市川祐子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
楽天の元IR部長による、2005年から2017年にかけての楽天のファイナンス面での歩みを筆者の経験とともに時系列で振り返った本。
三木谷社長やCFOとのやり取り、IRチーム内の論議の内容、投資家とのコミュニケーションの様子などかなり詳細に描かれており、成長企業におけるファイナンス理論の実践ケーススタディとして大いに役に立った。
特に東証一部上場やグローバルオファリングの章は、社内意思決定プロセス・ロジックや、東証への説明・投資家向けのロードショーなどプロジェクトの流れが詳細に表現されており、IR業務のやりがい、大変さがよくわかったとともに、業務への興味が湧いた。
巻末に用語辞典が載っている -
Posted by ブクログ
最適資本構成を検討するって言ってもアンコントローラブルじゃない?と思ってたけど、どの株主・投資家と対話して行くべきか、その内容はもっと買って欲しいのか去って欲しいのかどちらの方向か、そのために誰に話させるべきなのか、を考えれば、企業側が考える「最適」に近付けられるのかなと思った。
会うべき投資家=上位の株主+同業他社の大株主かつ自社株保有の少ない機関投資家、としてリストアップして、優先度を付けて予算策定時に年間訪問スケジュールと誰が会うべきかを決める。営業が取引先との取組の予定を立てるように、IR部門も資本市場を相手に同様の事をやる。ふむふむ。
社外取締役・監査役に対してストックオプション -
Posted by ブクログ
ESGとはなにか、ESG投資の動きが会社にどのように影響を与えているのかを初心者にわかりやすく解説します。今どきの若い人たちはこんな風なことを考えて就職してきてるんだなぁ…と思いながら読み進めました。
IR担当者としての見聞きした内容や事例も多く紹介されているのも魅力的です。
序盤は基本過ぎてちょっと退屈…と思う部分もあったのですが、後半には改めてわかりやすい言語化というのは大事だと思わされる内容。
個人的にはコーポレートガバナンスや今後の企業のあり方に対する私見が少し混ざった文章が好きでしたし、対談も面白く読めてオススメです。
読み飛ばしたいっと思われたら第5章あたりから読んでいくのもあ -
Posted by ブクログ
楽天で12年間IR業務を務められた方による、TBSへの統合提案に始まってグローバルオファリングに至る各種イベントを振り返った記録。
楽天のIRってこんな感じなんだ…と、シンプルに人の仕事ぶりを見ることができた時点で興味深い本でした。
成長期の楽天だからこそでしょうが、IRの仕事がほぼ網羅されていて、この仕事について具体的に知りたいという人には一番良い本じゃないかと感じました。
ある意味では「教科書的」ではあると思うのですが、仮にどの会社であっても内実なんてドタバタすぎて書けないはずですし(笑
資本主義社会の中にいながらも、普通の会社員だと、自社が上場していたとしても、「なんでそんな数字出さ -
Posted by ブクログ
楽天のIRをゼロから立ち上げた著者による、IRの業務を紹介した一冊。ルーティーンワークだけでなく、一部上場や公募増資にも関わった著者が、楽天での経験をケーススタディ的に臨場感をもって紹介している。
IRに関する業務を紹介している本が少ないため購入してみた。そもそもIRについてルーティーンワーク、受動的なイメージがあったため、著者のように攻めるIRの内容は新鮮だった。恥ずかしながら、IRがコーポレートファイナンスの観点から会社を支えていたことを初めて知った。マイナス面は、アナリスト個人に対する攻撃など、アグレッシブな姿勢が垣間見えた点。
個人的な反省点としては、留学以降ファイナンスから離れてしま -
Posted by ブクログ
ネタバレ「#楽天IR戦記 (「株を買ってもらえる会社」のつくり方)」日経BP、市川祐子著
ちょうど今日の日経でプロ野球の楽天創立話が載っていたが、「ITベンチャー」時代(若い人は実感ないかも?)から押しも押されぬ「優良企業」となった楽天の「裏方変遷記」。三谷幸喜さんあたりが映画化したらひじょうに面白そう!
IR情報は、企業が市場と対話する手段…ファイナンスを学んで、頭では理解していたつもりだが、「中の人」の実体験はこころに響く。
自分の仕事でも、もっともっと分かりやすい語りを実践したい。
著者は、本当に、市場にわかりやすく語りかけることを意識して来られたのだろう。とにかく文章がわかりやすく、さらに