新樫樹のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ居酒屋のような飲食店が舞台だと店主とお客さんのやり取りがメインになってくるように思うが、この話のメインはお客さん同士。
美味しい料理と居心地のいい場所を提供する店主はサブキャラクター。
メインはジャンルは違えどクリエイター同士なお客さん二人の微笑ましいような、羨ましいような、でもどこかもどかしい交流。
作中のイラストレーターとしての描写も、そしてもう一つのクリエイターとしての描写も自分としてはリアリティ溢れるもので、絶妙な質感があった。
「活字にも、温度があるんですよ」とは作中の言葉。
それを最初から最後までひしひしと感じた作品だった。
クリエイターにとって『冬灯』となる、道標となるお話だな -
Posted by ブクログ
ネタバレ「私たちは魔法が使える」と聞いて、どう思うだろうか。何を幼稚園児みたいなことを言っているんだ、使えるわけがない、と思う人が多数だと思う。少なくとも私もそうだった。
「カフェ」の言葉でなんとなく手に取り、小学生の頃にハーブの薬屋を営む女の子の話が好きだったため、面白そうだと思った。この本のあらすじには、「魔法」「魔女修行」「ウソがわかる能力」というような非現実味を帯びた言葉があり、ファンタジー物語なのかと思っていたが、実際は違った。いや、半分はそうで半分は違うと言った方が正確かもしれない。
主人公の万結は、ウソがわかる能力のせいで人を言じられないハーブカフェの店員である。嘘をつく人の声にノイ -
ネタバレ 購入済み
本当に素敵な家族物語
ご主人の細かな心情や子供を気遣う気持ち、奥さんが今まで行ったり思っていただろう事をおもんばかるご主人の気持ちが詳細に描かれていて、読んでるこちらも気持ちが入っていく本でした。
何より、ご主人が奥さんや風花ちゃんを想う愛が大きくて、奥さんも育児で大変だっただろう時もご主人を責めたりする事なく、いつもポジティブで良い所を褒めて感謝を言葉にする、そんな素敵な夫婦だからこそ風花ちゃんが3歳にも関わらず人を思いやれる優しい子供に育ったり近藤さんという良いお友達にも恵まれるんだなと納得できたり、でも風花ちゃんが一生懸命我慢する様子に切なくなったり感動したり、でも最後はニッコリして読み終えることができました -
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Posted by ブクログ
ネタバレ人の痛みを自分の痛みのように感じられる姪御ちゃんが少しでも生きやすい世界になってほしいなと願ってやまない。
心を閉ざしていたこの子が段々心を開いていく過程が愛おしい。
その心を閉ざす原因になった事件は酷いけれども。
毒親にして毒子あり。
あんな親にはなりたくないものだ。
と言いつつも、劇的には世界は変わらない。
姪御ちゃんの件もそうだが、主人公と先生との関係性もそう。
この二人の関係性はこの先どうなるのか、どうとでも取れる形で物語は終わる。
果たして、主人公は過去の恋愛のように彼に拒絶されてしまうのか。
それとも、受け入れてくれるのか。
初読時はすっきりしない終わり方だなと多少不満を覚えたけ