ルー・バーニーのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
2019このミス海外篇6位。
物語はのっけからJFKが暗殺されるのと同時進行で動き出し、その関連性にワクワクしながら読み進める。組織からはぐれた中間管理職的なフランクと、酒飲みでだらしない夫から娘2人と犬(ラッキー)を連れて衝動的にオクラホマの田舎町から逃げ出したシャーロット。後半は2人でラスベガスまで移動するロードノベルとなる。フランクを追う冷血な殺し屋パローネが運転手として雇う黒人少年、ラスベガスでフランクが頼る大物エドなど、脇役達が魅力的。
ラストのフランクの選択はおもいがけないものであり、シャーロットへの愛が本物だったという証かな。
物足りないのはJFK事件との絡みがもう少しあっても良 -
Posted by ブクログ
ミステリだけど、ちょっと変わった筋立てで展開も意外でおもしろかった。こういうのあんまり読んだことないかも!、と思いながら読んだ。
ケネディ大統領の暗殺に知らず加担していたマフィア幹部ギドリーが、知りすぎた自分は殺されると気づいて逃亡する途中に、新しい人生をはじめようと幼い娘たちを連れて家出したシャーロットに出会って、っていう話だけど、そこからふたりが恋に落ちて急にロマンスものみたいになるし、ラストで意外な人が意外な行動に出て驚いたし、結末も最初に予想したような感じにはならないし、すべてが意外。先が気になるし、テンポがよくて、なんだかあったいう間に読めた感じなんだけど、もっと細々長々読みたかっ -
Posted by ブクログ
1963年11月、ニューオーリンズ。暗黒街で生きる男ギドリーは、ケネディ大統領暗殺の報に嫌な予感を覚える。数日前に依頼された仕事はこの暗殺絡みに違いない。ならば次に死ぬのは自分だ、と。仇敵を頼って西へ向かう道中、夫から逃れてきた訳ありの母娘と出会ったギドリーは家族連れを装いともに旅するようになる。だが組織が放った殺し屋はすぐそこに迫っていた―。
「このミス」でベスト10入りだったことを知り、本棚から取り出して読んでみた。例年のことながら、今年読んだ新作は、いずれもランキングの下位、もしくは圏外ばかり。
この作品は、犯罪小説だが、ロードノベルでもあり、実に切ない展開を見せる。おすすめ。 -
Posted by ブクログ
フランク・ギドリーはニュー・オリンズを牛耳るマフィアのボス、カルロス・マルチェロの組織の幹部。一九六三年、カルロス・マルチェロとくれば、ケネディ暗殺事件がからんでくる。ジェイムズ・エルロイの「アンダーワールドU.S.Aシリーズ」でお馴染みの名前だ。オズワルドではない真の狙撃手の逃走用の車、スカイブルーのキャデラック・エルドラドをダラスの現場近くまで運んだのがギドリーだった。
暗殺事件が起きるまで、ギドリーは何も知らされていなかった。関係者が次々と殺される中、ギドリーは自分も消されようとしていることに気づく。ダラスでエルドラドを始末したその足でバスに乗り、行方をくらます。車を手に入れ、ラスヴェ -
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無気力、それの何が悪いのか
頑張ったことがそんなに偉いのか
これは物語だから……
寂れた遊園地で働く青年が、ふとしたことがきっかけで、いままで思ったことがない使命感を募らせ、自らの手で未来を切り拓こうとする。
物語には、おばあちゃんがすきなジミー・ペイジのいるツェッペリンに、おばあちゃんが「女々しいあいつ」と言うジェフ・ベック、20世紀末の16弦が咽び泣くようなシーンもあれば、一方で、GoogleやiPhoneが活躍して、現代であることを思い出す。
同じ作者の前作『11月に去しもの』と同様に、シーンが映像として浮かび、その中でともに悪戦苦闘する。
でも、読み終わって、主人公は本当にこれ -
Posted by ブクログ
ネタバレ3.5くらい?
評判は悪くないけどちょっと歯切れの悪い感じの感想だったので、デッドエンドになりそうだなと思ってたら案の定。ハードボイルドモノ?それ未満な感じ?
タイトルのダークライドは遊園地の暗闇の中を進むコースター的な乗り物かな。お化け屋敷のようなアトラクション。つまり一夏の冒険を表したかったのかな。
主人公の、誰かを救いたい、あの子達を救いたいという気持ちは良かった。救いたい理由より救わない理由がある?というのも良かった。
だけどやっぱ最後らへんの暴走はダメだよ、と感じるで。ハードリーのような人間がたどる末路としてはむべなるかな。
気になったのは、主人公より賢い人間がフェリスという年 -
Posted by ブクログ
ネタバレ23歳くらいの青年ハードリーが勇気を出して、児童虐待を受けている子ども2人を救おうとする話。
ハードリーは今が楽しければいいや、という生き方。マリファナを適度に楽しんで遊園地のお化け屋敷的なところで働いている。
この青年がいきなりむちゃくちゃな探偵まがいな行動をする。周囲の人に助けてもらうのだが突飛すぎる。最後はアドバイスを無視して強行突破。銃嫌いだったのに銃撃戦で2人を殺す。ハードリー本人も重症でその後のハードリーの結末はわからないまま。おそらく命を失ったと思われる。
今まで、何かを一生懸命にそれこそ命をかけた行動をしたことがない青年が暴走した一部始終という感じだった。巻き込まれた撃たれたサ -
Posted by ブクログ
ネタバレ『11月に去りし者』を読んで面白く、力のありそうな作家さんと感じたので読んでみた。
うーん、なんか説得力に欠ける感じ。
あとがきに『11月に去りし者』の後したためていた作品が完成しきれず、5年ぶりの出版となったとの事情が記されていたが、その辺りの難産ぶりというか、源泉の涸れっぷりが伺えてちょっと残念。
主人公のハードリー(本名はハーディだが、兄がからかいも込めて「ほとんど~ない」の意(英:hardly)であるこの言葉で呼ぶので、自分でもそう名乗っている)は寂れたテーマパークの三流ゾンビアトラクション〈呪われた西部開拓地〉で脅かし役に扮する日々を過ごす。
プライベートでは、友人達と共にマリファ