【感想・ネタバレ】マグネシウム文明論のレビュー

あらすじ

石油は、環境問題も起こすし、残っている埋蔵量も少ない。では、次のエネルギー資源は何か?太陽光発電が注目されているが、太陽電池で日本のエネルギーをまかなおうとすると、国土の60%を覆う必要がある。気体で、爆発する危険性の高い水素は扱いづらく、水素社会が実現すれば地下が水素貯蔵タンクだらけになる。現在の電気自動車の多くはリチウムイオン電池を積んでいるが、これが普及すると、リチウム資源が不足する。この状況を突破する解こそ「マグネシウム循環社会」である。海水から淡水を取り出して利用し、残ったものに太陽光からつくったレーザーを当てることでマグネシウムを取り出し、燃料として利用する。使った後は、またレーザーを当てることで完全にリサイクル。温室効果ガスも出ない。『タイム』誌で2009年Heroes of the Environmentに選ばれた矢部教授が、二酸化炭素25%削減も実現する新技術を公開する。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

まだ実現可能とは言えないのだろうけど、これを機会に是非進めて欲しい技術の1つ。国がもっと補助金を出しても良いと思う。

海水からマグネシウムを取り出し、太陽光励起(れいき)レーザーで製錬。できた金属マグネシウムを燃料として使用する。燃料として使用したあとに残った酸化マグネシウムは、再び太陽光励起レーザーで製錬する。

0
2018年11月26日

Posted by ブクログ

面白い。
研究者の興奮が伝わる良書だと思います。
この情熱。こんな人が100人もいたら日本は絶対に変わりますよね。
鼓舞されました。いい本です。

0
2013年12月01日

Posted by ブクログ

面白かった。

太陽光励起レーザーが今後十分な成果を上げれば、海水からマグネシウムを取り出し、それを燃焼させてエネルギーの主役にすることも可能かもしれない。

0
2013年03月18日

Posted by ブクログ

まず言いたいのは、「一人でも多くの日本人に読んで欲しい!」と言うこと。

本書は脱石油エネルギー社会を「マグネシウム」で実現できると主張します。そう、小学校のときに実験で燃やした「マグネシウムリボン」のマグネシウムです。
海水から太陽エネルギーで「マグネシウム」を取り出し、それを燃やす。熱量は石油とほぼ同等な上に、粉状なので問い扱いも楽。
燃やすと「酸化マグネシウム」になる。これを太陽光でつくったレーザーで熱する(2万度?!)と「マグネシウム」に還元できる。
つまり、太陽エネルギーを「マグネシウム」にチャージするという発想。
これを可能にしているのが、太陽光からレーザーを作りだすレーザー媒体です。従来は難しかった高効率で変換できる媒体がなんとすでに開発済み。
何が起きるかというと、海水からマグネシウムを太陽光で作る。同時に、淡水が作れるので、一石二鳥。砂漠とかでつくると良い。つくりだしたマグネシウムを輸入。ガスとかじゃないので、輸送も簡単。現存する火力発電所のガスタービンを石油ではなく、マグネシウムで回し、発電。使い終わった酸化マグネシウムは、再度レーザーで元に戻す。
結果、エネルギーが極めて安価に、安全に手に入るという社会です。
素人でも充分理解できる文体なので安心して読めますので、是非他の方々にも読んで欲しい本。
この本の素晴らしいことは、すでに一部実現しているということ。極めて現実味のある内容で、少しでも早く広まって欲しいと思います。
なぜこれほどの内容があまり日の目を浴びていないんだろう。特許の関係もあるようですが。

0
2012年02月28日

Posted by ブクログ

この驚くべき資源革命、エネルギー革命の本書が、10年1月の初版から11年6月段階でまだ第二刷と、あまり世に広まっていないのが不思議なくらいだ。
著者矢部教授の提唱する「マグネシウム文明論」否「―革命論」が、最終章で彼の描くロードマップのように、この10年、20年、変容展開していくとすれば、この地球も人類も捨てたものではないのだが…。
ともあれ、ここには大きな希望があり、期待がある。

0
2012年06月18日

Posted by ブクログ

化石燃料に替わるエネルギー源としてマグネシウムに注目し、その研究の現状と、事業として成立させるためのロードマップについて論じた本。
マグネシウムの優位性を語る際、既存の技術との比較をデータと簡単な計算で示しているため、記述に説得力がある。
かといって、素人についていけないレベルの難しい話でもなく、全編を通して分かりやすい。

普通に生きているだけで、間接的にせよ環境を壊しているという負い目は感じているので、理想的な話であるにせよ、こういう非の打ち所の無いエネルギー源が普及すれば、本当に素晴らしいと思う。
また、より長持ちする携帯のバッテリーが作れたり、電線を引くのがコスト的、地理的に難しい地域でも電気が使えるようになる可能性の話など、一見地味だが、我々の生活に相当なインパクトを与えそうな話だ。
それがランニングコストが極端に抑えられた状態で、タダ同然の価格で手に入るとなれば、「マグネシウム循環社会」も大げさではないと感じる。

本書で紹介されていたベンチャー企業のページが消えていたりと多少不安は感じるが、(関連会社の方に事業が統合されただけかも?)核融合のような状況に陥らず、本書の構想の何%でも実現されることを願う。
しかし、3.11の後こういうのの研究を国を上げてやればいいのに。
既にやってるのかな。

0
2011年10月25日

Posted by ブクログ

マグネシウム社会循環論!
熱い、夢のような構想だけど、それに向けてまっすぐ進む筆者の想いが素晴らしい。勇気をもらうとともに、自分も何か情熱を持って仕事したいと感じた。

専門に拘らず、理想を描いて、すべきことをする!行動力と実行力!

エネルギー関係の仕事をしてる人は一読すべし!

太陽光や蓄電池ばかり考えてたけど、大容量電池で使い捨て&リサイクルって考え方もあるのね。

0
2011年06月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

以前から読みたかった本で今回の災害前からコンセプトを聞いていた。実際に読んでみたところ、現実以上SF以下というところですね。
現在、枯渇が話題となっている化石燃料の石炭、石油に変わる新たなエネルギーの可能性としては大きく評価できる。
また、循環システムおよびエコシステムについても、最初から構想に入っていることが今っぽい展開である。
この循環システムの中では、太陽光→レーザー→マグネシウム→電池→酸化マグネシウム→マグネシウムという循環になります。この中で、マグネシウムから電池を作製し電池として消費する部分に関してはすでに実用レベルですが、それ以外のレーザー生成及び海水からのマグネシウム生成がまだ実用段階まで来ていないと思います。
この部分をぜひ、少しでもサポートできればと思っております。
現在の原発問題すら変えてしまうかもいれないポテンシャルに対してはとても魅力を感じております。今後が楽しみな一冊でした。

0
2011年03月22日

Posted by ブクログ

非常に面白い試み。

こんな感じでプレゼンなんかが出来れば
言うこと無しなんじゃないのだろうか。

0
2010年07月22日

Posted by ブクログ

とても読みやすくなるように工夫されている。
個々の技術だけではなくて、それらを含めたシステム全体を提案している、というところが結構すごい。

0
2010年01月18日

Posted by ブクログ

ここに書かれていることが本当に実現できるなら、世界の経済構造は大きく変化するだろう。 2025年の人が2010年を振り返って、「あんだけ地球温暖化って騒いでたけど、何とかなるもんだね」と言ってる様子が目に浮かぶようだ。 世間的(日本的?)にはまだ半信半疑といった反応だが、これは大いに期待できると思う。 2030年ごろには南北の経済格差が逆転してるかも?

0
2013年03月16日

Posted by ブクログ

●2025年5月8日、吉祥寺・外口書店にあった。
200円。

→ 外口書店で購入。合計3冊、600円。
その他2冊:
・デパートを発明した夫婦…200円
・「病院」がトヨタを超える日…200円

0
2025年05月09日

Posted by ブクログ

マグネシウムを石油の代わりに使うという壮大な夢が描かれている。しかもすでに基本的には実現しているとのこと。なんとも魅力的な話。シンガポールや他の国に取られてしまう前に、日本として、しっかりバックアップして実用化を推し進めたいと思った。

0
2018年11月12日

Posted by ブクログ

エネルギーサイクルの新しい考え方を提示してくれてはいる。
楽観的で具体性も乏しく思うが夢はある。
知っていても損はない考えであると思う。

0
2013年06月08日

Posted by ブクログ

マグネシウム燃料電池とマグネシウム循環社会について。
燃料電池といえば水素だけど、水素の代わりにマグネシウムを用いたモデルがここまで研究されているとは知らなかった。
実現するかはこれからの展開しだいだが、モノを発明して、さらにそれを運用していくシステムまで考案する。理想の仕事っす。

0
2012年02月24日

Posted by ブクログ

エネルギー問題と水問題を一気に解決する手法である。原発がこうなった今、もう少し注目を集めても良いかと思うが、マグネシウムとレーザーによる発電を主張する人は寡聞にして知らない。
色々な数字で裏付けられた主張は、本当にこれで行けるのではないかと思わせてくれる。(ただしマグネシウムの価格が安くなる事等の条件があるが。)このような条件がクリアすれば画期的なこととなり、それこそタイトル通り「文明」となるのではないだろうか。今後の研究成果が楽しみである。

0
2011年06月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

石油が枯渇してしまう日は刻一刻と迫っていて恒久的ではないので文明社会を継続していくには新たなエネルギー源や我々の住む地球環境へのリスクや負担を減らす新たな技術というのが必要となってきます。
矢部氏、山路氏の研究は次代のエネルギー開発の先駆者となることだと思います。
作中まとめ
石油、石炭は安定供給がむずかしく環境問題を抱えている。年間の世界エネルギー使用量は石油換算で100億トン以上。太陽光発電だけでは石油代替は難しい。水素は運搬貯蔵が難しい。
海水からマグネシウムを取り出しレーザーで製錬、燃料として使用して生じた酸化マグネシウムを再度マグネシウムに製錬しマグネシウム循環システムの構築。
レーザー製錬法は建設コストはかかるがランニングコストがゼロに近いため価格的に優位。海水中には1800兆トンのマグネシウムが含まれている。

0
2011年06月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

[ 内容 ]
石油の次のエネルギー資源は何か?
太陽電池で日本のエネルギーを賄おうとすると、国土の六割を覆う必要がある。
水素社会なら地下が水素貯蔵タンクだらけ。
リチウムイオン電池を載せた電気自動車が普及すると、リチウム資源が不足する。
さらに、今の造水法で世界的な水不足に対応するには、世界の電力を五割増やさねばならない。
この状況を突破する解こそ「マグネシウム循環社会」である。
『タイム』誌で二〇〇九年Heroes of the Environmentに選ばれた、二酸化炭素二五%削減も実現する新技術を公開する。

[ 目次 ]
第1章 石油文明に代わるのは、自然エネルギー・水素社会か?
第2章 太陽光からレーザーをつくる
第3章 レーザーでマグネシウムをつくる
第4章 マグネシウムを燃やす
第5章 海水から淡水とマグネシウムを取りだす
第6章 マグネシウム循環社会がやってくる

[ POP ]


[ おすすめ度 ]

☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

[ 関連図書 ]


[ 参考となる書評 ]

0
2011年04月22日

Posted by ブクログ

名前からして男心をくすぐる「太陽光励起レーザー」。これを利用する上で技術的な側面の目処が立っており、化石燃料に代わる新しいエネルギーとしてマグネシウムを提言している。

0
2011年02月24日

Posted by ブクログ

石油に代わるエネルギーとしてマグネシウムを提案する斬新な本。
実現可能性に少し疑問もあるが、マグネシウム循環社会の構想自体は理に適っている。

以下、本書の要旨

海水中のマグネシウムを取り出し、太陽光励起レーザーで製錬。マグネシウムを燃料として利用し、生じた酸化マグネシウムをレーザーでマグネシウムに製錬して再利用するというのが「マグネシウム循環社会」の構想。希薄な太陽エネルギーを、太陽光発電よりも低コストで集め、できる限り損失を小さく循環させることが可能となる。

0
2010年10月10日

Posted by ブクログ

ほんとだったらかなり面白い。一応の筋は通っている。実現が楽しみである。一部はすでに実用化に向けて動いているらしいので、そのうちニュースになるかも。

0
2010年05月01日

Posted by ブクログ

たまたまとうふ屋さんで読む。

1.太陽熱を利用した淡水化装置で海水から塩化マグネシウムを採取
2.加熱して酸化マグネシウムに
3.太陽光励起レーザーでマグネシウム金属に精錬
4.「マグネシウム空気電池」で電気に変換
5.電気自動車の電源として使用
6.使用後の酸化マグネシウムは、リサイクルして3.

○資源量の優位性
○コストの問題
○金属空気電池の実現可能性 cf.亜鉛空気電池

・レーザー:時間的・空間的集中

0
2010年02月27日

Posted by ブクログ

マグネシウムを石油や石炭に代わるエネルギーにしてしまおうという研究の話です。
書いている内容を鵜呑みにする限り、素晴らしいことだとは思います。
が、それに必要な技術はまだまだですね。
ちょっと検索した限り、2011年以降必要技術の一番下にある淡水化装置の話題が出てきてない感じなので、いろいろ頓挫しちゃったのかなという感じです。
考えや理想は面白いので、なんとか実現して、エネルギー関連の価格引き下げに貢献して欲しいところです。

0
2015年09月04日

Posted by ブクログ

マグネシウム文明論。しかしてその実態は。太陽熱利用の本、だったりもしました。
マグネシウムそのものの話よりも、酸化マグネシウムを触媒なしに還元するための超高熱を、太陽光励起レーザー(なので、熱利用、という表現じゃないほうがいいのかもしれませんが)で得る、というお話の比重が高い。レーザーの建設コストが高く、一旦出来ればランニングコストは低い。すなわちレーザーを持っているものが覇権を握るかも、ということで、これまでのエネルギー覇権とはまた違ったパワーバランスが生まれるのか、違った故に葬られていくのか。
技術開発そのものよりも、「掘ったら出てきたもの」と「自ら(水から、も)作るもの」のパラダイムシフトに既存の社会が耐えられるのか、というあたりが文明論、だと思います。その辺の踏み込みは誰がリードしていくのか。兎も角、太陽エネルギーを封じ込めたエネルギー通貨としてのマグネシウム、というものにワクワクしておきます。

0
2013年03月26日

Posted by ブクログ

少し未来の技術としてのマグネシウムの利用とその生成方法。これが実現したら、もっと良い未来が開けて行きそう。気長に期待してます。

0
2011年05月10日

Posted by ブクログ

ハチャメチャな本やなっつ思った。いい意味で。技術ってこんな事。
研究でマグネシウムを扱っていたため購入。
マグネシウムって資源になるんだぜ!って言えるようになります。
個人的にもっと世に拡がって欲しい技術。

0
2011年02月24日

Posted by ブクログ

プラズマなどのシミュレーション屋さんにはお馴染みCIP法の矢部教授です。

マグネシウムを燃料/空気電池に使おう。
効率いいし海にいっぱいあるし。
 ↓
でも高い
 ↓
太陽光を使ったレーザー精錬法なら安く出来る
 ↓
みんなうれしい



--
日本の国土の6%に太陽電池を敷き詰めれば国内の需要をまかなえる(全部晴天と仮定)
レーザーは時間的、空間的に集中
レーザー精錬法
水素分子は危険、金属の内部まで入り込む
空気電池
12億人が水不足地域に暮らしている
日本の水ビジネスがうまくいっているという報道???
コスト勝負、日本はオーバースペック

0
2011年02月06日

Posted by ブクログ

科学本の中ではダントツに読みやすくわかりやすい。
さっと読めました。
それはこの本が単なる研究本ではなく、かなり実用化(事業化)のために一般の人に散々プレゼンしてきたことが生きてきたのではないかと推測される。
この本に書かれている石化燃料に代わりにマグネシウムを使うという話し。本を読む限りはかなり信憑性は高い感じはする。そして、それが実現できれば将来のエネルギー問題は解決できるのだろうとは思える。
だが、実験段階のものも多く、そのままは鵜呑みにはできない。
だけど、話半分と考えても未来は明るい。

■この本を知ったきっかけ
 小飼弾『新書がベスト』で紹介されていた。
■読もうと思ったわけ
 岡田斗司夫の講演でエネルギー問題を解決する新エネルギーだと紹介してたため。

0
2010年10月27日

「ノンフィクション」ランキング