月と珊瑚

月と珊瑚

1,265円 (税込)

6pt

「わたしは、六ねんせいになったので、べんきょうをがんばります。」ひらがなだらけの作文を、クラスメートに「あなた、ほんとに六年生?」ってばかにされた。私は、「勉強をしよう」って、本当にそう思った。まず、どうすればいい。そうだ、漢字を書けるようにしよう。日記だ。日記を書こう。これはちかいだ――。勉強ができないことを恥ずかしいと感じ始めた少女・珊瑚のクラスに転校してきたのは、まるで『ベルサイユのばら』のオスカルのような、男の子か女の子かわからない月(るな)という子でした。珊瑚の日記に描かれるのは、エイサーを舞う姿がかっこよかったり、ひいおばあちゃんが辺野古に座りこみに行ったり、耳をつんざくような戦闘機の轟音で機体の種類を当ててしまったり、その逆に轟音が聞こえると耳をふさいで動けなくなってしまったりする同級生たちの姿です。珊瑚の「月と仲良くなりたいな」と思う日常を描いた、たどたどしい日記からは、沖縄の子どもたちが、いま、目にし、感じていることのすべてが浮かび上がってきます。子どもの貧困、学力の差、沖縄文化の継承、そして米軍基地問題……。沖縄に移住した作者があたためてきたテーマが、いま花開きます。新たな児童文学の可能性がここにあります。【対象:小学上級以上】

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月と珊瑚 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2023年01月03日

    沖縄に住む6年生の珊瑚は勉強は苦手。
    一緒に住んでいるルリバーは沖縄民謡歌手で、珊瑚も小さい頃から民謡を教えてもらっている。

    お母さんは九州で働いて、お父さんはいなくて、
    ときどき恥ずかしい気持ちで子ども食堂でご飯を食べさせてもらっていて、珊瑚の家は正直貧しい。

    同級生の詩音にひらがなばかりの作...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年08月06日

    小5の娘に薦められて読んだ。

    子供向けの友情ものかと思いきや、沖縄のリアルな話を子供目線で書かれた物語だった。まぁ子供向けの本であることに変わりはなかったけど。

    頑張り屋で、貧乏な境遇に少し劣等感を持つ珊瑚が、華やかな転校生、月に憧れを抱きつつ仲良くなっていく。
    また一緒に二人で住んでいるおばあ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年04月16日

    那覇の小学六年生の女の子、珊瑚が主人公。家は貧しい。子ども食堂で食べるカレーがひそかな楽しみ。勉強が苦手。祖母は酒場で歌う民謡歌手。珊瑚も民謡を習っている。
    祖母や曾祖母の過去、地域の人たちの暮らし、育まれる友情、初潮を迎えたときのこと、東京からの転校生をベルばらのオスカルに重ねて憧れる気持ち、等々...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年02月22日

    日記を交えながら、わかりやすい言葉で沖縄での暮らしや歴史について書かれている。
    子ども目線なので、内容がすっと入ってきた。

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    Posted by ブクログ 2021年09月12日

    とてもわかりやすく、沖縄の現在と過去を教えてくれている。
    子供目線で沖縄を伝えてくれるのはとてもとても感情移入しやすかった。
    突然、そして不条理にたくさん大変な思いをしなければならなかった沖縄…
    もっと、せめて日本に住んでる人全員がきちんと歴史を学んで考えていかないといけない。
    子供から大人まで読む...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2021年02月14日

    小学校高学年の課題図書です

    沖縄に住んでいる6年生の珊瑚は東京から転校してきた子からバカにされ漢字の勉強を始めます
    最初はひらがなが多いとこから漢字が増えていく文章
    もう1人東京から越してきた月
    彼女たちとの関わりを通して成長していく子どもたちのお話

    沖縄の民謡、平和記念日、アメリカの基地、戦闘...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2020年10月06日

    2020年度小学校高学年、課題図書

    沖縄に住む六年生の珊瑚
    自分の名前も漢字で書けなかった少女の成長物語
    ラストの作文でそれが読者にもはっきりと分かる

    横軸に沖縄の現実を織り交ぜながら
    家族や友人の中で珊瑚は成長していく

    読んでいて胸が痛くなるけれど
    子どもたちにも知ってほしいことだ

    ずっと...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2020年08月16日

    沖縄の小学6年生の子たちの話
    主人公の珊瑚は、民謡を歌うルリバーと二人暮らし。
    東京からきた詩音と大阪から転校してきた泉、沖縄育ちの珊瑚とくるみ。沖縄に対していろんな思いをもちつつ将来を夢見る成長物語。
    珊瑚の日記を通して、物語が進むのでとても読みやすい。

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    Posted by ブクログ 2020年07月06日

    読み初めて、「あれ?これって小学高学年課題図書じゃなかったっけ?」と疑問を抱くほど、ひらがなだらけの文体だった。
    それは、漢字が書けない、勉強ができない珊瑚の日記として書かれているからだ。
    珊瑚は、自分の作文とクラスメートのしおんの作文との差に愕然とし、転校生の月に好かれたくて漢字の勉強を頑張る。
    ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年08月15日

    現代に生きる沖縄の少女たちの日常。戦闘機が低空で飛ぶのが当たり前になっている世界。慣れすぎて怖いとも思わない。しかし沖縄以外から来た転校生たちに触発されておかしいと思うようになる。住宅地を飛ぶ戦闘機、基地反対の座り込み、遊郭に売られたジュリ、貧困率の高さ、そして沖縄であった戦争のこと。沖縄の小学生た...続きを読む

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