相澤朱音のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
この本を読んで感じたことは「震災を実際に体験した方の立場になることはできないこと」「災害は自分事として捉えること」この2つです。
自分自身も実際に東北に行って震災遺構やスタディーツアーを行いましたが、その方たちが感じたことをその方の立場になって想像しますが、それはあくまで想像。その方たちが感じたことは何倍何十倍のことです。
けど、実際に行ってそして話を聞くことで、もし自分の周りで災害が起きたときにそのことを思い出して被害を減らす行動は取れると思います。
本の中には、今東日本大震災の風化が進んでいるのは現地の子ども世代だと書かれていました。そのような現状もこの本を読まないと気づかなかったでしょ -
Posted by ブクログ
年月ととともに事実は変わらないが、成長や経験を経て個々人の心の中での真実は変化してくるのではないだろうか。
震災時当時小学生だった3名の子どもたちが高校生になって震災の話しをしている内容をまとめたもの。またそれに関わる大人たちのお話。
3名とも同じ出来事に出くわしたのだが、受け止め方、考え方、また表出が全く異なるのが、大きな出来事に出くわした時の人間の反応の多彩さを示している。
成長とともに言語化できることもあれば、当時の心境の強弱などは時間とともに変化する部分もあるのではないだろうか。当時の記録や周囲の人たち、特に家族からの話などもあるとより一層興味深いだろうなと思った。
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Posted by ブクログ
自分がいかに震災を知らないか、気付かされる。
オーディブルで聞いた。本人たちによる朗読は素人とは思えない。
震災は自分にはやや他山の石であった。
3/11 2:46PMの黙祷はする。原発問題を討論した。ボランティアにも行った。防災に関わる仕事をしている。
それでも分からないことは多い。話の1割以下を受け取れて、自分にも誰かの命を救うための行動ができるかもと、少しアンテナを立てることができたくらい。
聞き初めは、災害時に聞かれない子どもの声は重要だと考えていた。子どもだからと聞かないのは、権利侵害とも言えるんじゃないかと考えていた。そういう話、ではないところに僕は吸い込まれた。大人も当時何をいう -
Posted by ブクログ
同じ震災を経験していても、視点が違えばこんなにも違って見える。震災は個々の経験なのだ、ということを浮き彫りにしてくれる。決して一括りにはできないのだ。
彼らに比べれば、全然大したことはなかったけれど、自分の経験と重なる部分もあって、阪神淡路当時、中1だった記憶が蘇った。
海側と山側で被害が違って、状況が全く異なる生徒が一つの教室にいる不思議。ふわふわとした、でもどこかヒリヒリとした、何とも言いようのない空気を感じていた日々。そして、それでも続いていく日常。
25年を向かえようかという年月を考慮したとしても、多くを、いや大半を、忘れている自分に気づいて愕然とした。
あの時、自分は何を考えていた