【感想・ネタバレ】楽天IR戦記 「株を買ってもらえる会社」のつくり方のレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ 2020年07月05日

楽天の元IR部長による、2005年から2017年にかけての楽天のファイナンス面での歩みを筆者の経験とともに時系列で振り返った本。

三木谷社長やCFOとのやり取り、IRチーム内の論議の内容、投資家とのコミュニケーションの様子などかなり詳細に描かれており、成長企業におけるファイナンス理論の実践ケースス...続きを読むタディとして大いに役に立った。
特に東証一部上場やグローバルオファリングの章は、社内意思決定プロセス・ロジックや、東証への説明・投資家向けのロードショーなどプロジェクトの流れが詳細に表現されており、IR業務のやりがい、大変さがよくわかったとともに、業務への興味が湧いた。

巻末に用語辞典が載っているが、この本で知識を学ぶ、というよりは知識を学んだ上でその定着のために読むと非常に効果的だと思う。

0
ネタバレ

Posted by ブクログ 2019年12月30日

「#楽天IR戦記 (「株を買ってもらえる会社」のつくり方)」日経BP、市川祐子著

ちょうど今日の日経でプロ野球の楽天創立話が載っていたが、「ITベンチャー」時代(若い人は実感ないかも?)から押しも押されぬ「優良企業」となった楽天の「裏方変遷記」。三谷幸喜さんあたりが映画化したらひじょうに面白そう!...続きを読む
IR情報は、企業が市場と対話する手段…ファイナンスを学んで、頭では理解していたつもりだが、「中の人」の実体験はこころに響く。
自分の仕事でも、もっともっと分かりやすい語りを実践したい。

著者は、本当に、市場にわかりやすく語りかけることを意識して来られたのだろう。とにかく文章がわかりやすく、さらにライブ感が半端でない。特に後半200ページあたりから気になった記述を幾つか。
IRのゴールは何か?をチームで議論する。時価総額の最大化…流動性、理論株価との乖離、長期保有株主比率、意見噴出。
それを支えるKPI(プロセス目標と言い換えて良いだろう)はIRミーティング件数、株主数、投資家評価の3点に絞ることで結論。
買収による成長戦略を進めるためのエクイティファイナンス、しかし日本の証券業界の慣行では僅か1年半の具体的な案件が見えているものでないと首を縦に振ってもらえない。緊迫する準備を経て公募増資を発表、あるアナリストから「キレイなファイナンス」との賛辞、図らずも前回の増資から9年、年間期待収益率8%を上回ったタイミングとの指摘。
いよいよ本番、三木谷氏がニューヨークに渡り、1日7件の「ロードショー」、1回のミーティングで最大20名を超えるプロの投資家達と英語で丁々発止やりあう様、ランチミーティング後の「食べ残し」の量にプレゼンの手応えを感じる。
山田CFOの締めの言葉、「俺たちが今までやってきた事は、表面上のROEやROAを上げることではなくて、リスク資産と資本と負債とのバランスをとりながら資金調達コストを最小化し、利益を最大化させることなんじゃないの?」

0

Posted by ブクログ 2019年12月07日

最適資本構成を検討するって言ってもアンコントローラブルじゃない?と思ってたけど、どの株主・投資家と対話して行くべきか、その内容はもっと買って欲しいのか去って欲しいのかどちらの方向か、そのために誰に話させるべきなのか、を考えれば、企業側が考える「最適」に近付けられるのかなと思った。

会うべき投資家=...続きを読む上位の株主+同業他社の大株主かつ自社株保有の少ない機関投資家、としてリストアップして、優先度を付けて予算策定時に年間訪問スケジュールと誰が会うべきかを決める。営業が取引先との取組の予定を立てるように、IR部門も資本市場を相手に同様の事をやる。ふむふむ。

社外取締役・監査役に対してストックオプションを付与すべきか、みたいな(ニッチな?)論点好き。この二役には付与すべきでないかな。事業の執行を監督する役割だから短期的なインセンティブに基づく指摘をして欲しくないから。なので固定報酬にすべき。


IRの仕事はあまり知らなかったけど、アニュアルレポート作成や決算説明会準備・運営、投資家対応はやるとして、社内IR週報(活動内容やアナリストレポート等)を役員等キーマンに送付して情報交換したり、機関投資家とのMtg履歴をDB化して、どの投資家に誰が会い何を話すか整理、とかもするんだね。

0

Posted by ブクログ 2023年05月17日

2023年28冊目。満足度★★★★☆

楽天という有名企業のIR部門の中心を10年以上担った経験を踏まえ書かれたもの

ジャスダック時代の楽天の内部統制が想像以上に脆弱だつたこと、著者の仕事が相当激務だったことなどが印象に残るが、上場企業が公募増資などを円滑に行なっていく上で、いかに腐心しているか、...続きを読む非常に生々しく理解できた

個人投資家に限らず、広く上場企業に関わる関係者に一読推奨

0

Posted by ブクログ 2021年02月15日

・IR担当者やCFO含む経営陣が株を投資家に買ってもらう取り組みとして日々何をしているのかかよくわかる
・特にグローバル投資家やアナリストとの関係構築、株価と事業フェーズを鑑みた増資に向けた動きは面白い

0

Posted by ブクログ 2020年06月27日

楽天で12年間IR業務を務められた方による、TBSへの統合提案に始まってグローバルオファリングに至る各種イベントを振り返った記録。

楽天のIRってこんな感じなんだ…と、シンプルに人の仕事ぶりを見ることができた時点で興味深い本でした。
成長期の楽天だからこそでしょうが、IRの仕事がほぼ網羅されていて...続きを読む、この仕事について具体的に知りたいという人には一番良い本じゃないかと感じました。
ある意味では「教科書的」ではあると思うのですが、仮にどの会社であっても内実なんてドタバタすぎて書けないはずですし(笑

資本主義社会の中にいながらも、普通の会社員だと、自社が上場していたとしても、「なんでそんな数字出さないといけないの?」的な反応になったりするものです。
本著が優れているなと感じたのは、IRの業務を説明しているだけでなく、「なぜIRをしないといけないのか?」を考えているところ。
IR側は、どういう戦略に基づいて、どの情報をどういうパッケージングで見せるかというのは考え抜かないといけないことですが…。

著者が体調上の理由で楽天を退職されてしまったのは残念ですが(経歴を見ると、IR部長になられたのは休職の直前か休職中…?)、著者のような経験をされてきた方が情報発信をされているのは日本のマーケットにとって非常にポジティブなことだと感じました。

0

Posted by ブクログ 2020年04月08日

IRという仕事が非常に興味深いことがわかる本です。臨場感があって、公募増資のエピソードは痺れました。金融を志す人はぜひ読んでみてください。

0

Posted by ブクログ 2020年01月20日

企業IR担当の中の人がどのような行動をしていたのかが追えるようになっている。そこについて全く知らなかったこともあり、非常に面白い。

ではこうやって形成される株価とは何なのかという思いも抱くようになった。市場のコンセンサスの形成ってこうやって作られるんだという話は、個人投資家は本当になにも知らないで...続きを読むやるしか無いんだという感想になる。

0

Posted by ブクログ 2020年01月19日

楽天のIRをゼロから立ち上げた著者による、IRの業務を紹介した一冊。ルーティーンワークだけでなく、一部上場や公募増資にも関わった著者が、楽天での経験をケーススタディ的に臨場感をもって紹介している。
IRに関する業務を紹介している本が少ないため購入してみた。そもそもIRについてルーティーンワーク、受動...続きを読む的なイメージがあったため、著者のように攻めるIRの内容は新鮮だった。恥ずかしながら、IRがコーポレートファイナンスの観点から会社を支えていたことを初めて知った。マイナス面は、アナリスト個人に対する攻撃など、アグレッシブな姿勢が垣間見えた点。
個人的な反省点としては、留学以降ファイナンスから離れてしまっていたため、理解不足の箇所がある可能性がある点。直接関わりのない業界、ビジネスについてもバランスよく触れることの大切さを痛感した次第。

0

Posted by ブクログ 2020年01月01日

読後はお疲れ様でしたとつい出てしまうくらいタイトル通りの戦記でした。
楽天のような多様な事業を抱える企業が、IR活動をすることの難しさや複雑さを知ることできました。
また巻末に用語も丁寧に記載されているので、わかりにくいといったこともほとんどなくIR活動が何たるかがよくわかる一冊でした。

0

Posted by ブクログ 2019年11月23日

楽天のIR担当を長年務めた著者が、実体験に基づきIRの仕事を書いた本。
TBS買収、ライブドアショック、公募増資、東日本大震災など、様々な出来事にどう対応してきたかが詳細に語られる。読み物として面白いし、ふだん問い合わせをしている身としては裏側で起きていることがわかり興味深い。
日常的に機関投資家と...続きを読むミーティングし、既存株主、潜在株主とコミュニケーションし株式のフェアバリューを保とうとし続ける姿勢が頼もしく、こうした姿勢が他の日本企業にももっと広まるといいと思った。

0

Posted by ブクログ 2019年11月12日

MBA的な「IR」ではなくて、リアルなケーススタディから見る世界は全然違う。

企業ごとに事情は違うだろうから、そのまま再現することは難しいだろうけど成長過程にある企業のIRってこういうことなんだな!というイメージを具体的に捉えることができたのは面白かった。

0
ネタバレ

Posted by ブクログ 2019年07月15日

おもしろいけど。
名前ふせずに出せばいいのに。経営企画執行役員とか書かずに。
まつーか、楽天の株価まったくのびてないけど、よくこの本出せるな。

P267 資本コストは何%か
楽天の株主資本コストは5-6%の間暗いと計算している
⇒インターネット企業
に期待するリターンは一桁後半から10%という期待...続きを読む値と違和感がある。
MAチームの担当者
・ある程度安定して成長しているインターネット企業なら10%前後
・ベンチャーで高成長なら20%ぐらい
・アーリーなら40-50%とか、
同規模同業種を参考に決めています。CAPMとか使わない

0

Posted by ブクログ 2023年05月22日

楽天のIR立ち上げから様々なイベントについて時系列で書かれている。示唆に富むようなものは少なかったが、IRの現場を理解できた。

0

Posted by ブクログ 2021年01月22日

NECを経て2005年から楽天にてIR部門を経験した著者が楽天での経験や自身のIRや日本の財務部門への提言などを書いた一冊。

激動のIT企業にてIRを経験された著者の経験は非常に波乱万丈に富んでいて刺激を受けました。
入社から約1年後には指揮を取るようになり、クレジット事業などの金融事業に対する理...続きを読む解や株主へストックオプションの賛同を求めたり、東日本大震災などを経ての取り組みなど同社ともに成長していく著者の姿を感じることができました。
また、入社当時はジャスダック市場に上場していてそこから1部昇格を目指し、その中で内部統制を整えていくことや東証との業績予想をめぐる攻防やアナリストや記者とのやり取りや機関投資家とのロードショーやランチミーティングなど普段知ることのできない現場の雰囲気も感じることができました。
そして、三木谷社長の人となりやヤフーとの違いなども知ることができました。
そして、巻末のIR用語辞典もたいへん参考になりました。

部下の育成や巻末のコーポレートガバナンスコードやスチュワードシップコードに対する考えなどを読むと楽天をリタイヤした後も市場や投資家に関わる仕事を行う著者が本書での経験などを活かしてこの先どのような活動をしていくのか楽しみになり、企業と市場の対話について深く学ぶことができた一冊でした。

0

Posted by ブクログ 2020年01月05日

IR活動は、リスクを伴って新たなチャレンジを積極的に実施する企業には不可欠な行為だと理解した。(上場企業でも、安定成長に重きを置いている場合は、必ずしもIR活動は重要視されていない?ともとれる。)
会計基準に即した正確な財務諸表の開示は、上場企業にとって、活動実績に対する説明責任を果たす行為(守り)...続きを読むであるとすれば、IR活動は、上場企業にとってのチャレンジ(筆者の言う妄想)に対して説明責任を果たす行為(攻め)と理解できる。
会計監査も攻めの説明責任に対応できる柔軟さを兼ね備える必要があるとは思うが、決算説明会の直前にセグメント区分を変更する大胆さには、担当監査人の大変な苦労があったものと推測された。。

0

Posted by ブクログ 2023年01月24日

なかなか本を読むだけでは実感の持てなかったIRについて、IR担当者目線で仕事の内容を書いているので専門用語も身近に思え実感が沸いてくるのが良かったです。投資は理詰めの世界というイメージをもっていましたが、実際に対面であってビジョンを聞いてと、人と人との対話で作られる部分も大きいというのが面白いと思い...続きを読むました。

0

Posted by ブクログ 2019年08月03日

楽天のIRを長年担当されてきた市川さんの著書。
おもしろかったです。

IR現場の緊迫感が伝わってきます。
コーポレートガバナンスに対する問題提起(社外取締役、社外監査役にストックオプションを付与するのは適切か? 業績予想の開示は必要か?など)もあり、要所要所でう~ん、と考えさせられます。

楽天っ...続きを読むて、すごい会社なんだな、と改めて感じました。

0

Posted by ブクログ 2019年06月22日

楽天でIR(投資家向け広報)担当を12年間つとめた著者の奮闘記。楽天の発展の経緯や、どのように機関投資家やアナリストなどに対峙してしてきたのかがわかる。

0

「ビジネス・経済」ランキング