あーよみおわった。読みやすい。いっきよみ。おもしろいし、テーマも強いし、でも印象強かったのは、この著者の「気持ちのいい家」とか、(なんかもうひとつくらいあったけど忘れた)形容詞がものすごいしびれるのがあって、とにかく始終しびれていた。
谷川俊太郎の詩にも、お金集めの信念の話にも、号泣する。お金がな
...続きを読むいとき、その集め方でお金の価値も変わってくる。勇気をもらえた。
社会にとけこめないお年寄りを世話することからはじまった、ワケアリの人ばかりがあつまる老人ホームの話。介護や高齢化が問題化した、一昔前の事情や空気感が伝わりやすい。
しかし今の事態は、世の中の人たちがお金がないと何とも出来ないんだと思ってしまう、あるいは面倒なことはお金にさせると思ってしまう傾向が強くなってしまっているようにも思う。
施設がまわりにとけこむ、老人ホームに入らなくてもいいような老人ホーム。社会が隔離しようとする存在は、それ自体の問題というより社会の受け口が問われる問題なのだなと思う。しかし、普通に暮らしているとそのことをつい忘れてしまう。こんな施設が当たり前になったらいい。お金だけしか頼れるものがない世の中はさみしい、信頼できる人たちがいるかどうかが、安心して暮らすことにつながるのだなあと思う。
一点だけ、行政や政治にも、頭がかたいとか己の利益ばかり考えているとかいうのは、何かこれからどうにか出来ないものか、と感じた。私たちの国の組織なのに。