矢部孝のレビュー一覧
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まず言いたいのは、「一人でも多くの日本人に読んで欲しい!」と言うこと。
本書は脱石油エネルギー社会を「マグネシウム」で実現できると主張します。そう、小学校のときに実験で燃やした「マグネシウムリボン」のマグネシウムです。
海水から太陽エネルギーで「マグネシウム」を取り出し、それを燃やす。熱量は石油とほぼ同等な上に、粉状なので問い扱いも楽。
燃やすと「酸化マグネシウム」になる。これを太陽光でつくったレーザーで熱する(2万度?!)と「マグネシウム」に還元できる。
つまり、太陽エネルギーを「マグネシウム」にチャージするという発想。
これを可能にしているのが、太陽光からレーザーを作りだすレーザー媒体で -
Posted by ブクログ
化石燃料に替わるエネルギー源としてマグネシウムに注目し、その研究の現状と、事業として成立させるためのロードマップについて論じた本。
マグネシウムの優位性を語る際、既存の技術との比較をデータと簡単な計算で示しているため、記述に説得力がある。
かといって、素人についていけないレベルの難しい話でもなく、全編を通して分かりやすい。
普通に生きているだけで、間接的にせよ環境を壊しているという負い目は感じているので、理想的な話であるにせよ、こういう非の打ち所の無いエネルギー源が普及すれば、本当に素晴らしいと思う。
また、より長持ちする携帯のバッテリーが作れたり、電線を引くのがコスト的、地理的に難しい地域 -
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ネタバレ以前から読みたかった本で今回の災害前からコンセプトを聞いていた。実際に読んでみたところ、現実以上SF以下というところですね。
現在、枯渇が話題となっている化石燃料の石炭、石油に変わる新たなエネルギーの可能性としては大きく評価できる。
また、循環システムおよびエコシステムについても、最初から構想に入っていることが今っぽい展開である。
この循環システムの中では、太陽光→レーザー→マグネシウム→電池→酸化マグネシウム→マグネシウムという循環になります。この中で、マグネシウムから電池を作製し電池として消費する部分に関してはすでに実用レベルですが、それ以外のレーザー生成及び海水からのマグネシウム生成がま -
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ネタバレ石油が枯渇してしまう日は刻一刻と迫っていて恒久的ではないので文明社会を継続していくには新たなエネルギー源や我々の住む地球環境へのリスクや負担を減らす新たな技術というのが必要となってきます。
矢部氏、山路氏の研究は次代のエネルギー開発の先駆者となることだと思います。
作中まとめ
石油、石炭は安定供給がむずかしく環境問題を抱えている。年間の世界エネルギー使用量は石油換算で100億トン以上。太陽光発電だけでは石油代替は難しい。水素は運搬貯蔵が難しい。
海水からマグネシウムを取り出しレーザーで製錬、燃料として使用して生じた酸化マグネシウムを再度マグネシウムに製錬しマグネシウム循環システムの構築。
レー -
Posted by ブクログ
ネタバレ[ 内容 ]
石油の次のエネルギー資源は何か?
太陽電池で日本のエネルギーを賄おうとすると、国土の六割を覆う必要がある。
水素社会なら地下が水素貯蔵タンクだらけ。
リチウムイオン電池を載せた電気自動車が普及すると、リチウム資源が不足する。
さらに、今の造水法で世界的な水不足に対応するには、世界の電力を五割増やさねばならない。
この状況を突破する解こそ「マグネシウム循環社会」である。
『タイム』誌で二〇〇九年Heroes of the Environmentに選ばれた、二酸化炭素二五%削減も実現する新技術を公開する。
[ 目次 ]
第1章 石油文明に代わるのは、自然エネルギー・水素社会か?
第