p13 どうやら他人に情報を与える機会は、内的な報酬をもたらすようだ
p15 私たちの信念を形作っているのは欲求だ。だとすれば、意欲や感情を利用しない限り、相手も自分の考えを変えることはないだろう
p24 新しいデータを提供すると、相手は自分の先入観(事前の信念と呼ばれる)を裏付ける証拠なら即座
...続きを読むに受け入れ、反対の証拠は冷ややかな目で評価する。わたしたちはしょっちゅう相反する情報にさらされているため、この傾向は両極化の状況を生み出し、それは時を経て情報が増えるたびに広がっていく
p27 だがこれは問題の半分に過ぎない。もう半分は、情報のいいとこどりが行われていることに気づかないでいる点だ。情報は人知れずふるいにかけられているため、わたしたちの目の前に提示されるのは、もともと自分がもっていた意見に即したものが多くなる。つまりこういうことだ。グーグルなどの検索エンジンに調べたいキーワードを入力すると、あなたの過去の検索やウェブ履歴に基づいて、カスタマイズされた検索結果が表示される。
検索の考慮には、位置情報も入ってくる
このプロセスは人を弱くする。自分とは異なる意見の潮流を知らずして、どうしたら合理的に真実を見分けることができるだろう。テクノロジーによる確証バイアスを最小限に食い止めるには、次のような行動が有効になる。匿名ブラウジングや履歴を無効にする。SNSで常連以外とつながる
p30 確証バイアス
自分の気に入らない意見には耳を貸さず、都合の良いところばかり受け入れる人たち
p32 認知能力が優れている人ほど、情報を合理化して都合のよいように解釈する能力も高くなり、ひいては自分の意見に合わせて巧みにデータを歪めてしまう
p34 新しい信念が形成される時、4つの要因が関与する。もともと持っていた信念(事前の信念)、事前の信念に対する確信、新しい証拠、そして新しい証拠に対する確信である。
p40 情報は事前の信念に応じて評価される。新しいデータが、すでに確立した信念とかけ離れるほど、そのデータの信頼性は低く見積もられる
p42 MMRワクチンの副作用への不安を払拭しようとするよりも、子どもたちを重病から守るワクチンの力を強調する方が、予防接種に対する意識に変化が見られたのだ。もとの考えを根絶やしにするのが難しいときには、新しい種をまくのが正解かもしれない
p44 わたしたちは本能的に、自分が正しく他人が間違っている証拠を大量に抱いて議論に挑もうとしがちだが、それでは袋小路に入り込んでしまう。
反対意見をもつ人々は頭から拒絶するが、必死になって反証を探そうとするだろう。変化をうまく導入するには、ゆえに共通の動機を見い出せば良い。共通の目的を見つけたら、次に必要なのはメッセージが伝わるように感情に働きかけることだ
p56 影響を与え合う最も強力な方法の一つが、感情を用いることだ
p61 ツイッターを利用することは、日常生活において最も感情を刺激する行為の一つ
ツイッターはインタネットの扁桃体
p82 ずっと先に起こるかもしれない悪い結果よりも、すぐにわかる良い結果を強調することが状況を一変させたのだ
p154 意見を求めるかどうかの決め手となるのあh,その知識を自分の有利に活用できるかどうか、そしてその評価に対して自分がどんな気持ちをいだくと思うのかの2点である
p155 他のすべての条件が同じならば、人は希望をもたらす情報を求め、失意を招く情報を回避する傾向をもつ
そして最終的には、あなたの発した情報が恐怖でなく希望を導き出すおう、メッセージを再構成することだ
p160 脅威にさらされると、もっているすべての力を、その瞬間を生き延びるという一つの目的に集中させるだ
p163 つまりストレスが強いほど、予期せぬ悪い知らせを聞いて自分の見解を変える傾向が強まった
p170 生命に関わる状況下では、危険を回避することがまさに最善策になり得る。しかしより良い決断がくだされる場面でも、人は本能的に安全な道を選んでしまう
p174 わたしたちは自分の心の状態を意識的に変えて、本能的なパターンを打開することができる
p228 このとき意思決定につかわれるのがヒューリスティックという方法で、素早く単純で直感的なこの方法は思考の近道と呼ばれる。
p238 言葉、l文字、印刷技術、ラジオ、テレビ、インターネット
技術発展が加速し、環境が急速に変化したこの数千年であまり変わらない存在 人間の脳
p250 人に影響を及ぼすには、命令するより自分でコントロールさせたほうがずっと効き目があることを思い出してほしい。悪いことよりも良いことが起こる可能性を強調したメッセージのほうが、人々の注意を引きつける力をもっている