アレックス マイクリーディーズのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
面白かったです!
まさにページターナー。後半はほぼ一気読みでした。
全然スカッとする終わりではないし心理学的な考えを自分の内面と照らし合わせて鬱々となったりもしたんですが、読めて良かったと思います。
他の方も感想に書かれてましたが、こういうのには私も100%ひっかかります(笑)
邦題はサイコセラピストですが、原題をそのまま日本語訳してほしかったと思いました。サイコセラピストというタイトルが悪いというよりは、そのタイトルに引っ張られてしまうので、出来れば著者の意図したところが出ている原題を訳したものが良かったなと。セラピストと患者はこの小説では対になる存在だし。 -
Posted by ブクログ
ミステリーとしてとても面白い。
心理療法は死と再生の物語であると言ったのは河合隼雄先生だったけれども、この物語は死と再生というよりも罪と罰だろうか。
同業者からすれば物語冒頭から逆転移(よりもむしろ転移)状態にあって、どうもこのセラピストは心理療法家としてのラインを最初から侵していると「嫌な感覚」になったけれども、その直感は間違っていなかった。
訳者の坂本あおい先生が書かれている通り登場人物がそれぞれに罪を犯し、罰が下されている。
しかし、心理療法は例え司法分野であっても、罪と罰について考えさせるのではなく、罪を犯した自己と別離し、自己を再生ヘ促す態度が必要になる。
その点において、 -
Posted by ブクログ
心理療法士(サイコセラピスト)のセオには気になっている人物がいた。数年前、自分の夫の顔面に銃弾を撃ちこんで殺した画家の女性アリシア。
裁判で有罪となった彼女は施設に収容されているが、本当に彼女が夫を殺したのか、その動機については謎のままだ。彼セオはアリシアに接近し、彼女が何故夫を殺すに至った真相に迫ろうとうする。
セオの独白と事件までアリシアがつけていた日記で物語は進んでいく。あまり詳しく書くとネタバレになるが、最後の展開で、そうか、そうだったかと気づかされる。
ニューヨークタイムズのベストセラーリストに23週ランクインしていた人気作というのもうなづける。 -
Posted by ブクログ
突然夫を銃で射殺し、その後六年もの間沈黙を保ち続けている画家の妻。彼女の口を開かせたいと使命感を覚えた心理療法士のセオは、彼女となんとか意思疎通を図ろうとするが――。
短い章立てでするすると読んでいくうちに、六年前の事件の真実を追うメインストーリーとともに、主人公の複雑な境遇や沈黙を守る女性の日記が挿入されて、一筋縄ではいかない「不安定さ」が徐々に漂ってきます。何を含んだ、意図した描写なのだろう、という細かなエピソードの積み重ねが、一筋縄ではいかない物語の行先を示唆します。
ミステリとしてまったくの新機軸!というわけではないのですが、そのひとつひとつの細やかな描写の意味がすっと明らかになる鮮 -
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Posted by ブクログ
心理療法士の僕が
夫を殺した女性を救いたくて
その女性がいる施設にスタッフとして入る。
「彼女を救えるのは僕だけ」
僕自身も幼少期の心の傷を癒している。
…とまぁこんな感じで始まる。
読みやすいし引き込まれる。
愛する夫を殺したのは何故?
もしかしたら違う誰かがやったのか?
そういう疑問の答えが知りたくて
先に先に読んでしまう。
終盤の方は「あーなるほどねー」
そうきたか…。
私の予想は半分当たって半分外れ。
スカッとする感じではない。
けど色々考えさせられる。
結局セラピーとか意味ないんかい!
とか思ってみたり笑
本人がそこ(暗闇)から抜け出したい!
って心底から思わない限り無 -
Posted by ブクログ
ネタバレ最初の数ページで、救われない主人公が見えた。
ミスリードが張り巡らせていて、もしかしたら思い違いかも、と思ったが、やはりそうだった。
アルケスティスはちょっと調べてみよう。
ネタバレ
画家のアリシアは、夫を殺す。
アリシアは二度死ぬ
1回目は父親から。
アリシアを隣に乗せて車で突っ込んで自殺した母。
その夜、父親がわめき散らす。
死ぬなら、母でなくアリシアだと。
その時、アリシアは、今父親から殺された、という。
そんな幼少期を過ごしたアリシアは人との距離が適切でなかったが、夫をあいしていた。
夫は、主人公セオの妻と浮気していた。
アリシアはその浮気を知らなかったが、アリシアと同じくひどい父親