Rizapのトレーナーが心がけていることを文書化、書籍化したもの。Rizapはインターネットに転がっている「手段」や英会話スクールなどの「機会」ではなく「結果」を提供しており、その結果を導くために様々な工夫を凝らしている。
ダイエット、英会話、ゴルフなど上手くなる方法ややり方はまとめられているがそれ
...続きを読むを続けることが難しい。それらをやり切らせること。そこが、ブルーオーシャンであり、Rizapが重んじている領域である。
やり切らせるには、「顧客のニーズ(動因)に向き合う力」、「寄り添う力」、「目標達成後も繋がり続ける力」が必要で、それはボディメイクのメソッドといった知識ではなく、トレーナーの人間性に起因する。
向き合う力は、顧客に実際に動いてもらうために必要となる。顧客を喜ばせることが自分の幸せにつながるという考え方をトレーナーが持つことが重要だ。そもそも向き合うには、ニーズの把握が必要であり、相手を動かす際のヒントにもなる。ニーズとは顧客の課題であり、そのひとりひとりの課題を解決していく。動因を引き出すため、カウンセリングにおいては100%肯定する。これにより信頼関係を養う。結果にコミットするための手段としては、プロセスを承認することが重要。あなたはすごい。わたしは感動した。〇〇がすごいといっていた。のyou, i, weを使い分けて承認していく。
トレーナーは、顧客のボディメイクの計画をたてる"マネジメント"、それを完遂に導くための"メンタルサポート"、顧客の人生を変えるためのパートナーであるという意志、すなわち、"マインド"を持たなければならない。つまり、顧客を導くリーダーであり、寄り添いが重要となる。やり切らせるためにはモチベーションを維持させることが必要である。それには気づく、褒める、認めるという3つの肯定が重要となる。また、接客業の基本は「いかに相手に自分のことを考えてもらうか」、「人生における優先順位をあげてもらうか」にある。そのための日々からの工夫が重要である。
このレベルまで来ると、トレーナーがいないとできない、依存。いなくてもできる、自立、までは到達している。繋がり続けるためには、一緒にいればもっとできる、相互依存、のレベルに達する必要がある。より幸せな人生を送ってもらうために、ストレッチゴールを設定する。その際相互依存の関係にあることが求められる。それは、テニスのプロ(例えば錦織)が、自分よりテニス自体は上手ではないコーチとともにツアーを回っているのと同様の考えである。
本書を通じてRizapのトレーナーがいかに顧客の成功にコミットしているのか感じることができた。こういったトレーナー業だけでなく、人と接する仕事に対して応用可能なテクニックが多々あるように感じた。