上條さなえのレビュー一覧

  • 月と珊瑚

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    沖縄に住む6年生の珊瑚は勉強は苦手。
    一緒に住んでいるルリバーは沖縄民謡歌手で、珊瑚も小さい頃から民謡を教えてもらっている。

    お母さんは九州で働いて、お父さんはいなくて、
    ときどき恥ずかしい気持ちで子ども食堂でご飯を食べさせてもらっていて、珊瑚の家は正直貧しい。

    同級生の詩音にひらがなばかりの作文をバカにされ、珊瑚は漢字の勉強を始める。
    そんな頃に、本土から転校してきた月(るな)のミステリアスな雰囲気に、珊瑚の心は釘付けとなる。

    月のボーイッシュな姿とさりげない優しさ。
    詩音のちょっぴり偉そうだけど相手を思う気持ち。
    くるみの貧困に関係なく付き合ってくれる友情。

    日常の上空を飛ぶ戦闘機

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    2023年01月03日
  • 10歳の放浪記

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    【本の内容】
    「お父ちゃん、明日はご飯を食べられる?」―昭和35年、10歳の著者は父と共に東京・池袋でホームレスとして暮らしていた。

    健気に生きる少女を支えてくれたのは、貧しくも心優しい人々だった。

    40年以上も胸に秘めてきた、つらく悲しい記憶を辿る著者の心の旅。

    生きる人すべてを勇気づける児童作家の自叙伝。

    [ 目次 ]
    放浪への序章(椎名町;大塚;狭山貯水池;鮫洲;滝野川;高尾山)
    放浪の始まり(九十九里村;根津八重垣町;池袋;秋津;房総へ)

    [ POP ]
    芸人なら自分の境遇をネタにできるが、一般にはハードルが高い。

    惨めさ、辛さを客観的に語るには、主観(=親)の死を待たなけ

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    2014年10月26日
  • 月と珊瑚

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     沖縄に住む小学6年生の女の子、「珊瑚」主観で書いた日記形式の物語には、勉強ができないことを気にしていた本人が、漢字を覚えるために日記を始めたという設定に微笑ましさを感じながら、時折、田中海帆さんの凜とした絵が加わることによって、シリアスな雰囲気も醸し出しており(表紙の楽しそうな絵も裏表紙を見てみると・・・)、そんな本の作り方には地元の人達の視点だからこそ見えてくる、沖縄の様々な素顔や切実な思いがたくさん込められていたのであった。

     ジェンダーレスや貧困問題、多様性など、現代ならではの様々な要素が自然と取り込まれた学校生活に於いて、昔から変わらないと思われる沖縄ならではの部分を感じることで、

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    2025年06月14日
  • 月と珊瑚

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    小5の娘に薦められて読んだ。

    子供向けの友情ものかと思いきや、沖縄のリアルな話を子供目線で書かれた物語だった。まぁ子供向けの本であることに変わりはなかったけど。

    頑張り屋で、貧乏な境遇に少し劣等感を持つ珊瑚が、華やかな転校生、月に憧れを抱きつつ仲良くなっていく。
    また一緒に二人で住んでいるおばあちゃんの、過去も段々とわかってくる。それを受け止められるように成長する珊瑚。
    物語の途中にそれとなく沖縄の現実や、過去の苦しみも描かれる。なかなか重い。

    うまく文がまとまらなかったが、ちょっとジーンときたり、そうなんだよなー、と真剣になったり、を繰り返した。
    良い話だった。

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    2022年08月06日
  • 月と珊瑚

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    那覇の小学六年生の女の子、珊瑚が主人公。家は貧しい。子ども食堂で食べるカレーがひそかな楽しみ。勉強が苦手。祖母は酒場で歌う民謡歌手。珊瑚も民謡を習っている。
    祖母や曾祖母の過去、地域の人たちの暮らし、育まれる友情、初潮を迎えたときのこと、東京からの転校生をベルばらのオスカルに重ねて憧れる気持ち、等々がつまった物語。
    特に印象に残ったのは、東京からの転校生(ややこしいがオスカルとは別人)である詩音が、戦闘機の音を聞いてパニック状態になるシーン。慣れっこでちっとも怖くないし「戦闘機は落ちない」と信じている珊瑚は、「戦闘機は落ちないからだいじょうぶ」と、その音に負けないように大きな声で言う。戦闘機が

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    2022年04月16日
  • 月と珊瑚

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    日記を交えながら、わかりやすい言葉で沖縄での暮らしや歴史について書かれている。
    子ども目線なので、内容がすっと入ってきた。

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    2022年02月22日
  • 月と珊瑚

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    字を書くのが苦手な珊瑚の日記形式で進む。最初はひらがなばかりだが、珊瑚の漢字の習得とともに、目をみはるほどの成長がみられる。

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    2022年02月02日
  • 月と珊瑚

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    とてもわかりやすく、沖縄の現在と過去を教えてくれている。
    子供目線で沖縄を伝えてくれるのはとてもとても感情移入しやすかった。
    突然、そして不条理にたくさん大変な思いをしなければならなかった沖縄…
    もっと、せめて日本に住んでる人全員がきちんと歴史を学んで考えていかないといけない。
    子供から大人まで読むべき本やった。

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    2021年09月12日
  • 月と珊瑚

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    小学校高学年の課題図書です

    沖縄に住んでいる6年生の珊瑚は東京から転校してきた子からバカにされ漢字の勉強を始めます
    最初はひらがなが多いとこから漢字が増えていく文章
    もう1人東京から越してきた月
    彼女たちとの関わりを通して成長していく子どもたちのお話

    沖縄の民謡、平和記念日、アメリカの基地、戦闘機の音
    そこで生活している人たち
    沖縄と戦争について考えさせられるお話でした

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    2021年02月14日
  • 月と珊瑚

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    2020年度小学校高学年、課題図書

    沖縄に住む六年生の珊瑚
    自分の名前も漢字で書けなかった少女の成長物語
    ラストの作文でそれが読者にもはっきりと分かる

    横軸に沖縄の現実を織り交ぜながら
    家族や友人の中で珊瑚は成長していく

    読んでいて胸が痛くなるけれど
    子どもたちにも知ってほしいことだ

    ずっと切り捨て続けているのだから

    この著者の作品をもっと読みたいと思う

    ≪ 沖縄の サンゴ礁には 血と涙 ≫

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    2020年10月06日
  • 月と珊瑚

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    沖縄の小学6年生の子たちの話
    主人公の珊瑚は、民謡を歌うルリバーと二人暮らし。
    東京からきた詩音と大阪から転校してきた泉、沖縄育ちの珊瑚とくるみ。沖縄に対していろんな思いをもちつつ将来を夢見る成長物語。
    珊瑚の日記を通して、物語が進むのでとても読みやすい。

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    2020年08月16日
  • 月と珊瑚

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    ネタバレ

    読書感想文コンクール課題図書高学年の部、国内物語枠。
    上条さなえさんの本が課題図書なんていいですね!
    舞台は沖縄、沖縄戦、基地問題、貧困問題etcが絡んでくるので割と重たいです。しかも高学年に読ませるのに「アメリカ兵に犯された」はどう説明してよいのやら…しかし、子どもたちのみずみずしい青春物語はイイ。
    感想文書くのは非常に難しそうな一冊。主人公に感情移入できるところは多々あるが、「沖縄」に触れようとすると途端に難しくなりそうな予感。

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    2020年07月24日
  • 月と珊瑚

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    読み初めて、「あれ?これって小学高学年課題図書じゃなかったっけ?」と疑問を抱くほど、ひらがなだらけの文体だった。
    それは、漢字が書けない、勉強ができない珊瑚の日記として書かれているからだ。
    珊瑚は、自分の作文とクラスメートのしおんの作文との差に愕然とし、転校生の月に好かれたくて漢字の勉強を頑張る。
    それは、4月に書いた作文「六年生の夢」と7月に書かれた作文「二十歳の夢」に大きな差となって現れる。
    その間、祖母のルリバーと二人の生活は貧しいのはなぜなのか。ルリバーの秘密から沖縄の過去に向き合う。本土から来た沖縄を知らないクラスメートと基地問題、騒音問題と話は広がり、珊瑚自身も沖縄を深く知っていく

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    2020年07月06日
  • 10歳の放浪記

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    「子どもって、かなしいよね。大人に決められたら逆らえないし、どんなにいやなことだって、がまんしなくちゃならないんだもん」。10才の私はこんなこと夢にも思わなかった。帰るべき家があり、家族皆一緒に生活し、毎日学校へ行く…それが当たり前だと思っていた。人間の本当の幸せとは本来「当たり前のことを当たり前と思う」ことかもしれない。未来ある子どもに夢と希望を持たせる、それが大人の義務であり、責任であると思う。

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    2012年11月20日
  • 10歳の放浪記

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    ネタバレ

    作者の講演を研修で聞いた。埼玉県の教育委員長まで務めた作者が10歳、突然、父親とホームレスになったことを書き綴っている。

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    2011年06月11日
  • 月と珊瑚

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    沖縄の貧困と基地問題を盛り込んだ、県内の小学生の生活のお話。
    第66回(2020年)青少年読書感想文全国コンクール課題図書
    (小学校高学年部門)

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    2025年09月04日
  • 月と珊瑚

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    課題図書と言うことで読み始めました。
    本州の小学校では、戦争についての学習は広島か長崎がほとんどだった気がします。今でも米軍基地があるのに沖縄と戦争が結びつきにくい。東京からの転校生と沖縄の子との、色んな点での温度差は戦争を知らずに育った大人世代の自分も同じだと思いました。
    ジュリと言う言葉も私は初耳でしたが、日本の教育もちゃんと変わって来ているんですね。

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    2024年05月20日
  • 月と珊瑚

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    現代に生きる沖縄の少女たちの日常。戦闘機が低空で飛ぶのが当たり前になっている世界。慣れすぎて怖いとも思わない。しかし沖縄以外から来た転校生たちに触発されておかしいと思うようになる。住宅地を飛ぶ戦闘機、基地反対の座り込み、遊郭に売られたジュリ、貧困率の高さ、そして沖縄であった戦争のこと。沖縄の小学生たちが、沖縄の未来を考え未来を真剣に想う。その純粋さが眩しい。

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    2022年08月15日
  • 月と珊瑚

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    2020年度読書感想文コンクール小学校高学年の部課題図書
    沖縄でおばあと暮らす、珊瑚という名前で勉強が苦手な6年生の女の子が漢字を覚える為に日記を書き始めた。母親は大阪で美容師として働いていて、おばあは琉球民謡の歌手で夜の居酒屋などで歌っている。そんな珊瑚の前に現れた転校生やクラスメイトの中で成長していく姿を描いている。
    読後感爽やか。沖縄の辛い過去や、偏見も描きつつ、人の心の温かさがクッキリと印象に残った。

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    2021年05月02日
  • 月と珊瑚

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    ネタバレ

    平和記念学習で学んだより胸に迫った。
    本土でかつ原爆の落とされた地域でもないからそこまで深く勉強をすることはなかったし修学旅行でも胸は傷んだがどこか人ごとだったように感じる。
    今はそれが恥ずかしいと思う。
    沖縄の問題は根深い、私たちは普段それを知らずに生きている。でも向き合わないといけない、身に染みて感じた一冊だった。

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    2021年03月24日