鈴木有紀のレビュー一覧
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対話型美術鑑賞の技術を学ぼうシリーズ。実際の授業の様子を再現してくれており、現場での進め方や生徒の反応、それに対するコーディネーターの対応などがとてもよくわかる。「どこからそう思う?」「そこから(さらに)どう思う」という問い。「一つのものを見て対話する」ことで意識の共有が生まれやすいこと。「教える側・教わる側ではなく、みんなで話すこと」「一見問いのような、実は答えであることを見抜く」「すでに理解していることを承認してあげる」「察しの悪いナビゲーターになる」ことなど。ただ、事例が小学生中心なので、大学生や大人が対象となると更なる工夫が必要かもしれない。
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視覚的教材を用い、教師が前提となる知識などを一切教えず、子供たちにより自由なを促す授業の取り組み方についての本。
教師がその役割を担うナビゲーターが、どんな声かけをし、どんな役割をすればいいのか、どんなことに気をつければいいか、子供たちがどんなふうに変わっていったか、どんな発言をしたかなどが詳しく書かれている。
子供たちが視覚的教材の中で見つけたこと、感じたこと、疑問に思ったことを自由に発言する。その際、大切なのが、「どこからそう思ったのか」という声かけ。なぜそう思ったのか?より、どこからそう思ったのかの方が、根拠がしっかりと作品の中に見出せるということだった。
目指すのは
[不確実性の -
Posted by ブクログ
MoMAのアートを通じたラーニングメソッドでもある感じ、表現し、そして学ぶ。それを日本式に置き換えて導入した愛媛県などの事例を交えて新しい授業の形を紹介する本。残念ながら、それが成功しているという事例を感じないということはあるが、、、いずれにせよ強制的に導入するのではなく、自ら生まれてくる疑問とそれをファシリテートするファンクションが必要で、自分の経験を思い起こしても、それが毎週、10年間通ったアトリエの画家の先生だったことに気が付く。何を書きたいの?どうして書きたいの?そうかそうか、書いてみよう。小さかったころ、緑の木々が好きだった。黒田清輝の絵を模写しながら緑で塗っていくと先生が、この絵の
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Posted by ブクログ
どうしてそう思う?という問いかけに対して40%は個人的な解釈が入る。どこからそう思う?の問いかけには解釈が20%しか入らず、事実ベースの発言が74%を占める。
小学生の授業が検証対象になっていたけど、大人の会議なんかでもよく起きることで、個人解釈の発言が増えると同じイメージを共有することが難しくなり、議論の停滞やアウトプットの段階で「なんか違う」が起こってしまう。学校の先生の役割がナビゲーター/ファシリテーターになっていくというイメージが具体化できる内容だった。
と、同時に自分が小学生時代に毎日授業してくれていた先生は何を教えてくれたんだろうか?その時の自分の頭の中では、クラスメートの頭の中