北川桃雄のレビュー一覧
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本書、書店でふと目にとまったので深く考えずに手に取ったが、とても感銘を受けた。なにか日本人が忘れかけているものを気づかせてくれる本である。もともとは禅宗およびそれと密接な関係のある日本文化を外国人に説明すべく英語で執筆された本を、北川氏が日本語に翻訳しているものであるが、その意味では、西欧文化との対比が意識的に書かれ、日本人読者にとっても理解しやすい物となっている。
私自身はビジネスに深く携わっているのだが、近年はMBAブームもあり、米国流の経営管理手法がもてはやされている。書店でもそのような本が多く、日本の経営者の多くもそのような論理的なフレームワークに従って戦略立案や意志決定をするケー -
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若き日に読んでかなり影響を受け、その後仏教への共感を深めていくきっかけになった一冊だ。鈴木大拙の著作の中で、世界でそして日本で最もよく読まれた本であろう。欧米に禅ブームを引き起こすのに一役も二役も買った。
禅は日本の文化にどんな影響を与えてきたか、そして禅とは何か。もともと欧米人のために英文で書かれた。そのためか随所に心理学的な用語が用いられている。かえってそれが、現代の日本人にも新鮮な禅との出会いを可能にする。私が「心理療法の考え方に通じる」と 「発見」したのも、そんな表現法によるところが多い。
私はその頃、ロジャーズを中心とした心理療法に関 心をもち初めており、禅の主張が心理療法の考え -
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ネタバレ今日は朝3時頃に目が覚めたからこの本を読んでいた。日本で禅の文化がどのように浸透していったのかを追いかけた。
禅は日本に中国から儒教と共に、儒教の言葉で語られる形で流入したようだが、その起源はインドの仏教にあった。
中国では朱子学において儒教や禅の起源となるような文化が花開いたとされるが、中国はあくまで歴史的に実利を求める側面が強かった。その中で禅は異質なものだったのではないだろうか。中国人が禅の起源にあたる仏教に触れたとき、その奥深さに驚いたとされる。特に禅にあって儒教や道教になかったのは空(くう)の概念。
日本で禅が広がりを見せたのは鎌倉時代や南北朝時代であり、それは僧侶だけでなく武 -
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禅を世界に広げた第一人者である鈴木大拙が欧米社会向けに禅と日本文化の精神について記した本。
元々は英文であったが、翻訳されている。
日本人の精神的背景にある禅の考えを日本文化という型を通して教えているという感じ。
日本人である私が読むと改めて私たちの意識・無意識に関わらず如何に禅が深く根付いているかが良くわかる。
題目は以下。
1.禅の予備知識
2.禅と美術
3.禅と武士
4.禅と剣道
5.禅と儒教
6.禅と茶道
7.禅と俳句
いいなと思った言葉
・般若を得れば我々は生と世界との根本的の意義を洞徹し、単なる個人的な利益や苦痛に思いわざずらわなくなる。大悲がその時に作用する。
・侘びの真 -
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先日読んだ『茶の本』に続き、私にとっては難解な本で、単語も調べつつ読んでいきました。
著者が外国人のために、禅が日本文化に与えた影響について書いた書籍を和訳したもの。
読んでも禅について明確に分かった!という気にはなれなくて、
禅と日本文化(美術、武士、剣道、茶道、俳句)とに共通する思想がぼんやりと分かったような。
あまり著者について詳しくないのですが、「集合的無意識」と何度か出てくるところは、ユング心理学の影響を受けているのでしょうか。
説明苦手なので、恒例の一部抜粋。
<印象に残った個所>
・禅は初唐即ち八世紀に中国に発達した仏教の一形態である。
・禅のモットーは「言葉に -
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鈴木大拙は、明治から昭和にかけて日本の禅文化を海外に広くしらしめた仏教学者・文学博士で、著書約100冊のうち23冊を英文で著している。
本書は、1935~36年に英米の大学でなされた講演を骨子として1938年に発行された原書“Zen Buddhism and its Influence on Japanese Culture”をベースにして、1940年に日本語訳されたもので、以来読み継がれている古典である。
本書は当時、従来の著者の作品にも増して、各国の宗教研究家や日本文化に関心を持つ人々から歓迎され、「恐らくこの書は単に日本に関するのみならず、英雄的精神の深奥にひそめる最も深遠なるものに関し -
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[ 内容 ]
禅は日本人の性格と文化にどのような影響をおよぼしているか。
そもそも禅とは何か。
本書は、著者が欧米人のためにおこなった講演をもとにして英文で著わされたものである。
一九四〇年翻訳刊行いらい今日まで、禅そのものへの比類なき入門書として、また日本の伝統文化理解への絶好の案内書として読みつがれている古典的名著。
[ 目次 ]
第1章 禅の予備知識
第2章 禅と美術
第3章 禅と武士
第4章 禅と剣道
第5章 禅と儒教
第6章 禅と茶道
第7章 禅と俳句
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