中島信子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
トランスジェンダーの、性認識の芽生え、成長とともに広がるギャップ、友達との悩みを、「太郎」というひとりの「少女」の言葉で綴った児童書。クローゼットに眠る可愛いぬいぐるみの「こぐちゃん」を隠すこと=自分の中の性自認を隠すことのメタファーと感じながら読んでいた。「ずっと見つからずにいられたら」という思いと「隠し続けていては辛すぎるよ」という想いの間で揺れながら、おばあちゃんの優しさに家族以上の何かを感じていたが、最後に告げられる事実に、心打たれた。。
太郎が「徐々に」気づいていく過程は、トランスジェンダーの子供のよくある発達過程の例なのだろうか。私は身近にこういった子が居なかった(または気づかなかった)まま大人になってしまったが、小学校のときにこういった児童書に出会っていれば、もう少しいろんなことに対して寛容になって、何かの受け皿になれたのではないかと思う一冊だった。最後の後書きの杉山さんのメッセージも、素敵。 -
Posted by ブクログ
小学6年で祖母の介護をする「ヤングケアラー」の話。
児童小説なのでわかりやすく書かれてある。
2020年の4月に小学6年になった理夢が、コロナで学校が休校になり、友だちにも会えず、家から出られずに買い物を短時間で済ませるだけの日々に。
普通じゃないのは、寝たきりのおばあちゃんの世話をひとりでしていること。
突然の介護に戸惑う間もなく、なんとかしなければという思い。
アラームにセットした押しの歌で気持ちを奮い立たせていた。
いつまで続くのだろう。
そう思うのは当然のこと、だけどおばあちゃんのことを放ってお母さんと姉のところへ行かないのは、お父さんのことが好きだし、おばあちゃんだって嫌じゃなかったから。
理夢の孤独な頑張りに気づいたのは、団地のおばさんたちかもしれない。
そのおばさんが、お母さんに電話したことで…良い方向へ。
介護は突然やってくる。
それを子どもひとりが背負うことになるのも想定外で、誰に何を相談していいのかわからないし、見られたくないと言う思いもあるから周りには気づかれずにいることも…。
けっしてひとりで抱えられることではないので、誰かに伝えて援助してもらうことが必要だと思う。