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Posted by ブクログ
最近は、なりたい職業を見つけ、そのために身に着けなければならないのは何か、という方向で進路選びをするようで、「なりたいものが見つからないからどんな大学のどんな学部を目指したらいいのかわからない。」と子どもに言われて模索する中で出会った本です。
中高生くらいではまだ世の中にどんな職業があるのかわかっていないのに、何になりたいとかむずかしいよね・・・。
それにカッコイイカタカナ職業や、医者や弁護士などの専門職じゃなくて単に「会社員」を目指しちゃいけないのかとか。会社のなかの仕事だってわからないんだし。
じゃあどうするのか。
いろんなアンテナをたてて、いろんな勉強をしていってほしいという思いと、いわゆる世の中の「キャリア教育」ってこうだよねっていうことの勉強として、この本を読んだらって、子どもに勧めようと思った。
Posted by ブクログ
著者を知っているので必ずしもフェアなレビューになっていないかもしれませんが、まあそういう前提でお読みください。
そういう前提付きですが、私は、本書は総体的には、子どもたち・若者たちの将来への備えになるキャリア教育とは何か、を考える上で多くの示唆をもたらしてくれる本だと思いました。もちろん書かれているすべての指摘に賛成ではありませんが。
キャリア教育の「ウソ」だなんてセンセーショナルなタイトルで、キャリア教育に熱心に取り組んでおられる関係者からすれば面白くないかもしれませんが、まあそれは編集サイドの思惑もあるでしょうし、著者自身も「からくり」や「(キャリア教育又は子ども・若者が陥りやすい)わな」といった意味で使っておられるようですし。ただしそこには、「現在行われているキャリア教育には、現実(社会の状況、若者の状況、労働の状況)を十分見つめ切れていない(ものもある)」という、たぶん正しい指摘が含まれているのだと思いました。
本書を読んで(僭越ながら)自分と問題意識が共通している点が大きく分けて2つありました。
一つは、著者が指摘している「やりたいこと探し」の重視についてです。私は「夢や希望を持てば皆頑張るようになる」的な教育観にあまり共感できないで来ました。成功した方はそういうことをおっしゃるのですが。自分はそうだった、それで頑張れた、子どもたちはみなそうに違いない、と。。。もちろん、子どもたちのためを思ってその学習意欲を高めるための考えの一つでしょうから、そういう風に考える方の気持ちは尊重したいですが。しかし夢や希望なんてそんなに簡単に持てるのだろうか?という気がします。またそんな簡単に持つべきものだろうか、とも思います。
夢や希望を持ってストレートに仕事に結びつく人はほとんどいないわけで、別に「夢みたいなこと言ってないで現実を見ろ」というドラマでありがちな大人のセリフとして言っているわけではなく、夢が直接職業になるというのは特定の専門家の場合(スポーツ選手、芸術家、法曹関係、医療関係、教師・保育士、パン屋・花屋など分かりやすい小売業)であって、ほとんどの人は組織に属して給料をもらいジェネラリストとして生きていく。そこに大きな齟齬があるのに、それが隠れているのはリアリティがないというか、ちょっと嘘くさいというか。。。
大学生の就職について「就職」と「就社」という言葉で指摘されている問題もありますが、その当否はともかく(どっちがいい悪いという問題でないように思いますが)、我が国ではまだまだ「就社」が圧倒的に多いわけですし、独立したプロになる人はまだまだ少ないです。
著者も述べておられますが、職業選択に限らず人生というのは、自分の思いと社会の中での自分の位置(社会から求められる役割や自分の能力・特性が役に立つ場所など)とのせめぎ合いなのだと思います。それは単に希望と現実(能力)の折り合いというさみしいだけのものではなく、自己と他者との関係性を理解するという意味もあります。また、私は自分の職業選択の時から、仕事というのは「やりたいこと」「やれること(又は得意なこと)」「やるべき(だと思った)こと」の狭間での迷いもあり、そういう意味での選択もあると思います。十年ほど前に中学生にそういう授業をさせてもらったこともあります。全部が重なれば最高に幸せかもしれませんが、なかなかそうはならないでしょう。
もう一つは、キャリア(≒人生)教育と言っていながら、職業や就労だけに焦点が当たっている(「ライフキャリア上のさまざまなイベントや転機に対応できるための準備も必要」)という問題意識です。この点についてはこれまでもたびたび書いたことがありますので、簡単にしておきますが、特に人生上で、就職の後に続く、結婚、妊娠・出産(女性だけでなくパートナーである男性にとっても大事)、子育て(乳幼児期の様々なイベントや、就学、進学など)、地域等仕事以外の役割(PTAなど学校支援、自治会、地域によっては消防団)、親の介護などなどについても、結論は出せなくても若い頃から考える機会を持つべきだと思っています。また、近年「働き方」そのものも社会的な話題に上ることが多いですが、「どのような働き方を選ぶのか(場所、形態、忙しさ、などなど)」、ライフスタイルについても考えていいはずです。目先の就職・進学に比重がある程度偏るのはしょうがないとは思いますが。
他にも著者は以下のような非常に有益な(と私は思う)指摘をしておられます。
・「標準(=新卒就職→そこに長く勤める)が崩れてしまった時代」なのに、標準な就職だけを念頭に置いた指導が行われている。
・キャリア教育と教科教育とを別物だととらえている
・自己理解、職業理解、プラン作成など、深く考えないでもやってしまえるワーク的学習の問題点
・正社員モデルや生涯賃金比較による指導の限界、、、などなど。
最後に。本書のプロローグは、児美川先生の教え子の卒業後について書かれているわけですが、先生の愛が詰まっている気がしました、ちょっと泣いてしまいました。キャリア教育の本で泣くのは私ぐらいでしょうか(笑)。
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