丹野顯のレビュー一覧

  • 「火附盗賊改」の正体――幕府と盗賊の三百年戦争

    Posted by ブクログ

    書影についている帯はイカれているけど、本の中身は案外ちゃんとしていた。
    江戸時代を通じた火附盗賊改の歴史的変遷と全体像がだいたい網羅されている。
    戦国時代の名残りだった敗残浪人の野盗化への対応として始まり、幕末には不良旗本や討幕派が盗賊になったが幕府の力ではもはや対応できなくなっていることまで。
    長谷川平蔵宜以(鬼平)が長期間にわたって在任したのは松平定信との感情的な対立で出世を止められていたからいうのは「ああ、やっぱり」と思った。

    0
    2019年11月15日
  • 江戸の名奉行 43人の実録列伝

    Posted by ブクログ

    必ずしも名奉行ばかりではないが、江戸幕府の要職である寺社、勘定、町奉行などで特徴のある人物を紹介した本書はなかなか興味深い。時代小説で熱中した鬼平、時代劇で有名な遠山(金四郎)の意外な一面も伺えたが、それよりも私の知らない奉行、例えば矢部定謙の名裁きのような逸話を知ると、落語の政談を聞いたようで気持ちが良い。中には鳥居忠耀のような鼻持ちならない奉行が、高い役職に就いているのもまた事実ということに暗然となった。

    0
    2017年08月28日
  • 「火附盗賊改」の正体――幕府と盗賊の三百年戦争

    Posted by ブクログ

    火付盗賊改といえば鬼平=長谷川平蔵くらいしか知らないが、本書は江戸初期から末期に至る歴史を、かいつまんで語ってくれる。

    最近江戸時代を懐古する論調をしばしば見るが、本書を読むと、江戸時代の関東近辺は予想外に治安が悪かったことがわかる。

    鬼平は確かに名火盗改であったようだが、鬼平に匹敵する存在もいた。ダメダメな人もいて、そこはいつの世でも同じらしい。

    0
    2016年12月15日
  • 江戸の色ごと仕置帳

    Posted by ブクログ

    世に男と女あらば、そこに色事がらみの問題が起こるのは、今も昔も人の世の常。しかしそれをどう裁くのかには、時代の特徴が反映されて興味深い。江戸時代の色ごと仕置きがどのような考え方でなされていたかを、資料に基づく豊富な実例に沿って考察してゆく。

    0
    2011年09月28日
  • 江戸の色ごと仕置帳

    Posted by ブクログ

    厳しい刑罰が待っていた、江戸の色恋沙汰。つい読みふけってしまいました…江戸時代って、ホントに男性社会だったんですねー。法律が男の味方。レイプの刑罰なんて噴飯もの。自由恋愛も不義密通が発覚したら死刑だし。ちょっと何だかなーな気分になりました。それでも面白かったのですが(笑)

    0
    2009年10月04日
  • 「火附盗賊改」の正体――幕府と盗賊の三百年戦争

    Posted by ブクログ

    江戸の治安を担った一翼。

    定まった役所もなく、まあ何つか、手当ちょっと出すさかい、やってんか、みたいな感じかと感じた。

    特に、江戸期の最初は侍落ちというか、仕事にあぶれた人殺ししか手に技のない戦国の荒くれが山ほどいたので、その鎮圧に当てられた。
    そう、捕縛とか吟味でなく、鎮圧。
    ぶっちゃけ、切り捨てだな。
    ので、優秀な戦闘部隊が当てられたわけだ。

    萌える。
    設立時の護廷十三隊みたいなイメージだわ。

    時が降るに至って、分治派みたいな人達も出てくるようだが、中には気狂いみたいな、疑わしきは、疑わしくなくても拷問して死罪みたいな奴らもいたんだね。

    いずれにしても江戸期通して、平和と言いなが

    0
    2024年11月21日
  • 江戸の名奉行 43人の実録列伝

    Posted by ブクログ

    江戸を通して、町奉行、寺社奉行、火付盗賊改などを務めた多くの人が取り上げられていて、その時々の大事件を知ることができて、面白かった。大岡越前や遠山金四郎、長谷川平蔵以外にも、多くの名奉行がいたことが分かる。また、拷問には手続きや奉行・老中による許可が必要であるなど、決して支配層として自由に執行できたわけではないということが分かり、興味深い。

    0
    2021年01月03日
  • 江戸の名奉行 43人の実録列伝

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    鬼平、大岡越前、遠山の金さん・・・。時代小説や時代劇で知られる実在した町奉行、勘定奉行、火付盗賊改など名奉行43人の実像とは?「名裁き」から生まれた泣ける人情話から、過酷なる取り調べ、火あぶりの拷問、島流しの実態まで豊富な史料から明らかにします。読めば時代小説がさらに深く楽しめるファン必携の一冊。(親本は2008年刊、2012年文庫化)
    ・はじめに
    ・第一章 草創期の幕府を支えた名奉行
    ・第二章 太平の世に活躍した名奉行
    ・第三章 幕末動乱に立ち向かった名奉行
    ・あとがき

    取り扱う人物によっては、やや物足りない部分もあるが、よくぞ43人取り上げたものと感心する。とっかかりの本としては良いので

    0
    2014年06月23日
  • 江戸の色ごと仕置帳

    Posted by ブクログ

    仕置帳とは事件簿?裁判記録だろうか?
    まず、男尊女卑という時代背景があるものの、倫理観を現代と違うと感じた。「密通」≒現代では不倫など日常茶飯事、刑事罰となることはない。(春の)売買については、時代が変わっても、大本は変わらず。公認(公娼)は現在はいないということだろう。破壊憎、女犯については、権力あるもの(僧は優位な地位)には大きな罰ありという。これは現代にも当てはめるべきでないか。

    0
    2011年03月12日