ロン・アドナーのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
今日の経営環境においてイノベーションを実現するためには、自社のコアコンピタンスだけでなく、ビジネスモデルを共に構成する各パートナーとのコラボレーションが不可欠となったことをふまえ、気鋭のMBA教授が、イノベーションを持続的成功に導くための新たなフレームワークを提唱した経営戦略書。
著者は、革新的なサービスや製品が成功するには、自社の技術やマーケティングなどの戦略課題に加え、ビジネスが価値を生むための「エコシステム」全体を明確に描き、鳥瞰した上で、パートナーが行うイノベーションへの依存度や、パートナーによる自社のイノベーションの許容度を評価することにより、エコシステム内での役割分担や参入タイミ -
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いいモノを最初に作ったのに売れない、逆に後発で機能も普通のモノが爆発的に売れる・・・
一体なぜだろうか?
これまでの説明では、消費者のニーズに的確に応えたとか、デザインとか、おもてなしとか、企業の商品企画・開発力にその原因を帰するものが多かった。
しかしこの本では、それだけでは不十分だ、死角がある、と説く。
タイトルのワイドレンズは、文字どおり、広い視野でシステムを捉えること。自社のリソースだけでなく、顧客の手に届くまでの全ての関係者について、どんなメリット、デメリット、リスクがあるのか、誰がリーダーで、どの順番でやるのかを考えることを指す。いわば、プロジェクトマネジメントのスコープを顧 -
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プロジェクトの成功には、関係するすべての参加者の役割と貢献を明確にした価値設計図を事前に描くことが重要である、と言うのがキーメッセージである。こうして要約すると、「何だ、あたりまえじゃん」という身も蓋もない表現になるが、要は広角レンズで世界を眺める際に、どこまで画角を広げるべきか、その範囲が決定的に重要であり、その答えを豊富な実例と共に分かりやすく提示しているのが本書の価値である。
ソニー電子書籍の失敗や、i-podの成功要因の分析など首をかしげたくなる箇所も多いが、基本的な考え方は奇をてらったものではなく、実ビジネスにすぐに応用できそうだ。
一読の価値あり。 -
Posted by ブクログ
イノベーションは自社だけでは実現できない。自社のサービスを取り巻くエコシステムでサービスとその提供価値を考える、共創していかなければいけないということ、そのエコシステムを考える際にどのよう考え方をすれば良いか、エコシステムの基本的なことが学べる本。
どうしても自社のサービスを中心に考えてしまいがちだが、自社がリーダーとなる前提でなく、他社とどう補完関係を気づくか、その上でどちらがリーダーとなるかフォロワーとなるかを考えなければならないし、その時に双方で収益を得られるようなものとなければ成立しないということ。
このエコシステムが顧客に価値を提供させ、運用が回りスケールさせていくまでには、各ステー -
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ネタバレ2020年4月12日(日)
書名:ワイドレンズ
著者:ロン・アドナー
ジャンル:ビジネス(ストラテジー)
【内容】
イノベーションは自社のみの技術、システムでは完結することは出来ず、協業者を巻き込んだ価値創造のストーリーが必要なのは周知されてきていると思います。
本書はエンドユーザーまでの価値創造の設計図作成において、その協業者まで視点を広げよ、という主張を終始展開しています。主に以下の2点をイノベーションの歯止めとなる「リスク」として説明しています。
・コーイノベーションリスク
→協業者が自社のイノベーションに応じるシステム技術を持っているか?
・アダプションチェーンリスク
→価