宮川努のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
2023年6月に閣議決定された「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画2023改訂版(以下、実行計画)」は、長期に渡る日本経済の低迷の主要な原因を、日本の雇用システムに求めている。
これまで我が国では、「企業は人に十分な投資を行わず、個人は十分な自己啓発を行わない状況が継続してきた」とし、そういったことが理由で「我が国の賃金水準は、長期にわたり低迷してきた」としている。そして、「問題の背景には、年功賃金などの戦後に形成された雇用システムがある」とし、いわゆる「日本型雇用システム」の改革を、訴えている。具体的には、①リスキリングによる能力向上支援②個々の企業の実態に応じた職務給の導入③成長 -
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Posted by ブクログ
マクロ経済学の教科書
中級レベルだが、クリスタルクリアな分かりやすい説明なので初学者がいきなり挑戦してもよいかも(ただしミクロの知識は必要)
Ⅰでは長期成長が扱われている
著者は経済成長論の専門家らしい
基礎的なモデルであるソロー・モデルのほか、アイディアによる経済成長を分析するローマー・モデルの解説がある
経済成長には研究開発への投資とそれによるイノベーションが重要ということがよくわかる
日本は人口減少時代に入ったので、今後の経済成長はさらに難しくなるだろう
環境問題から脱成長を唱える声も大きくなりつつある
いずれにせよ低成長時代の経済を考えるためにも経済学の知識は必須だろう -
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Posted by ブクログ
経済学の見地から生産性について書かれた一冊。
生産性の公式を定義し、その考え方を順序立てて説明してくれています。
私は、本書を読んで始めてTFP(TOTAL FACTOR PRODUCTIVITY)なるものを知りました。
公式にはざっとこんなものがありました。
生産性=産出物
労働生産性=生産量(付加価値量)/労働投入量
全要素生産性(TFP)=生産量/各投入要素の集計量
TFP変化率=付加価値量の変化率-労働分配率×労働投入量の変化率-資本分配率×資本投入量の変化率
生産性向上の要因を探る
TFP変化率=知識資産の収益率×研究開発投資集約度(=研究開発投資額/付加価値額)