながら一気に読んでしまった。
主人公の佐藤晃が二回目の高校三年生として教室にいくところから本編は始まる。
晃が二回目の高校三年生を送ることになったのは、昔付き合っていた砂羽のお見舞いに通い続け、出席日数が足りなくなったから。そしてその砂羽はもうこの世にはいない。
クラスの輪に入れず浮いた3人と、4人でクラスに対抗する同盟を組み、モンキーズというバンドを組む。
晃の過去は、モンキーズとしての活動が進んでいくにつれて少しずつモノローグの形で明らかになっていく。
砂羽の死への恐怖、晃の生きることへの執着が自覚なし -
Posted by ブクログ
ネタバレ新潮文庫nex、「ラノベですか?珍しい!」
と思わず言ってしまった。「読んでみて」と貸してくれたのは50代の上司。
何やら彼女が亡くなる話で…
主人公・佐藤晃(あきら)は彼女・砂羽(さわ)が亡くなるまで高校を休学して側にいる…
しんみりと悲しい話は苦手だなぁと思いながら読み進めた。
ただ、特徴的なこのタイトル。
27歳で自殺したニルヴァーナのギターヴォーカル、カート・コバーンの名言の一つである。
晃も砂羽もバンドを組んでいたこともあり、カート・コバーンは神のような存在。
二人の間に同じバンド仲間だった藤田有紀がいて、現実主義で私は個人的に好きだった。
最後にも出てくるが「死人は無敵」という -
購入済み
ある意味、タイトル詐欺な良作。
ジャンルとしては、一般小説って事で良いかな?
そのつもりでの総評です。
電子書籍化による改行などの影響か、若干読み難い点(特に時間軸の変化点が非常に解り難い。)が多かったけど、作品としては巧い。
あと、キーワード的なモノが若干マニアックなところもあって、自分でも解らなくて調べた上で記憶に無かったのが残念。
時期的に、自分の空白期間の情報だったので感情移入出来なかったのが悔やまれる。
そして、読み終わってもタイトルの意味が解らなかった。