鹿子裕文のレビュー一覧
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ネタバレ制度があるからやるのではない。施設が作りたいからやるのではない。思いがあるからやるのではない。夢を実現したいからやるのではない。目の前になんとかしないとどうにもならないような人がいるからやるのだ。その必要に迫られたからやるのだ。それは理念ではない。行動のあり方だ。頭で考えるより前にとにかく身体を動かす。要するに「つべこべ言わずにちゃちゃっとやる!」のだ。
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介護に疲弊した家族が、涙を浮かべながら窮状を訴えるとき、施設はその存在意義と力量を問われる。専門職として、その専門性が試される。この仕事を生業とする者が、今、自分たちに何ができるのかを突きつけられる。
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自分が実際目にして、耳にして、鼻 -
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福岡にて、特別養護老人ホームを建てようとした人たちの奮闘を描いたノンフィクション。昨日読み始めて、面白すぎて睡眠時間を削って読んで、それでも読み終わらなかったので、通勤の行きの電車の中で読み終えた。
「志」というには、そんなに肩に力が入っていない人たちが、ゼロから特養を建ててしまう。最も大変なのは、当然だが、資金の手あて。何せ3億円以上の費用がかかる。行政の補助金も手にするが、それでも残りの2億円以上を自分達だけの力で何とかしなければならない。寄付を募り、バザーを開き、手作りの品を売り、行事の際にはテキ屋の売店をやらせてもらい、ありとあらゆる事をやって、とうとう特養を建ててしまう。
億単位の -
Posted by ブクログ
ネタバレあーよみおわった。読みやすい。いっきよみ。おもしろいし、テーマも強いし、でも印象強かったのは、この著者の「気持ちのいい家」とか、(なんかもうひとつくらいあったけど忘れた)形容詞がものすごいしびれるのがあって、とにかく始終しびれていた。
谷川俊太郎の詩にも、お金集めの信念の話にも、号泣する。お金がないとき、その集め方でお金の価値も変わってくる。勇気をもらえた。
社会にとけこめないお年寄りを世話することからはじまった、ワケアリの人ばかりがあつまる老人ホームの話。介護や高齢化が問題化した、一昔前の事情や空気感が伝わりやすい。
しかし今の事態は、世の中の人たちがお金がないと何とも出来ないんだと思っ -
Posted by ブクログ
のっけからトップギアで笑わされ、始終、「ふふふふ……」「クククク……」と笑わされた。出てくる人は皆、個性的。内容といえば、個性的な人たちが、ボケても普通に暮らせる人生を叶えるための特別養護老人ホームづくりに奔走するノンフィクションで、そこだけ聞くと、高い志に満ち満ちた崇高な感じに思える。
思えるが、とても良い意味で、登場人物たちは肩の力が抜けている。志を大上段に構えてそれで満足するような人たちではなく、静かに燃えつづけ、地に足ついた活動を続け、楽しみながら、理想の施設を回し続ける金策に日々挑む。
笑わせてくることが多いが、むしろ7割くらい笑って読んでいたが、随所随所で施設が描く理想に心打たれ