宮川努のレビュー一覧

  • 生産性とは何か ──日本経済の活力を問いなおす

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    2023年6月に閣議決定された「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画2023改訂版(以下、実行計画)」は、長期に渡る日本経済の低迷の主要な原因を、日本の雇用システムに求めている。
    これまで我が国では、「企業は人に十分な投資を行わず、個人は十分な自己啓発を行わない状況が継続してきた」とし、そういったことが理由で「我が国の賃金水準は、長期にわたり低迷してきた」としている。そして、「問題の背景には、年功賃金などの戦後に形成された雇用システムがある」とし、いわゆる「日本型雇用システム」の改革を、訴えている。具体的には、①リスキリングによる能力向上支援②個々の企業の実態に応じた職務給の導入③成長

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    2024年06月07日
  • ジョーンズ マクロ経済学II―短期変動編

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    Ⅱでは短期変動と政府・中央銀行による経済政策が扱われている
    IS-LM分析の代わりに、IS-MP分析が使われている
    リーマン・ショック後の世界金融危機についてモデルを使って分析した二つの章がある
    Ⅰ同様、クリスタルクリアな説明で分かりやすい
    分厚い本だが小説のように割とさくっと読める
    日本でも経済政策は行われている
    本当に正しい政策が行われているか、ひとりひとりが主体的に判断しなければならない
    政府に騙されないためにも、経済学を学ぶのは重要だ

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    2021年10月26日
  • ジョーンズ マクロ経済学I―長期成長編

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    マクロ経済学の教科書
    中級レベルだが、クリスタルクリアな分かりやすい説明なので初学者がいきなり挑戦してもよいかも(ただしミクロの知識は必要)
    Ⅰでは長期成長が扱われている
    著者は経済成長論の専門家らしい
    基礎的なモデルであるソロー・モデルのほか、アイディアによる経済成長を分析するローマー・モデルの解説がある
    経済成長には研究開発への投資とそれによるイノベーションが重要ということがよくわかる
    日本は人口減少時代に入ったので、今後の経済成長はさらに難しくなるだろう
    環境問題から脱成長を唱える声も大きくなりつつある
    いずれにせよ低成長時代の経済を考えるためにも経済学の知識は必須だろう

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    2021年10月26日
  • ジョーンズ マクロ経済学I―長期成長編

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    初級向けではイチオシの洋書マクロ教科書。
    アメリカの教科書あるあるの説明が詳しくてまどろっこいので、二神さんのマクロ経済学のほうが授業の副読本としては良いかも。

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    2020年06月20日
  • 生産性とは何か ──日本経済の活力を問いなおす

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    なかなかわかりにくい概念、「生産性」を真正面から論じた新書にしては硬派な本。正直難解な部分もあるが、アベノミクスの実態を論じた最終章はわかりやすかった。安倍首相に読んでほしい。

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    2019年10月24日
  • 投資で変わる日本経済 ――「アマチュア資本主義」を活かす途

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    日本と特にアメリカとの経済成長の彼我の差を、事後的に「アマチュア」「プロフェッショナル」のラベル付を施している感もなくはないわけで、後者に近づくべくとする指針は端的にはデジタルや人材投資という、当必然的な回答となるのはある意味ベーシックかもしれないが、なぜそのような明快な岐路を日本が選び得なかったのかという論点に注力した書物といった印象も受けないため、「そうとはいうが」という現実に対する処方箋たりうるかは疑問。

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    2024年12月28日
  • 生産性とは何か ──日本経済の活力を問いなおす

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    国民生活を豊かにするための1つの見方として、1人あたりの実質GDPの成長があるが、そのためには生産性の向上が必要であると言われている。その生産性について正確な定義を確認した上で、生産性向上のメカニズムをわかりやすく説明している。ただ、少子高齢化、人口減少に直面している日本にとって、困難な課題であることも浮き彫りにしている。

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    2020年09月13日
  • 投資で変わる日本経済 ――「アマチュア資本主義」を活かす途

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    「失われた30年」といわれる日本経済の長期停滞を様々なデータを元に説明し、考察していた。「プロフェッショナル資本主義」に対して、日本の事業経営を「アマチュア資本主義」と呼んでいて、面白いなと思った。
    「豊かさ」とは何かを考える姿勢を持ちたいと思った。私は、所得格差だけでなく健康格差や教育格差などがない社会が豊かな社会だと思う。「豊かさ」を実現できる社会を目指したいと思った。

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    2024年12月01日
  • 生産性とは何か ──日本経済の活力を問いなおす

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    経済学の見地から生産性について書かれた一冊。

    生産性の公式を定義し、その考え方を順序立てて説明してくれています。

    私は、本書を読んで始めてTFP(TOTAL FACTOR PRODUCTIVITY)なるものを知りました。

    公式にはざっとこんなものがありました。

    生産性=産出物
    労働生産性=生産量(付加価値量)/労働投入量

    全要素生産性(TFP)=生産量/各投入要素の集計量

    TFP変化率=付加価値量の変化率-労働分配率×労働投入量の変化率-資本分配率×資本投入量の変化率


    生産性向上の要因を探る

    TFP変化率=知識資産の収益率×研究開発投資集約度(=研究開発投資額/付加価値額)

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    2019年06月07日