河島茂生のレビュー一覧

  • AI倫理 人工知能は「責任」をとれるのか

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    AIが最近では大きな話題になり、人間はAIをどう使うのか、いやAIに人間は使われる時代がくるのではとの予想もありうるという時代になってきた。
    本書では、AIはあくまでも人間が作りだしたものであり、人間の作るプログラムやアルゴリズムの元でのみ作動する機械であり「自律型機械」には決してなりえないと説く。納得のいく詳細な解説がある。
    しかし、人間とAIがコラボするときそこに今まではあり得なかった新しい切り口の創造物が産まれてくる可能性も現実のものとしてありうると説かれている。
    AIが自律型機械的に扱われて、人間にマイナスの効用をもたらすシーンは多様に予想が付く。そのとき、人間はだれに責任を取らせるの

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    2019年09月27日
  • AI倫理 人工知能は「責任」をとれるのか

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    私が初めて筆者西垣通氏の名前を知ったのは、2004年朝日新聞に掲載された「情報伝達という神話」というコラムだった。西垣氏は、東京大学名誉教授であり、また日立でコンピュータソフトの研究開発に関わってこられたバリバリの”専門家”であるが、そのコラムは専門的なうんちくではなく、意外な内容だった。情報が伝わるとはどういうことか、そもそも情報って、本当に伝わるものなのかという反論から展開されていた。「人工知能は責任をとれるのか」と題された本書のタイトルと西垣氏の名前を見て、即買い。特に第6章監視選別社会が印象に残った。AIによって便利な社会になることは言わずもがなであるが、それにより我々が選別される社会

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    2022年06月28日
  • AI倫理 人工知能は「責任」をとれるのか

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    タイトルの意味するところを、非常に的確に答えてくれている。責任がとれるとれないというより、ロボットと生物の認知の違いを明らかにし、人工知能と生物との境界線はどこにあるのかというところに、論の主眼があると思う。

    1)〈ロボットの設計者には、ロボットにどういう入力をあたえればどういう出力が現れるか、つまりロボットがいかに行動するか、基本的にはわかっている。たとえ細部で不明確なところがあるにせよ、まったく予想外の出力が出現することは原則として無い。もしそうなれば、ロボットは壊れており、廃品ということになる。〉

    2)〈出力(行為)を予測できる以上、機械には原理的にいかなる自律性も自由意志もなく、責

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    2021年03月12日
  • 生成AI社会  無秩序な創造性から倫理的創造性へ

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    自社でもai倫理の観点で、社内aiの活用についてどのように使うことが正しいか考えることがよくある。
    人ありきのaiってことを再認識し、人主導でどのように社会を良い方向へ持っていくかを考え、正しいインプットアウトプットを心がけようとおもった。

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    2025年06月03日
  • 生成AI社会  無秩序な創造性から倫理的創造性へ

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    ネタバレ

    生成AIのメリット
    ・薬の開発、不正口座の検知など
    ・AIのトラブルやインシデントは消費者庁、システムのトラブルはIPA(独立行政法人情報処理推進機構)が担当している。

    生成AIのデメリット
    ・大量の電力が必要
    ・ハルシネーション(幻覚)を起こす
    ・精巧な偽情報を生成して政治に利用される
    ・生成AIで作成された創作物には著作権が与えられていない

    生成AIは薬の開発など生活の向上に役立つ一方で、偽情報が選挙に利用されるなど規制が必要な分野がある。

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    2025年03月09日
  • 生成AI社会  無秩序な創造性から倫理的創造性へ

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    タイトルは「生成AI社会」ですが、書かれている内容は、生成AI時代における創造性、倫理、という内容に絞られていました。前半では創造性とは何かということや、人間と機械の違いについて議論がなされていますが、人間と機械の違いについては、西垣通氏の主張をなぞっている印象を受けたのと、創造性についてもマーガレット・ボーデンの3分類など、どこかで聞いたことがある話でした。

    後半はAIと倫理という話ですが、生成AIがうみだす倫理的な問題と、それへの対処としてのAIガイドラインなど国内外での取り組みの紹介が中心と感じました。これはこれで現在地を理解するには役立ちましたが、正直議論が浅い印象はうけました。創造

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    2024年12月14日
  • AI倫理 人工知能は「責任」をとれるのか

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    2019年 中公新書ラクレ
    AIと倫理を考えるにあたり、それぞれを定義する必要がある。例えばAIであれば、推論プログラムを用いるもの、膨大な情報から瞬間的に抽出するもの、深層学習を行うもの、対話型プログラムを行うもの等々が存在する。
    倫理は、功利主義、自由平等主義、自由至上主義、共同体主義等の観点がある。(優位性は無い)
    しかしAIと倫理の諸問題を考える際、それぞれを十分に整理された状況ではなく、論じることが出来ない。そもそもAIは他律型機械(プログラミングによって答えを出す)為、客観的責任を撮ることが出来ない。
    その為自動運転、監視選別社会、AIによる創作物等は、官民学の連携が必要である。(

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    2024年04月07日