児美川孝一郎のレビュー一覧
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最近は、なりたい職業を見つけ、そのために身に着けなければならないのは何か、という方向で進路選びをするようで、「なりたいものが見つからないからどんな大学のどんな学部を目指したらいいのかわからない。」と子どもに言われて模索する中で出会った本です。
中高生くらいではまだ世の中にどんな職業があるのかわかっていないのに、何になりたいとかむずかしいよね・・・。
それにカッコイイカタカナ職業や、医者や弁護士などの専門職じゃなくて単に「会社員」を目指しちゃいけないのかとか。会社のなかの仕事だってわからないんだし。
じゃあどうするのか。
いろんなアンテナをたてて、いろんな勉強をしていってほしいという思いと、いわ -
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著者を知っているので必ずしもフェアなレビューになっていないかもしれませんが、まあそういう前提でお読みください。
そういう前提付きですが、私は、本書は総体的には、子どもたち・若者たちの将来への備えになるキャリア教育とは何か、を考える上で多くの示唆をもたらしてくれる本だと思いました。もちろん書かれているすべての指摘に賛成ではありませんが。
キャリア教育の「ウソ」だなんてセンセーショナルなタイトルで、キャリア教育に熱心に取り組んでおられる関係者からすれば面白くないかもしれませんが、まあそれは編集サイドの思惑もあるでしょうし、著者自身も「からくり」や「(キャリア教育又は子ども・若者が陥りやすい)わ -
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ネタバレ”預金”しておいた知識やスキルを引き出しながら、仕事や人生を送っていく「銀行型」ではなく、自分で料理を作れるようになる「料理教室型」の学びを実践してすべきである。
もちろん学校には、君たちが学んでほしい「基本レシピ」(各教科や特別活動などの教育課程)が用意されている。これらは、きっちりと修得する必要がある。しかし、基本レシピを通じて得た知識やスキルだけで、君たちが卒業後の仕事や生活をすべてやり繰りできるわけではない。
だから、基本レシピの修得を通じて、「学び方」を学ぶこと。自分で学ぶ習慣を身につけること。これが、決定的に重要なのである。(P175-P177)
セミナーを興味本位で受講し、 -
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キャリア教育のあり方にもやもやしたり、先生達や学校のやり方に首をかしげたり、こういったことは現場にいても常々ある。
本書でも述べられているとおり、キャリア教育といった取り組みは殆どが一過性のイベントとなっているところは大いに反省したいところ。
3年を見越した教育もされず、とりあえずやるといった形で、生徒に本物の力を付けるところに至っていないと思う。
殆どの生徒がギリギリの時期に適当な大学を選ぶか、自分の能力を超えた大学を選んで、慌てて勉強を始めたりもする。
目前の進路ですら決めることが難しい。
正社員至上主義、非正規否定、といったところは、社会全体になんとなくある雰囲気だと思います。
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2017年2月
私たちは様々な教育機関や社会に出てからの転職活動で、キャリアについて考える機会がある。ただ、そのキャリアに対する考え方は間違ったキャリア教育の影響を受けていると考える筆者の主張はとても興味深かった。
特に共感する点としては、中高などで考えさせられた自分のやりたいこと、ということだ。結局はその自分視点のやりたいことを追いかけることは、確かに素晴らしいがそれ以外の選択肢を知るということができないことに問題がある。また、社会との関わりという視点も大切だと思う。多くの中高生は将来的に自分のやりたいこと、とは懸け離れた職業に就く問いう事実を忘れてはいけない。自分の子供がどのような時代 -
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現在の高校生の半分以上が、卒業~就職~3年以上継続、出来ていない。高校のキャリア教育に興味のある方にお勧め。
【「キャリア」教育の現状】
つい30年前(~1980年頃)までの日本社会では、人が生きていくコースには「標準的」なモデルが存在おり、そうした社会には「キャリア」という概念は馴染まなかった。
ベネッセによると、高校生の男子・女子は上位から順に、
男:学校の先生、公務員、研究者・大学職員、医師、コンピュータープログラマー
女:保育士、学校の先生、看護師、薬剤師、理学療法士
と、男子の公務員を除いて「専門職」、つまり、職業生活を通してずっと同じ仕事をしていくスペシャリストのイメージしかな