ジェニファーイーガンのレビュー一覧

  • マンハッタン・ビーチ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    アメリカの作家、ジェニファー・イーガンの作品。本作を合わせて4作が翻訳。「ならずものがやってくる」でピューリツァー賞を受賞。

    第二次世界大戦下のアメリカ。女性や黒人への差別が色濃く残る中、アナは潜水士を目指す。一方、イタリア系ギャングのデクスター・スタイルズは、自身のギャングとしての人生を振り返り、堅気の生活に淡い憧れを持つ…

    女性蔑視の中、強く美しく生きるアナに魅せられつつ、アナはデクスターとどう絡むのか、失踪した父はどこに行ったのか、気になる展開で飽きさせない作品。

    障害を持つアナの妹リディアとの海のシーンが非常に印象的。作品の中でもターニングポイントとなる場面で、涙が出そうになった

    0
    2025年07月28日
  • マンハッタン・ビーチ

    Posted by ブクログ

    おもしろかった!第二次世界大戦下のニューヨーク。才覚と強い意思で生き抜こうとする人物たちの運命が交錯する。

    その人物の生き様によって、物語がノワール、ミステリ、歴史小説、海洋冒険小説といった様々なジャンルを横断する。情景が目に浮かぶような映画的な描写が多いので、スコセッシ、オーディアール、コーエン兄弟、カーティス・ハンソンあたりに撮ってみてほしい。

    勝ち気で才気あふれる主人公の成長物語としても読みごたえがある。少女時代から描かれるので、はじめての自転車、煙草、シャンパン、潜水、などの描写がとてもみずみずしかった。

    0
    2025年09月11日
  • マンハッタン・ビーチ

    Posted by ブクログ

    本は分厚いが、先が知りたくてスイスイ読めた。
    第二次世界大戦のアメリカが舞台。アナ、アナの父エディ、ナイトクラブのオーナーであるデクスター・スタイルの3人の語りで進む。

    アナがたくましい。好奇心と気の強さで人生を切り開いて行く。
    伯母のブリアンも同じく気の強いキャラでいい味出してる。

    読後、長い旅を終えた気分になった。

    0
    2025年08月30日
  • マンハッタン・ビーチ

    Posted by ブクログ

    港湾を舞台に繰り広げられるギャングの闘争かと思ったら違った。父親と娘とその難病の妹の物語だった。

    第二次世界大戦中の文化、海軍の様子の描写が緻密だった。対照的に人の動き、場面転換などで書き過ぎないところがいい。クールだ。

    マンハッタンビーチを3人でみる場面が最初のクライマックス。美しくはかないが、重要なシーンだ。海を見たんだ。

    そこからは娘は(アナは)、急速に大人になっていく。いろいろある。
    父親にもいろいろある。姿を消す。

    娘は探すことになる、父親を、海底で。

    海底だ。

    男性中心の世界で奮闘する娘の姿は、朝の連ドラになりそうな逞しい生きざま。

    そして、よい、ラストだ。
    細かく見

    0
    2025年06月29日
  • マンハッタン・ビーチ

    Posted by ブクログ

    第二次世界大戦下のニューヨーク。エディ・ケリガンは一時、デューセンバーグを乗り回すほど、羽振りを利かせていたが、株の大暴落があってからは、すっかり落ち目に。今は養護院仲間で港湾労働組合委員長のダネレンに雇われ、裏金の運び屋稼業で辛うじて家族を養っている。難病で寝たきりの娘に車椅子を買ってやりたい一心で、十二歳の姉アナを連れ、アイルランド系と角逐するイタリア系のギャング、デクスター・スタイルズの邸を訪れる。

    デクスターは十六歳の頃、父に内緒でギャングの陰のボス、ミスター・Qの下で働き始めた。禁酒法時代は田舎道を高級車で走り、法を破る快感に酔いしれた。禁酒法時代が終わるのを予見したデクスターは、

    0
    2019年08月16日
  • キャンディハウス

    Posted by ブクログ

    ソーシャルメディア“マンダラ”のCEOであるビックス・ボウトンは、記憶をアップロードして共有するサービス、“オウン・ユア・アンコンシャス”を発明し世界を一変させた。
    本書は、連作長篇の形式で多数の登場人物が時間と場所を替えながら、変わりゆく世界での生き方を描いた思弁小説だ(多分)。サイバーパンク的なSFを期待したのだがガッツリ裏切られた。
    ピューリッツァー賞を受賞した『ならずものがやってくる』の続篇という位置づけらしいが、こちらは未読。キャラクターが重複する以外は、あまりつながりはなさそうだが……。

    0
    2025年09月28日
  • マンハッタン・ビーチ

    Posted by ブクログ

    ジャケ買い。爽やかな表紙カバーとは裏腹に、表紙と本体は渋いブラックで、意外な組み合わせだなと感じていた。最後まで読んで分かったのは、物語に合わせた装丁ということ。大人の男らしい無骨な黒が登場人物と時代の空気を彷彿とさせる。
    物語は全体的に重苦しい空気が漂っていて、個人的に期待していた潜水の描写もそんなにないのだが、主人公のタフさに励まされる。周りに流されない気丈な女性が魅力的に描かれていた。

    0
    2021年06月23日
  • マンハッタン・ビーチ

    Posted by ブクログ

    なんというかアメリカ人のアメリカ人によるアメリカの物語って感じでした。
    イタリアマフィアの話も混じりはするが、これはまさしくアメリカスピリッツだ。
    潜水士を志す主人公がこの物語にどう結びつくのかと思っていたが、後半からあーなるほどなと、そして父の生死、そして行方というのも後半からは場面が代わる代わる語られていくに従って深みが増しだした。いろいろない交ぜな感情が湧き出たりもしたが、ラストはちょっとうーん、で終わったのが頂けなかった。
    うん、まぁアメリカ的かw

    0
    2019年12月12日
  • マンハッタン・ビーチ

    Posted by ブクログ

    第二次世界大戦下のアメリカ・マンハッタンを舞台にした重厚な作品。主人公のアナはヘルメット潜水で軍艦を修理する様子に魅せられ、その仕事に就くため数々の困難に立ち向かっていく。失踪した父、その消息を知っていると思われる酒場の経営者の3人の視点から物語は綴られていく。戦時下とはいえそこはアメリカ、海軍工廠で働く人々の姿はどこかのどかだ。戦争やらマフィアやら物騒なものがあふれる世界で、1人の女性として強く生きるアナの姿が頼もしい。重度の障害をかかえ、身動きすら困難な、アナの妹・リディアの存在が光る。

    0
    2019年09月06日