ドロシー・L・セイヤーズのレビュー一覧
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十五代デンヴァー公爵の次男坊であるピーター・ウィムジイは、ワインとコーヒーそして一流の謎が好きな貴族探偵。そんなウィムジイの魅力がたっぷり詰まった短編集。7篇収録。
「盗まれた胃袋」が一番好き!
ウィムジイがいいキャラなんだよねー。飄々としていて雰囲気イケメン(容姿は普通)カッコつけすぎず、でもスマートで、ザ・英国紳士。夫婦喧嘩したら黙って皿洗い始めちゃうあたりでもうダメ、めちゃくちゃ好き。
周りも良キャラ揃いで読んでいて楽しい。
謎自体はバカミス味もあるし、本格派には
ウケなさそうな気はするけど(クリスティの方が日本で売れているのがおそらくそれ)バカミス&キャラ小説好きな私にはたまらん -
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シリーズ第十一弾。
ついに結婚へと至ったピーター卿とハリエット。
従僕のバンターと三人でハネムーン先として買い取ってあった〈トールボーイズ〉と呼ばれる田舎の農家へ向かいますが、到着してみると家は施錠されていて、待っているはずの前所有者も見当たらない状態。
何とか入れてもらった室内も整っておらず、“話が違う”感満載でとりあえず滞在していたら、地下室から前所有者の死体が発見されて・・。
まず序章での社交界を飛び交う手紙のやりとりが、「ピーター卿ついに結婚!!」というニュースのセンセーショナルな様子が伝わってきます。
個人的にはここで、"手紙といえばこの人!"の(?)、クリン -
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我らが貴族探偵・ピーター・ウィムジイ卿が、様々な謎を解明する探偵譚、短(中)編七話が収録されております。
先日長編シリーズをコンプしてしまった私としては、ピーター卿に再会できて嬉しく思いながら読みました。
怪奇風味なものからサイコサスペンスチックな話、そして王道ミステリ等々・・各話、毛色の異なる謎解きモノで、何故かどこにでも現れるピーター卿が謎や事件を解決していく展開なんですけど、長編の時よりピーター卿の引用癖といったクセツヨな部分は控えめな印象です。
個人的に好きな話は、“ちゃんとミステリ”していた「盗まれた胃袋」、「完全アリバイ」ですかね。
加えて、「ピーター・ウィムジイ卿の奇怪な失 -
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収録されているのは1928年から1938年にかけて発表された、ドロシー・L・セイヤーズのウィムジイ卿シリーズの短編。
セイヤーズはどうもアガサ・クリスティと双璧のイギリスのミステリの女王とされているそうだが、やたら古めかしい『ナイン・テイラーズ』はさほど面白くもなかったし、どうなんだろう、と思っているところ。
こちらの短編集も、古典的な本格推理小説としてはディクスン・カーのそれよりはかなり劣るし、そもそもセイヤーズの持ち味なのかサスペンスフルな急展開がなく遅いテンポでのんびり進んで行くし、それぞれそれなりに興はあってもとりわけ優れている感じがしない。
そんな牧歌的な印象が強かった作品集 -
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なかなか続きが出なくって
前作までの訳者さんが
亡くなってしまわれたのは少し残念。
一応、新婚旅行で滞在する屋敷で
前の持ち主が死んでいるのが見つかる
という事件は起こりますが
作者が「推理もある恋愛小説」と言ってるように
メインはお貴族様と結婚した
女流作家の気苦労やら、なんやら(笑)
まぁ、シリーズを通して読んできた読者への
ファンサービスな一冊ですね。
御前様は相変わらずだし。
新婦のハリエット嬢と執事のバンターが
うまくやっていけそうで良かった(*^0^*)
「田舎者」のご近所さんに振り回されて
ついにキレるバンターに驚いたわ…。 -
Posted by ブクログ
サブタイトルが「推理によって中断する恋愛小説」とありますが、まさにコレです。読後感はロマンス小説を読んだ感覚。
イギリスの田舎の風俗描写と、新婚旅行で周囲そっちのけでキャッキャウフフするピーターとハリエットが凄い。この二人のファンなのでとっても楽しめたのですが、これは絶対にシリーズの最後に読むべき本で(ストーリーやキャラクターが繋がってる事もあり)、絶対最初に手に取っちゃいけない奴ですねw
この作品、元が舞台脚本だっただけあって、今までの作品と一味違ってうっすら舞台の痕跡みたいなのが感じられて面白い。(例えば、居間にカメラが固定されてそこに次々キャラが出入りするような演出になってて、とても舞