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弱くていいのだ。ダメでいいのだ。ダメだから人に救われるし、救われたら人を救おうと思うのである。
こうしてダメがダメを救っていく。世の中を回しているのはお金じゃなくて「ダメさ」「弱さ」であっていいんじゃないか。
……寄稿 稲垣えみ子
「できない」ままで生きてもいい!
自分の欠点ではなく「世の中が押し付けてくるまともな生きかた」と戦う術。
親の年金でキャバクラに通い、そのたび落ち込んで引きこもっていた増田さん。
何をやっても自信が持てない、一応「健常」な施設スタッフ沼田君。
毎夕、意味不明なワン切りを必ずしてくるひーちゃん。
「足が腐った」とか「定期をトイレに流した」とか、まばゆいばかりの屁理屈で仕事をサボろうとするQさん……。
障害福祉NPO法人「スウィング」に集う、障害を持つ人・持たない人たちの「できないこと」にこだわらないエピソードと、心の栓を抜く、脱力しきった詩の数々。
誰かが決めた「まとも」を見つめ直し、ゆらしたりずらしたりすることで、それぞれの生きづらさを緩めるヒントとなる一冊。
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Posted by ブクログ
めっちゃくちゃ面白かった。スウィングという障害のある人が働くNPO法人理事長の方の日々の実践と気づきを書いた本なのだけど、インタレスティングの方の考えさせられる面白さだけでなく、普通に笑っちゃう。
障害者の方が森昌子の「せんせい」を歌っていて、ラストの「せんせい せんせい♪ せんせい せんせい♪ せんせい せんせい♪」に「…早よ終われ!!」と思うのとか、障害者の方が大きな半紙に筆でしたためた「親の年金をつかってキャバクラ」とか、不謹慎なんだけど面白い。そして作者の方がそれをしっかり面白がっているのが素敵だと思った。障害者を笑うことをタブーにする方が不自然だし、上から目線のコミュニケーションだ。
かと言って職員の方々は障害を持つ方の全てを肯定するのではなく、笑うのは「ほんの束の間以上はムリ」と普通にイライラしたりもしている。そこもリアルで、障害者の方に正面から向き合っていて、とても良い。援助する側の感情にも嘘がないのは、理想的だと思う。
人と人が共生していくって、心を殺した思いやりよりも、人を尊重しながら放つユーモアの方が大事なんじゃないかなんて考えた。わたしの文章だけではいろいろ誤解があるかもしれないので、気になった方はぜひ読んでみてほしい。
章の間には障害者の方の詩も掲載されていて、それもとにかく率直に本当のことだけ書かれているようで面白いし、なんだか心に残るいい詩。例えば「なにか、おもって、かこうとしたがわすれてしまった」という「ひらめき」という詩とか、「もっとひろいたいゴミがあるので 行けてない所も まだあるので とても むねがいたい」と言っていたかと思ったら、「また新しいエロDVDがあったらいいな〜」と言い出し、「もっと町がきれいなるように 自分たちの心がきれいになるように がんばっていく」と結ばれる「ゴミコロリ」という詩とか。
Posted by ブクログ
今まで、「(周囲の人と同じように)できない」ということで自分自身が苦しみ、周囲からは「(自分たちと同じように)できない」ということで、その「できない」ことを指摘され続けてきた。その期間があまりにも長かったせいか、何をするにも自信がなく、「これならできる」と思ってやり始めたことも、うまく自分から発信できず、結局失敗に終わってしまう。自分自身が少しずつ縮んでいくのが手に取るようにわかった。そんな中、オンラインで著者・木ノ戸昌幸氏の話を聴き、この本を手にしたのだった。
この本を読んで、これまで自分の中にあったモヤモヤとしたものの正体が、「できない」ということによる悲しさや悔しさや虚しさや怒りといった感情が混じり合ったものであったことに気づいた。気づいたからどうこうというわけではないが、マイナスの感情ばかりだとはいえ、モヤモヤの正体がわかったことで私はホッとした。
で、そのマイナスの感情から始めても何かができそうな気分になった。
そんな気にさせてくれるのがこの本の魅力だと思う。
Posted by ブクログ
「折々のことば」で、この本に寄稿している稲垣えみ子さんの「そう『健常』が『障害』になっているのだ!」との言葉がきっかけで、この本を読んだ。
失敗したっていい、弱くていい、できなくてもいい、ダメだっていい。だって、人間なんだから。
違うものは違う。それでいい。そこで自分が何を感じたのか、何を思ったのか、他者との違いを感じ、認めたらいい。
でも、「健常」にしがみついていると、「できなければいけない」その呪縛にとらわれていると、それがなかなかできない。
私たちが考える「まとも」が揺れていくと、もっと生きやすくなるのかな、もっと笑えるのかな。そんなことを思った。
Posted by ブクログ
NGO法人「スイング」の活動を通して、「~べき」「~ねば」精神をゆるめてくれる1冊。
効率化を優先化する社会の都合で作られた「健常者」「社会の標準と合わない人=障碍者」のカテゴライズが何を生み出し、何を奪っているのか、を考えさせられた。
できることで社会と関わるだけで良い。
それだけなのに、できないことを悪とし、何かと制約を作り、生きづらさを生み出している気がする。
『誰かに対して禁じたことは自分自身にとっても禁じ手となり、その反対に誰かに対して投げかけたOKは、きっと自分自身の何かを赦し、少し呼吸をしやすくさせてくれる』
自分にも他人にも、できないことをOKと言えるように思考を緩めていきたいと思った。
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