中山ゆかりのレビュー一覧
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この本のタイトルを見たときに、そもそもヘレンケラーについて自分が知っていることは何か。
そして、優しいタッチで描かれたイラストなのにも関わらず、なぜ「怒りと愛を込めた手紙」というタイトルなのだろうという疑問が浮かんだ。
幼少期からほとんど目が見えない障害を抱えた著者は、「どうしてヘレンケラーのようになれないの」という言葉に悩まされ続けた。
まるで神話のように語り継がれる、ヘレンケラーのエピソードを、多くの文献と想像力で、生き生きとした、1人の人間としてのヘレンケラーへと変えようとする試みは、こうしたことがきっかけに生まれたそう。
全ての物語がそうである、とは言いきれないが、物語としての -
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著者のフィリップ・フックはサザビーズの取締役を務めており、アート業界で40年のキャリアを持つという人物だ(サザビーズのウェブサイトには彼の略歴が載っている)。これまでにも何冊か美術にまつわる本を書いていて、何冊かは邦訳も出ている(同じ訳者による『印象派はこうして世界を征服した』(白水社)や、意外なところでは『灰の中の名画』という推理小説もある)。
本書でフックが論じているトピックはとても幅広い。ただし、本書に一貫して流れているテーマというものはある。「何が絵画の価格を高めるのか?」という疑問に対する答え――著者の40年にわたるアート業界での経験に裏打ちされた答えが、本書の大きな柱だ。邦訳に付 -
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370ページもあるので、休日3日がかりで読みました。
伝統や宗教、言い伝えによって、1つの色においてポジティブにもネガティブにも捉えられるのだと勉強になりました。
エピソードがたくさん掲載されているので、読みながら疲労してうたた寝を何度もしました。心身に堪えるエピソードがいくつもあったからかもしれません。
色作りは化学実験だし、生物植物を使用したものがとても多いし、理科の目線で読み進めました。ヒ素が使われた色や尿で発酵させた色の話がいくつもあり驚きました。
カトリックの高校にいた時、宗教と道徳の授業でたくさん居眠りをしたことを思い出しました(後、中退)
聖書、何度も読破しようと思っても -
Posted by ブクログ
これまでよく知らなかった美術の世界が、著者のウィットに富んだユーモアと共に繰り広げられる。あまりアートに詳しくなかった私は、新たに画家の名前が出て来るたびにインターネットで絵画を検索し、知見を広めると共に本を深く理解することができた。
絵画のビジネスはとても人間臭いと感じる。また、他の業界での人々の思惑とあまりに遠いわけでもない。例えば、金融といった、もっとも対極にあるような業界と比較して、対象にまつわるエピソードや希少性を語ることによって価値そのものが上がるという点は同じだ。
これを機に、アートがより身近になり、好きな作品の一つでも買ってみようという気になった。 -
Posted by ブクログ
「理想像」に悩まされたことはないだろうか。架空の人物ではなく、過去に実在して、逸話が語り継がれているような人物の偶像化されたと言っても良いような理想像に比べられ、なぜ同じようにできないのかとか。
もしくは、レッテルを貼られた事はないだろうか。あの人がそうなのだから、あなたもきっと同じに違いないと。
幼くして視力と聴力を失いながら、アン・サリヴァンという師を得て、その高い知性を花開かせた「奇跡の人」ヘレン・ケラー。
精力的に講演活動や執筆活動も行い、聾唖者への理解と支援を求めた彼女は聾唖者の理想像とされた。
筆者のジョージナ・クリーグも幼くして視力を失った。彼女は大学で教鞭を取るまでになったが、