「漂巽紀畧」は「ひょうそんききゃく」と読む。
「巽(南東)の方角に漂流した記録のあらまし」というほどの意味とのこと。
ジョン万次郎については、漂流してアメリカに暮らし、帰国後身につけた英語を教えて明治の人材育成に貢献したとしか知らなかった。
その漂流からアメリカ暮らしについて生き生きと語った記録。
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驚いた点、はじめて知ったこと
・当時漂流した日本人がジョン万次郎一行以外にもたくさんいたこと。
・鎖国していることが、ときに上記の日本人の帰国のハードルになったが、帰国した者もたくさんいたこと。
・無人島や海の上の漂流生活でも年単位で生き延びた人がおり、そのようなことができること。
・アメリカの船で太平洋の島から島へと航海しており、太平洋は一つのつながった世界なのだと感じたこと。また、世界一周も船乗りにとっては特別なことではないのだと感じたこと。
・10年アメリカに住んでも、日本に帰りたいと思い続けていたこと。
・この本が、土佐藩の上層部の必読書となり、他藩にも提供されたこと。
自分がジョン万次郎の立場だったら、できるだけアメリカに馴染んで暮らそうするのではないかと想像した。男女の違いもあるかもしれない。
日本に帰りたいと思い続けた、その心のうちについて聞いてみたいと思った。