森稔のレビュー一覧
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森ビル社長による都市開発物語。虎ノ門・六本木地区で極めて存在感のある森ビルではあるが、その成功の裏には並々ならぬ苦労があったことがよくわかった。特に、身近な存在であるアークヒルズ付近の谷間地地区が、バラックだらけの取り残された陸の孤島であり、自らの理念に忠実に、反対者の多い500戸にものぼる住民を説得し、近代的空間を作り上げた熱意はすごい。森ビルの総帥なんだから、タダ者ではないとは思っていたが。私も普段から都心を散歩し、今でも小さな木造家屋の多い地区を見てはガッカリさせられるが、都心を快適空間に変える森社長の理念には、完全に同意である。街の姿を一変させる都市開発の力に驚嘆した。六本木地区の変遷
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森ビル社長の著書
これまで都市や建築についてあまり深く考えたことがなかった。
ディベロッパーの仕事にも興味があった。
六本木ヒルズなどのヒルズシリーズ、森ビルナンバーシリーズなどを手がけた森ビルの
都市開発のコンセプトが記されている。
森氏は工業化社会時に根付いた働く場所と住む場所が分離されている状態から
職住近接をテーマとして最近のヒルズシリーズ作りをしているようだ。
その実現の手段が垂直の庭園都市だ。また職住遊の一体化を提案している。
(これまでの東京である平面過密、垂直過疎状態を脱する。)
それを具現化したひとつが六本木ヒルズだ。
詳しくは本書を参照。
ビルと -
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六本木ヒルズというのは、ヒルズ族というのがあって、
あぶく銭の館だと思っていたが、
この本を読んで、全く違っていたことを知った。
ワーカー2万人、住民2000人、訪問者4000万人。
森稔の「都市の中に、都市を建設する」という執念。
住みかつ働く、職住近接。用途限定から用途複合へ。
巨大フロアー(5400平米)をスペースとする。
「垂直の庭園都市」というコンセプトで、
「緑で覆われた超高層都市」そして「天空美術館」がある。
文化は経済活動に匹敵する産業になると森稔は思っていた。
クオリティオブライフを追求しながら、住み、暮らし、遊び、文化を創造する。
都市に小自然を作り出す。緑被率をあげる。 -
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読んでよかった。感銘を受けた。
本来公共セクターが持つべき「まちづくり」や「タウンマネジメント」の意識を大変強く持ち、それに根気強く向き合うことで、アークヒルズや六本木ヒルズを形にしてきた――そんなプロセスがよくわかる。地域の人々との接点を大切にし、入り込み、ひとりひとりの人生を巻き込みながら、信念を形にしていく様子は、読んでいて気持ちよくもある。
アークヒルズのヒルズマルシェや六本木ヒルズのHills Breckfastはもとより、例えば毎週末森ビル社員がパトロールしていることを知る人はあまり多くないだろう。知らないまま「食わず嫌い」せず、森ビルの考え方をまず知ってみること。森ビルの再開発の -
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ネタバレVartical GardenCity
垂直な庭園都市、これは是非是非日本の東京大阪クラスの都市では進めてほしい。
狭い上に平べったく土地を使うからどうしても広くなってしまい、それが原因で職場と住居が遠くなっている。
工業経済が中心であれば生活空間と産業空間は明確に分離すべきだが、知識産業化が進んでおりそれが逆効果になっている。
往復2時間なんて、正気の沙汰ではない。
大阪のグランフロントの住居部分の売れ行きが好調なことも、それを示していると思う。
さらに高齢化、人口減少が進むのであればより一層効率を高めるべきだし、環境の回復には人間の住まない土地を増やしていくことも重要だと思う。実際、こ