大塚已愛のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレグロいと安易に言い切れない、ジメジメしているよりからっとした雰囲気の残酷描写。
でもグロ耐性のない人(+芋虫系苦手な人)には決して勧められない、それでもお勧めしたくなっちゃう作品。
あ、でもやっぱり人を選ぶ系の話だよなと、読んでいて随分と悩みました。
面白いんです。
間違いなく面白い!
とんでもなく面白い!!(語彙力)
人が人を喰う咀嚼音までリアルな描写、手足引きちぎられるこれまたリアルな描写があっても引き込んでぐいぐい読ませちゃう筆力は流石、大塚先生。
最初の話から、加当君は達磨にされちゃいますからね。
それでいて、他のメンバーよりも「人間」って言われちゃうあたり彼はどうなってるんだよと戸 -
Posted by ブクログ
ネタバレ文庫化待っていました。
ようやく読めました。
待った甲斐があった面白さ!
師匠兼父親を殺された少年と、彼に憑いた鬼、そして声を失った金髪の美少女という変わった組み合わせ。
これだけ見るとラノベのボーイミーツガール系だが、でも読むとしっかり歴史もの。
そもそも史実から始まった物語なので(史実だったことに解説を読んで知ったタイプですが)
御方様の正体、紅絹ちゃんの正体、復讐の着地点。
気になる謎や展開も多いし、本格的なチャンバラシーンも見どころ。
十兵衛の成長も伏線も丁寧に張られているので、あの時の経験が今活きたか!と思える展開も熱い。
途中悲しい別れもあるけれども、最後はちゃんと救いもあって -
Posted by ブクログ
ネタバレそう言えば贋作って「絵画」だけに限らないよなと、2巻目を読みつつ最初に思ったことはこれ。
今回は楽器に纏わる話も出てくる。
しかも楽器としては名器だし、最初から贋作として生み出されたものではないのに、作り手以外の意志が介入することによって「贋作」に陥れられるというパターンというのが興味深かったです。
新キャラはそんな楽器にも精通したエディスの婚約者。
エディスもサミュエルも無自覚ながら惹かれ合っているのに婚約者とは何事だと、最初は非常にやきもきしたのですが、彼の正体が分かってから一気に手のひら返しました。
だって、実際サミュエルがエディスを危険に巻き込みたくないからと別れを告げて姿を消してい -
Posted by ブクログ
ネタバレ徹頭徹尾、自分の好みの話で悶えつつ読み終えました。
19世紀末のロンドンのあの美しくも不穏な雰囲気も好き。
実在の絵画を絡めつつ、構図、色彩、解釈込みで細かく「設定」を作り込んでいる作中の贋作も凄い。
その贋作の抱えた闇を暴くのが、頭脳戦だけではなく、日本刀を操る美形による戦闘というのも度肝を抜かれたし。
説得(物理)みたいな。
それも、毎回成功とは限らず「俺強え!」になってないところもよし。
この戦う場所、ネガ・レアリテも怖いけど美しい世界。
その世界そのものも絵画作品を見るかのよう(まあ絵画から現れた世界ではあるから当たり前か)
敵も毎回ビジュアル含めて細かく作り込まれたキャラなので、それ -
Posted by ブクログ
富士のふもとの山廻役人・坂下と加当の務めは、無断で山の樹木を伐る不届き者の見張り。だが、真の任務は、林奉行の小野寺の指令のもと、山に棲むあやかしを退治する事。
ワケアリ最強役人バディの伝奇エンタメ。
それぞれ壮絶な過去を持つワケアリ役人たちの伝奇エンタメ小説。
皆キャラも立っているし、それぞれのメイン回なんかもあり、間違いなくエンタメ作品として面白い。面白いんですが、強烈な残虐表現・カニバリズム描写と虫表現でなかなか人にはお勧めし辛いです。特にそういう描写が苦手でもない私も、一瞬うっ……と思ったくらいなので、苦手な人はちょっと無理そうかもしれない。食欲は確実に失せそうです。
逆に言えば、表 -
Posted by ブクログ
ネタバレ紅絹〜〜!ちょっと泣けました。
文庫本p294の「黒っぽくうねりを帯びた冬の海は、南国の割に寒々しくって、」という文の響きが好きでした。寒々しくて、でなく寒々しくって、のところ。
宗教を名指しで批判するところはやり過ぎではと心配になったけど、しょうがないといえばしょうがない。天皇が地方を平定するのは咎めず古事記日本書紀の妖怪を悪く描くのもまあ、日本人だからそうだよな…色々考えてしまいました。主人公側含めてすべての物の怪が可哀想でもあり、愛も有り、でもおぞましくて罪深い、そして人間もまったく同じ。そういう、単純に物事に白黒つけないところがこの小説の魅力かなと思います。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ贋作の絵の感情を考える機会を得られました。
サミュエルがかなり高度な技術から作られた機械人形で、どうやって作られたのか気になります。
未来からきたのかなぁ、地球外なのか、考えます。
ここ最近のファンタジーは、ファンタジーなのに原理といいますか、仕組みを説明できないとあかんという風潮があるのが、私にとってはこの作品を心底たのしめない原因です。
なければ、ナチュラルに楽しめたはず。
少し昔の、漫画『からくりサーカス』の人形も、操縦者がいてもあんなに動けないだろうに、すんなり受け入れられた。だって(当時の)ファンタジーだから。
しかし、まだ一作目しか読んでないので、二作目に期待。
キャラク -
Posted by ブクログ
ネタバレ知識の泉のような小説だった。数ページ読んだだけで一冊分の満足感が得られる。
バイオリンが好きなので、ストラディヴァリウスの贋作が出てきた第一話は楽しく拝読。
お互いのために別れることにしたサミュエルとエディスの場面は切ない。
第四話のP293「別に彼女がそうだからといって、君が何か引け目を感じることもない(中略)夢の形はそれぞれで、別に比べるこっちゃあない」
このヘイズのエディスに向けた言葉が心に刺さった。
そしてときめくというより、にやけてしまう場面はP370です( *´艸)サミュエルとエディスのいちゃいちゃをもっとみたい!
THORES柴本先生の表紙イラストが素敵(´▽`*)服の質感 -
Posted by ブクログ
ネタバレ人外であるサミュエルの正体を知ったとき驚いた。19世紀末とは思えない設定。彼の体は摩訶不思議。あらためて表紙をみる。カバーイラストのTHORES柴本先生は、サミュエルの中身も考慮して彼を描いたと思う。ドンピシャです(´- `*)
一番好きな場面はp282〈噎せ返るような花の香りの中で、殺し合いは続く〉というところ。サミュエルの敵のブラウンもまた人外で、手元から色とりどりの花を出す。花の塊がサミュエルに殺到。サミュエルは日本刀で攻撃。二人とも人間なら死んでるような容赦ない戦い。圧巻です!
ヒロインのエディスはサミュエルに守られているだけでなく、共に戦える良きパートナー。むしろサミュエルのほうがエ