米澤泉のレビュー一覧
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面白かった。日本の正面顔文化、面白い。
「変わりたい」願望に関する話も面白かった。変身の結果に対する願望ではなく変身そのものへの願望。「なりたい」は現在の自分に戻らないノーリターンの願望であり、「変わりたい」はイメチェンする身近な願望だという記述が印象に残った。
また、女性が自分の行き着く先にある顔を収集・好む傾向にあるというのもなるほど、確かに…と感じた。
作り込まれた顔を批判する声は今はほぼない、という話に実感があった。SNSに流れてくる提示された世界観にあっている、プロデュースされた顔を私は普通に楽しんでいたなと思った。また、あえて雑多で生活感のある背景の自撮りにどことなく二次元感を -
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ユニクロがなぜ受けるのかを語りながら、戦後ファッションの流れ、服飾業界の流れが簡単明解に理解できる。
この本を読んで、なるほど、ユニクロの狙いは、世の中の流れと絶妙にあっているんだなとしみじみ感じました。
なぜ、今ユニクロが全盛なのか。
少し前は、ユニバレを気にしていた時代もあったが、いまやどのファッション雑誌も「ユニクロでいいんじゃない」となっている。
本書にもあるように、ファッションに対して求めるものが変わっているから
「服が差異化の道具ではなく、共感の道具へと変わったことを示している。服を着ることで差異化するのではなく、お互いに共感したい。共感されたい。つながりたい。」
SNS時 -
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サステナブルやESG、ファッションやライフスタイルを気軽に読める本を探していたら、ドンピシャだった。
無印との違い、自己表現の変化、生活重視など、なるほどと感じた。個人的にはコモディティなユニクロを着ることがひねた視点からの選択だったが、最近の人はそんなどうでもいいことは抜きに、自然にスマートにユニクロを着ていると思う。
一昔前のファッション雑誌では、海外の人は普通の服をおしゃれに着ているという記事があったが、日本も追いついたのであれば喜ばしいと思う。子供服も、ユニクロができておしゃれで安いものが普及したと思う。
ユニクロのビジネスモデルを知りたいような人には向かないと思う。また、断捨離 -
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小泉今日子さんーKYON2は
『少し大人でアイドルの人』で始まって
今でもやはり
『少し前を歩いている憧れのひとりの人でアイドル』
全てをお手本にしてそうなりたいとは思わないけど
それでも良いな真似したいな、なんて部分も多い
岡崎京子さんの漫画はほとんど読んだ事はないけれど
折に触れて見知っていたし興味もあった
自分がずいぶん大人になって
よく行く美術館で展示があった時に
ひとりで足を運んで見てきた時に
自分のその頃の世界はそうではなかったけれど
周りにはそういうことがあったという感じは
わかって暮らしてきていたので
その世界に暮らしている人はそういう感覚だったのか
そんな感じで作品展示を見 -
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今や『日本の国民服』とまで形容されるまでに成長・台頭したユニクロ。ジルサンダーをはじめ世界的有名なデザイナーとのコラボ。揺るぎのない意思証明と向かうべき方向を指し示した『Life Wear』というコンセプトの樹立。松浦弥太郎氏を起用したブランディング。社長の柳井氏は母校早大に12億円を寄付し村上春樹ライブラリーを造るなど…まだまだ我が社は発展途上にある…と言わんばかりにあの手この手の搦手をもって、鋭意進化中のユニクロ。
本書はファッションへの関心が暮らしへと向かい、かつてオシャレとは競い合うものが差異化のないシンプルなオシャレへと大きくシフトする中、これまでユニクロが商品を通じて発信してきた -
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コロナウイルスが日本に広がって、変わったことはたくさんある。その中に顔も入る。マスクで顔を覆うようになり、表情を読み取りにくくなっている。目とマユ毛で読み取る必要が出た。女性の場合、メイクする部分が減った。
今回の本はクリーム、「イメージ化する身体、コスメ・自撮り・SNS」ということで、コロナ時代の顔について取り上げた珍しい本だ。
昔の顔に関する認識を言い表したものとして詩人の作品を取り上げている。それは井坂洋子が1979年に発表した「素顔」という作品だ。
服のように簡単に顔をぬげなくて苦しい
顔は服のように着せ替えできないのだからそうだ。しかし、SNSの -
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ネタバレ丁寧な暮らしの起源、村上春樹のランゲルハンス島の午後を読みたくなりました。
流行りのESG投資のヒントにもなった気がする。
1988年広島 ユニーククロージングウェアハウスがスタート
80年代後半ハイブランドは飽きられて、着る物より着る者が重視されるようになった。
ビックロのオープンは2012年、服と家電の価値が同じとなった
柳生正「ユニクロの服とは、服装における完成された部品である」
画期的な機能性と普遍的なデザイン性を組み合わせればベーシックな定番商品が作り出せる→ヒートテック
シンプルで、上質で、長く使えるのが日本の価値観
ファッションよりも丁寧な暮らしが美徳となった
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個性や差別化を求めるのではなく正しさを求める、倫理的な正しさを志向するエシカルファッション。無理をして個性的な服を着る必要はない。大枚をはたく必要もない。おしゃれをしなくてはならないという世間の常識に疲れ果ててしまった人。あるいは、もともとついていけない人たちがユニクロに飛びついた。デザインやブランドを選択基準にするのではなく、この服を買えば世界中のお腹をすかせている子供たちに食べ物が行き渡らせることができる。いいことをしたという納得感が得られる。消費を行いながら社会貢献ができるということ。ファッションとは良識を示すもの。そして、新たな価値観を提唱するもの。消費に意義を求める人たちのニーズをし