山野辺太郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
日本とブラジルをつなぐ穴を掘る! 戦後より続く秘密プロジェクト。戦後、焼き鳥屋で穴を開けることを思いついた官僚・山本。対外的には極秘であり、温泉を掘る技術で進められる。その仕事、意思を引き継いだのがサラリーマン・鈴木。広報係としてこのプロジェクトの公表に備えて、資料集めをする毎日。外国からの諜報員・作業員、ブラジルの広報係とのやりとり、そんな交流をしつつ時は流れ、ついに穴は完成する。
この小説は何と言っても、大真面目にとんでもないことを進めていくユーモアさだ。串を抜いた後の肉の穴を見て思いついたり、「だって、近道じゃありませんか」で続けられていたプロジェクト。技術的な問題を出さないところがいい -
Posted by ブクログ
地球の裏側「ブラジル」まで穴を掘ろう。
という実に荒唐無稽な物語。
戦後すぐ、運輸省の若手官僚・山本清晴は、
新橋の闇市でカストリを飲みながら思いつく。
「底のない穴を空けよう、そしてそれを国の新事業にしよう」。と
山本はその案を翌日、上司に持ちかける。
すると上司の田中は「なぜ、そんな穴を?」
山本は答える。
「だって、近道じゃありませんか」
その計画は少しずつ動き出す。
そこから事業化が正式決定するまでに数十年の歳月を
要することになることを、この時の山本は知らない。
運輸省OBとなっていた山本が膵臓癌で亡くなったのは
事業化が決定する2か月前だった。
その仕事は新入社員の僕(鈴木)