フィリップ・リーヴのレビュー一覧
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・フィリップ・リーヴ 「アーサー王ここに眠る」(創元推理文庫)は新たなるアーサー王の物語である。時と場 所は500年頃のブリテン島南西部、「お互いが小競り合いをくりかえして(中略)丘陵地帯の小さな王に仕えてい」(28頁)たり、「大王に仕えているものもある。または自分らの長にしか忠誠を誓わず、土地を持たない小さい集団もあって、そいつらはど こでも略奪し、土地を荒らす。」(同前)そんな時代のアーサー王の物語である。これを語るのは吟遊詩人のミルディン、聞き手は主人公の少女グウィナである。ミルディンに言はせれば「アーサーの一団もそんなやつらだ。」(同前)といふわけで、アーサー王がアー サー王伝説の王と
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ヘスターがまたトムと一緒になれて良かった。いろんなことがあって、ヘスターはひどいことをしたけど、でもトムのことがずっと好きだった。ヘスターは、強くて、勇敢で、美しい。トムは、優しすぎるし、無茶なこともするけれども、二人がこういうふうな終わりを迎えたことは良かったと思う。
時代は変わっても、人々の暮らしは、その時々に合わせて、続いていく。トムとヘスターの体は土にかえり、レンとセオの子供は成長して、そしてその子供も死んでゆき、移動都市時代の記憶が失われても、命はめぐり、世界はあり続ける。
人間のあやまちは何度でも繰り返され、その度は世界はボロボロになり、いつか人間が住めない世界になるかもしれない。 -
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ネタバレトムは優しすぎる。
それに対してヘスターは、ヴァレンタインの娘であることに囚われ、過去の裏切りもトムに言えず、自分の冷酷さを持て余しているようにも見える。
トムはすべてを受け入れてヘスターを選ぶのかどうか。ヘスターとレンの関係も修復できるのかどうか。
トムとレンとぺニーロイヤル、ヘスターとシュライク、フィッシュケーキとファン、ゼロとグリーンストームたち。それぞれがバラバラになって、これからどう展開していくのか。
ヘスターには幸せになってもらいたいけれど、トムにはヘスターを選ぶだけの明確な理由が必要なのだろうな、と思う。子はかすがいと言うけれど、この場合、むしろレンがいない方が話は簡単だった気が -
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ネタバレヘスターの嫉妬から、トムとヘスターそれぞれが問題に巻き込まれて、でも、別々の出来事が絡み合った末に大団円。トムが撃たれた時は、どうなることかと冷や冷やした。
トムとヘスターは全然違う。性格も、容姿の美醜も、行動力も。でも違うからこそ、二人は二人でいられるのだろう。いやむしろ、そうであってほしいと思う。トムが結局はヘスターを選んだように、これからもそうであってほしい。
ヴァレンタインの娘であることを受け入れた、ヘスターの強さ。トムを手に入れるために、無茶なこともしてしまう一途さ。ヘスターの性格は、決して良くはないけれど、そういう駄目さに惹かれる。 -
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ネタバレ面白かった。登場人物の名前とか固有名詞とか、覚えにくかったけれど。
人間は裏切る。良い人そうに見えても、良い人ってわけじゃない。それぞれがそれぞれの考えのもとに行動している、と言えばそれまでだけれども。それでも信じて、裏切られて。トム自身も、たくさんの人を殺す結果になり、英雄ではない。それでもヘスターの言葉が救いになる。あんたは英雄じゃないし、あたしは美少女じゃない、でも一緒にいる。
人間である限り、すべての者が悪なのだろう。メドゥーサを生み出した古代人も、それを使って攻撃しようとするクロームも、ヴァレンタインを殺そうとするヘスターも、結局何も出来ずにヘスターを助けるキャサリンも。すべては繋が -
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ネタバレ先に上巻に書いちゃったのでコピペ。
待ちに待った新作!
待ちすぎて、これまでのお話し忘れちゃったよ……。
ということで読み始めたのだけど、物語としては間違いなく面白い!
ただ、やっぱり経緯が記憶から薄れていて、読んでいてもどかしい気持ちになること多々。
やっぱり前作から読み返してから読むべきだったか……。
とにかく、このシリーズはヘスターに尽きるわけです。
「移動都市」を読んだ時に、そのキャラクターに撃ち抜かれて、大好きなのです。
物語史上で、最高のヤンデレだと思います。
なので、なんかとても納得感のある終わりでした。
呆気ない感じもしたけど、まあ、海外作品ってそういう終わり方多いし。 -
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ネタバレ待ちに待った新作!
待ちすぎて、これまでのお話し忘れちゃったよ……。
ということで読み始めたのだけど、物語としては間違いなく面白い!
ただ、やっぱり経緯が記憶から薄れていて、読んでいてもどかしい気持ちになること多々。
やっぱり前作から読み返してから読むべきだったか……。
とにかく、このシリーズはヘスターに尽きるわけです。
「移動都市」を読んだ時に、そのキャラクターに撃ち抜かれて、大好きなのです。
物語史上で、最高のヤンデレだと思います。
なので、なんかとても納得感のある終わりでした。
呆気ない感じもしたけど、まあ、海外作品ってそういう終わり方多いし。
未訳のシリーズも沢山あるみたいだけ -
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『SFが読みたい!2007年版』の書評の中に、「宮崎アニメを感じさせるような作品」といったようなコピーがあったので読んでみたのですが、実際におもしろいです!
確かに雰囲気は、宮崎駿の世界に通じるものがあります。なかでも「天空の城ラピュタ」に近いと思います。
でも、宮崎駿よりももうちょっと硬質でバイオレンスアクションもあるので、そういう意味では大友克洋の作品、とりわけ「スチームボーイ」あたりにも似ています。
ロンドンという名の移動都市、蒸気機関?による動力、飛行船、階級社会とそれが如実に表れた都市構造、といった舞台設定はどことなく19世紀のイギリス風です。
背景の異なる少年と少女が出会い、そ -