古沢嘉通・他のレビュー一覧

  • 神々は繫がれてはいない

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    タイトルと表紙のイメージは完全にミスリード。ゴリゴリのSFから中国幻想譚のSF再解釈もの、胃が痛くなるポリティカルな暗号通貨ネタまで傑作ぞろい。神々3部作も「ビザンチン・エンバシー」もすごいが、「隠娘」に大興奮。元ネタはなんと映画「黒衣の刺客」だったのもびっくりだが、映画化権も売れてるらしく、これを映像化できるのはヴィルヌーヴかノーランしか思いつかない。あ!ブランドン・クローネンバーグでもいいかも!!

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    2023年07月12日
  • 神々は繫がれてはいない

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    短編集6冊目。レコードのA面とB面のように前半と後半で色が違う。

    前半4編はひと繋がりのお話。これまで何回か出てきた、ヒトの頭脳・意識・心が
    シリコン・クラウド上に載せられてしまう設定。高速演算と稠密なネットワークによってクラウド上のヒトは人智を超えた「神々」となる。
    そして、テーマは家族愛。どこまで行っても、世紀末的世界でも、守るべきは家族みたいだ。

    後半は、作者のルーツである中国・漢民族が題材の4編。
    理不尽な世の中に、立ち向かう個人の強さは、漢民族の文化や考え方が背景にあるんだろうか?

    最後の、仮想通貨による反権威主義的リソース配分の話は、先に読んだ『差別の教室』と関連して、色々考

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    2024年11月07日
  • 生まれ変わり ケン・リュウ短篇傑作選5

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    介護士,隠遁者,七度の誕生日は,少し前までならSF以外の何者でもなかった設定だが,ここ数年の世の中の動きを見ていると,本当にこういった世界になりそうで怖い.

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    2023年06月06日
  • 神々は繫がれてはいない

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    ネタバレ

    『神々は繋がれてはいない』の連作は凄かったですね。

    もしかしたら、世界はいつかこんな風になるのかもと考えると怖いな。

    『隠女』は原典が『唐代伝奇集』なんですね、確認してみよう。女任侠のような姉弟子達との剣戟シーン、好みです(//∇//)

    まだ『生まれ変わり』を読んでいないので、それを先に読むか、時代小説が読みたいので、そちらを先に読むか検討中(^◇^;)

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    2021年02月15日
  • 神々は繫がれてはいない

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    難しかった。

    しかし、最後の短編で挙げられた理性と感情の問題は私自身の社会問題に対する視点が問われているように思えた。

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    2025年10月02日
  • 生まれ変わり ケン・リュウ短篇傑作選5

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    面白かった。
    「紙の動物園」「もののあはれ」の次にこの「生まれ変わり」を読んだが、この本が1番好みだったかもしれない。
    この作者の印象であるビターでドロッとした話が少なく、綺麗なSFチックな話がまとまっていて読みやすい。
    テッド・チャンみたい。
    個人的には「訪問者」が好きだった。
    相変わらず情景描写が美しく叙情的で幅広い知識に溢れていて素晴らしい出来でした!

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    2024年12月29日
  • 神々は繫がれてはいない

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    ネタバレ

    SNSで見かけて気になったので読んでみた。

    アメリカに住む女の子マディーのパソコンに意味不明な絵文字のチャットが届く。表題3連作を含むSF短編集。

    宇宙人なのか異世界人なのか。本作ではどんな接触があるのだろうと興味を抱いて読んでみたところ、相手は意識をデータ化され、デジタルネットワークの世界に存在する父親だった。

    本作が書かれたのは2011年らしい。当時に読みたかったかも。今ではとくに意外性を感じない設定となってしまった。

    表題作はまだよかったのだけれど、翻訳のせいなのか、専門用語が多いせいなのか、全体的に読みづらく、ストーリーが頭に入ってこなかった。お酒を飲みながら読んでいたせいかも

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    2024年12月18日
  • 生まれ変わり ケン・リュウ短篇傑作選5

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    短編集5冊目。作者の多様な筆力と、取り巻く世界への問題意識を感じられる一冊。やっぱりSFと呼ぶよりファンタジーだと思う。

    過酷な状況(この短編では主に格差)が現実として存在することをこんな形で伝えてくれる作家がいてくれるこの世界は、まだ救いがあるのかもしれない。絶望的に真っ暗で深い坑道を彷徨っていても、まだ僕らにはカナリアが傍にいるみたいだ。

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    2024年07月03日
  • 生まれ変わり ケン・リュウ短篇傑作選5

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    ネタバレ

    「生まれ変わり」★★★
    「介護士」★★
    「ランニング・シューズ」★★★
    「化学調味料ゴーレム」★★★★
    「ホモ・フローレシエンシス」★★
    「訪問者」★★★
    「悪疫」★★
    「生きている本の起源に関する、短くて不確かだが本当の話」★★
    「ペレの住民」★★★
    「揺り籠からの特報:隠遁者」★★★
    「七度の誕生日」★★
    「数えられるもの」★★★

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    2024年04月28日
  • 生まれ変わり ケン・リュウ短篇傑作選5

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    宇宙旅行、人間の手で居住可能となった火星、肉体を捨て、電子になった人類
    本当にこんな未来が待ち構えてるのではないかという空恐ろしさを感じました。
    普段あまりSF作品を読まないので、不思議な読書体験でした。

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    2023年01月16日
  • 生まれ変わり ケン・リュウ短篇傑作選5

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    ケン・リュウの傑作短篇集第5段。
    表題作は、テセウスの舟を人間の記憶に当てはめ(ちょっと違うか)、サスペンスに仕上げた作品です。異星からの訪問者トウニン人により罪を犯した人間は悪い記憶を除去され、新しい人間に生まれ変わる。果たして記憶を失くした人間は別人なのか?記憶がなくなれば罪もまたなくなるのか?このあたりはとても興味深い問いです。もちろんイエスかノーで答えられる問いではないでしょう。加えて、記憶とはデータのように上書きしたり、新しく置き換えたりできるものではありません。本作では終盤にある人物が除去されていた記憶を取り戻します。別人に生まれ変わっていた人物が元の記憶を取り戻すとき、果たしてど

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    2021年10月30日
  • 生まれ変わり ケン・リュウ短篇傑作選5

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    この短編集はかなり一般的

     意外なというかミステリーみたいな展開をみせる表題作、ファーストコンタクトもののペレ、アップロード人格もの七度とバラエティ豊かな作品群。ディック短編集みたいな感じがしたな。

     ケンリュウ作品群はこれでいったんおやすみ。全体的には不老不死というかアップロード人格ものが楽しいな。

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    2021年06月12日
  • 神々は繫がれてはいない

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    SFはコンピューターネットワークが舞台になりつつあるな

     宇宙ではなく、より現実的な舞台だと言える。でも、面白くないな。デビュー作品の紙の動物園に対して感じた緩やかさというかじれったさが作風なのかも。今回も感じたから。

     でも、表題作関連の3短編は力作だと思う。映画で言えばマトリクス的かな。よくある設定のよくある展開なんだけど、読ませる。

     本作で感じたことは時間外ループするのではないかということ。未来を突き詰めるとビッグバンに戻り、ビッグバンを研究するとその先には未来が見える感じ。神はネットワーク上の仮想人格だって想定から思いついたことね。

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    2021年05月05日