フィリップ・リーヴのレビュー一覧
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『移動都市』シリーズの最終巻。
シリーズ全作が全て面白く、敬意を表して、シリーズ全体に対する評価として★5とさせていただきます。
(『廃墟都市の復活 下』単体でも★4か★5か迷うレベル)
やはりヤングアダルト(YA)系作品ではあるな、と感じつつも、第1作から第4作まで一貫して大人も楽しめ、かつ、第1作から第4作まで全て面白い。
また、第1作から第4作までが全て繋がっているため、大量の人物や大量の都市、人間関係から世界情勢まで大量の情報が登場するが、それにもかかわらず非常に読みやすく、複雑にならず、一気に読めてしまうのが凄い。
時には世界情勢、時には個人個人の思惑、時には恋愛、時にはアクシ -
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児童、若者向けの小説であったというものの、
登場人物たちの退場=死というものが容赦なく描かれ
弱肉強食、共食い、食うか食われるかという
無慈悲な無常な世界・舞台を鮮やかに描きだす。
さらにわかりやすく、ド汚い裏切り、欲望をむき出し
の(ラスボスではなく脇役な)悪役も
物語の彩りとして、主役二人の命と人生・価値観を
掛けた復讐劇、大冒険を飾っている。
児童、若者向けのわかりやすいメロドラマ的
エンターテインメントな死、物語の味付け、
期待を裏切るサプライズな仕掛けかもしれないが、
きれいごと、のぞむとおりには終わらせない
ハードで、ヘヴィーな面を持つ
優しさだけではないエンターテインメント。 -
Posted by ブクログ
ついに読み終えた移動都市クロニクル。
「移動都市」「略奪都市の黄金」「氷上都市の秘宝」の続編「廃墟都市の復活」は、第4部にしてシリーズ最終章です。
第3部で砂上に消えたヘスター。彼女と離れ離れになったトムは、愛娘のレンと共に飛行商人として生計を立てる。ヘスターと喧嘩別れして以降、抜け殻のようになったトムであったが、とある街で思わぬ人物を見かけたことをきっかけに再び冒険の舞台に踊り立つ。思わぬ人物とは今はもう廃墟と化した故郷ロンドンの知り合いだったのだ…
あらすじと登場人物紹介によって(そして表題からも)、ロンドンの旧知が再登場することがわかります。そんな久しぶりに登場したロンドンと、ヘスター -
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とにかく予想の斜め上を行く展開!
序盤は素直に話が進まない感じがして、なんだかいきあたりばったりな展開では…?と思っていましたが、読み終わると、本書の第一部では、物語のスタートを切りつつも、フレイアとコールのエピソードを綺麗に結んだんですね。
また、勢いが増していく終盤、第2弾のしこり(ヘスターがアンカレジを裏切った事実)をうまい具合に回収しつつ、第4弾に繋げるあたりは、なんだかしてやられた感じがします。もちろん勢いはあるんでしょうが、おもしろかった。
さて、なんといってもヘスターの性格の歪み具合!娘をもったにも関わらず、その歪んだ性格は相変わらずで、ついにその歪みがトムに露呈してしまう始末 -
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60分戦争により荒廃した近未来。
キャタピラつけた都市が移動して都市を喰らうという設定が奇抜。
文章としては視点が変わる部分に少し違和感を感じるけれど、
全体的に絵をイメージしやすく読みやすかったです。
(この作家はイラストレーターでもあるらしい)
ストーリーはテンポ良く場面が進み、
キャラクターもよく立っている。
顔に酷い傷のあるヒロイン。
剣術に長けた女船長。
総じて女性が魅力的。
SFかというと科学的根拠はあまり薄そうなので
冒険小説だと思った方が間口も広いかもしれない。
良質なジュブナイルを久々に堪能した(・∀・)
「移動都市」といういまいち冴えないタイトルと、
アラビアン風味の -
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シリーズ4作目。最終巻の上巻。
やはり、めちゃくちゃ面白い。
とりあえず上巻を読み終えた時点で言えることは、シリーズ1作目から4作目まで、なるべく一気に読んだ方が良い、ということ。
シリーズ第1作『移動都市』からシリーズ第3作『氷上都市の秘宝』までに登場した人物、都市、飛行船、世界情勢などが全て引き継がれ、シリーズ第1作から第3作までのことを覚えていればいるほど面白くなる。
文章からその時の情景が浮かび、それがそのまま面白さとなる。
これだけ多様な人物や都市や飛行船が登場し、それぞれが多様な動きを見せ、多様な人間関係が描かれ、それぞれの思惑や気持ちが描かれるのに、グチャグチャにならないど -
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シリーズ2作目。前作を読んでること前提の作品。
『掠奪都市の黄金』というタイトルから、金塊的なものを探す系アドベンチャーかな?と思ってしまうが、全く違う。
黄金とは、他の移動都市を喰らう掠奪都市が、「獲物の情報くれたら莫大な報酬を出すよ」というその報酬のこと。
シリーズ1作目と4作目は賞を取っているらしく、2作目と3作目は賞を取っていない、という前提知識があったが、意外や意外、前作と同様に面白い。
面白さの感覚も前作と全く同様で、「いきなり別ベクトル行っちゃいました」という、シリーズものにありがちの「やっちまった感」が全くない。
①氷上移動都市アンカレジ
②巨大掠奪都市アルハンゲリスク
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Posted by ブクログ
ネタバレ都市が都市を食らうという、衝撃的な設定のSF。移動都市ロンドンが獲物を捕らえるシーンは、まるでスペクタクル映画を見ているかのようだった。
主人公のトムは、史学ギルドの見習い。しかし、ある出来事がきっかけで、都市の最下層部であるガットへと送られてしまう。ガット、捕獲された都市が解体される場所。暗く、暑く、悪臭が漂うその環境は、まさに地獄絵図だ。
ガットでトムは、憧れのギルド長、サディアス・ヴァレンタインと出会う。なぜかトムの家族を知っているというヴァレンタイン。トムにとってヴァレンタインとの出会いは、運命を大きく変えるものだった。中盤以降はトムと彼の仲間である少女ヘクターの友情を中心に進む。