木ノ戸昌幸のレビュー一覧
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めっちゃくちゃ面白かった。スウィングという障害のある人が働くNPO法人理事長の方の日々の実践と気づきを書いた本なのだけど、インタレスティングの方の考えさせられる面白さだけでなく、普通に笑っちゃう。
障害者の方が森昌子の「せんせい」を歌っていて、ラストの「せんせい せんせい♪ せんせい せんせい♪ せんせい せんせい♪」に「…早よ終われ!!」と思うのとか、障害者の方が大きな半紙に筆でしたためた「親の年金をつかってキャバクラ」とか、不謹慎なんだけど面白い。そして作者の方がそれをしっかり面白がっているのが素敵だと思った。障害者を笑うことをタブーにする方が不自然だし、上から目線のコミュニケーションだ -
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今まで、「(周囲の人と同じように)できない」ということで自分自身が苦しみ、周囲からは「(自分たちと同じように)できない」ということで、その「できない」ことを指摘され続けてきた。その期間があまりにも長かったせいか、何をするにも自信がなく、「これならできる」と思ってやり始めたことも、うまく自分から発信できず、結局失敗に終わってしまう。自分自身が少しずつ縮んでいくのが手に取るようにわかった。そんな中、オンラインで著者・木ノ戸昌幸氏の話を聴き、この本を手にしたのだった。
この本を読んで、これまで自分の中にあったモヤモヤとしたものの正体が、「できない」ということによる悲しさや悔しさや虚しさや怒りと -
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「折々のことば」で、この本に寄稿している稲垣えみ子さんの「そう『健常』が『障害』になっているのだ!」との言葉がきっかけで、この本を読んだ。
失敗したっていい、弱くていい、できなくてもいい、ダメだっていい。だって、人間なんだから。
違うものは違う。それでいい。そこで自分が何を感じたのか、何を思ったのか、他者との違いを感じ、認めたらいい。
でも、「健常」にしがみついていると、「できなければいけない」その呪縛にとらわれていると、それがなかなかできない。
私たちが考える「まとも」が揺れていくと、もっと生きやすくなるのかな、もっと笑えるのかな。そんなことを思った。 -
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NGO法人「スイング」の活動を通して、「~べき」「~ねば」精神をゆるめてくれる1冊。
効率化を優先化する社会の都合で作られた「健常者」「社会の標準と合わない人=障碍者」のカテゴライズが何を生み出し、何を奪っているのか、を考えさせられた。
できることで社会と関わるだけで良い。
それだけなのに、できないことを悪とし、何かと制約を作り、生きづらさを生み出している気がする。
『誰かに対して禁じたことは自分自身にとっても禁じ手となり、その反対に誰かに対して投げかけたOKは、きっと自分自身の何かを赦し、少し呼吸をしやすくさせてくれる』
自分にも他人にも、できないことをOKと言えるように思考を緩めてい -
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「はじめに」を読んだだけで、力が抜ける、肩の力が抜けるというのか、そんなに普通にしてても力入ってるのかと改めて気づくくらい、ホッとした。身体がゆるんだ。
そしてページをめくると「しんねん」という詩。ホントに「なりたいたいよ」だよと思った。それ以外の詩も全部好き。寄稿されてる稲垣えみ子さんも言っておられるが、こんな詩書けない。
絵もみんな好き。氷川きよしのコラージュ最高!
世の中の疲れた人みんな読んでほしい。どれだけ自分がガチガチになっているか。自分で自分を縛っているか。そのことに普段なかなか気づけない。
当たり前と思ってること、全部ひっくり返して一つずつ考え直したい。 -
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障害が問題なんじゃなくて、障害があることをタブー視することが問題なんだよね。稲垣えみ子さんはあとがきでこう書いていらっしゃる。
「力を抜くことこそがクリエイティブの肝とわかっちゃいるので。わかっちゃいるんだが「健常者」である私は考えすぎて力を抜けないのである。そう「健常」が「障害」になっているのだ!
いやいや、そういうところはあると思う。現在、職場でわたし自身、障害のある方と触れ合っていて、学んだり気づかされたりすることは多い(だから、施設の側の少しでも「まとも」に近づけようとする「支援」には、それは違うんじゃないかという気持ちを抱く)。 -
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ネタバレ生きづらさを抱えている人に、お勧めの一冊。
「まとも」とは、簡単にいえば「常識」のこと。
常識を持っていることは、必ずしも悪いことではないし、持っていることで人間関係が保てることもある。
ただ、「常識」の中にも、「こうでなければならない」「こうしなければならない」という強制力が強くなりすぎて、「常識」に縛られることで、窮屈になってしまうものがある。
「常識」の範囲や強さは、常に一定に保たなくてはならないものではなく、
「常識」を持つ人が居心地よいように、柔軟にとらえてみたらいい。
器用ではない人は、この柔軟さをなかなか持てない。
だから、「常識」がゆれるような体験をしていくことが大事。
「ま