小崎哲哉のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
非常に重厚,面白い.
現代アートとは何かというシンプルで難解な問いに対して
自分のような素人でも腹落ちする見解を示唆してくれる.
本書で述べられる現代アートを構成する3要素,アーティストの7つの創作動機は今後間違いなく自分の芸術鑑賞の際の補助になってくれるだろう.
若干「料理の四面体」にも通ずる構成を感じる.
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現代アート
グローバル資本主義を前提とするシステム
アウラ
複製技術によって喪失した何か
芸術作品の持ついまーここ的性質
"芸術の起源は魔術や宗教に求められ、かつては畏怖や信仰の対象だったものが芸術作品へと移行した。神像や仏像が典型だが、それらは礼拝の対象であって、ただそこに存在しさえすればよく、実際に見る必要は必ずしもなかった"(例:見ると目が潰れるといわれていた天皇の御真影)
礼拝価値から展示価値へ
さらに口実価値へ?(客寄せパンダ化)
デュシャンの衝撃
現代アートの構成3要素
インパクト、コンセプト、レイヤー
作家の7つの動機
・新視覚,知覚
・メディアと知覚
・制度への言及
・社会問題,政治
・世界の捉え方,思想,科学,哲学
・私と世界
・生,死,性
→美しさ.完成度は動機ではない.
千利休、デュシャンの先駆けとしての評価
既存の茶会の概念の破壊、レディメイド
現代美術ではなく現代アートもとい、現代知術
「誤読の自由」
鑑賞は己の人生での経験や記憶を総動員.正解はなく,批評のあってはならない.
その上で批評家は鑑賞結果を批評という世間にアウトプット.
その巧拙はいわば己の器を晒すようなもの.リスクが伴う豪胆な商売.
わかる人はは分かればいい=エリーティズム
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筆者のまとめ
・アートワールドは矛盾に満ちている
・アートマーケットは加熱する一方
・スーパーコレクターの作品の特権的な私有化や囲い込み
・美術館やアーティストは圧力にさらされている
・巨大美術館がポピュリズムに陥る.テーマパーク化
・批評や理論は影響力を失っている
・1989年にアートの潮流が変わる「大地の魔術師」「オープン・マインド」
ー>ポストコロニアリズム,マルチカルチュアリズム
・アートの変容(アート史への言及,先行作品の示唆だけでなく政治的・社会的メッセージ)
・アート=選択,判断,命名の知的作業.
デュシャンの泉の衝撃
・今日のアートはすべからくコンセプチュアルアート
・アートの3要素:インパクト,コンセプト,レイヤー
・創作の動機7つ
・これからのアートはインスタレーション志向に. -
Posted by ブクログ
現代アートは、マルセル・デュシャンが「泉」で芸術家が作品を作るという従来のものから、世の中のものから選択し意味付けを行って鑑賞者に提示し鑑賞者がその評価を完成させるというものに変化させた流れの中にある。
重要なのは、「インパクト」「コンセプト」「レイヤー」で、コンセプトは「エロス・タナトス・聖性」「世界と私」「アクチュアリティ」「制度への批判」「アート史への言及」「メディウム」「新規性」に分けて評価できる。
実際のアートの値段は、メガコレクター、公的な美術館(実際のバイイングパワーは落ちているが、箔付け)、キュレーター、アートディーラーがプレイする世界で、批評家の役割はなくなってきている。 -
Posted by ブクログ
ネタバレヴェネチアで観て、バーゼルで買う。
アートの世界にはいるということは、
グローバル資本主義の勝ち組に加担すること。
ピノー(ケリング)
グッチ、プーマ、サンローラン、ブシュロン、
クリスティーズ、シャトー・ラトゥール
アルノー(ヴィトン LVMH 4兆円企業)
モエエシャンドン、ドンペリニョン、ヘネシー、
ロエヴェ、セリーヌ、ジバンシー、ケンゾー、
フェンディ、ダナキャラン、クリスチャンディオール、
ゲラン、タグホイヤー、ショーメ、ゼニス、ブルガリ
カール ラガーフェルド(シャネル デザインディレクタ)
デザインと建築が現代における真のアート。
ブランド知名度でアーティストを世に知らしめる。
マヤッサ王女(カタールQMA)
村上の「五百羅漢図」依頼主。
アートはビジネス。首長家の資産=国家の資産
ラリー ガゴシアン(ギャラリスト 売上1000億円)
クーンズ、ハースト、グルスキー、村上 を扱う。
POWER 100(ランキング)
批評家が力を失い、美術館に関与する建築家が存在感。
現代アートは文学、音楽、映画に比べ大衆性が低い君主制や寡頭政治。
美術館 ~アートの墓場
検閲、自己規制
コレクターとの戦い(権威によるディスカウント)
政治的資産
アメリカでは作品寄贈は会員制美術館でも非課税
美学的経験の場より「社交の場」へ退化?
他ジャンルとの組み合わせは手段でしかない。
複製技術で失われたものに対し、
「いま、ここ」出しか味わえない体験で人を集める。
MoMA 302万、ポンピドー 345万、ルーブル 926万人。
テートモダン579万人。
公的予算減少し、70%が民間から。
集客重視の展示に、量が質を変質させる。
ポピュリズムの誘惑からテーマパークに?
美術雑誌
批評が少なく、ギャラリーの広告が70%
「イズム、運動」のなくなった冷戦崩壊以降
アート史に結び付ける「欧州式アートのルール」
会田、村上も則る。
デュシャン「Fountain」1917年
現代アートは何でもありに
作家により選ばれ命名され新しい見方を示し、初めて成立する。
もはや、つくらない。選択。
「外見」から「概念」へ。コンセプチュアルアート。
ヨゼフ ボイス
「すべての人が芸術家になるべきだ。」
鑑賞者は能動的な解釈者
ヤン フート
「よいアートは答を与えてくれない。問いを投げかける。」
現代アートの3大要素
「インパクト、コンセプト、レイヤー」
時間芸術
撮影されたデジタル画像は2016年で1兆枚を超えた。
2次元静止は現代アートの担い手にはならない。
映像は3次元。
今後のアートは4次元のインスタレーションを志向する。
アートとアーティストは超社会的。
社会から孤立させなければならない。
サミュエル ベケット「死せる想像力よ、創造せよ」
茶の湯に通じる思想 -
購入済み
これが現代美術
とても興味深い内容だった。
現代美術とは何か。どういった仕組みで評価されていくのか。
知ることで、さらに興味が引き立てられていくのを感じる。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ芸術は生産から選別へ
「アメリカ」マウリツィオ カテラン 18金の便器 2016年 原価数億円
グッケンハイム美術館 キュレイター ナンシースペクター
ゴッホ「雪のある風景」貸出し要求するトランプ大統領/ホワイトハウスへの代案
NEA全米芸術基金、NEH全米人文科学基金への圧力
ジュディ シカゴ作 ディナーパーティー
アンドレス セラーノ作 浸礼/ピスクライスト
あいちトリエンナーレ2019 「表現の不自由展・その後」
テーマ「情の時代」津田大介 芸術監督
「平和の碑」キム ソギョン+ウンソン
「遠近を抱えてPartⅡ」大浦信行
元の作品は富山県立近代美術館と議員が右翼団体のクレームで焼いたもの
「檄」会田誠
現代アート 既成概念の打破 多義的
誰もが認めるものでないとやっちゃいけない=ナチス的独善
レイヤーの浅い作品にも原因
3大要素:インパクト、コンセプト、レイヤー(創造、想起、連想)
全体主義政権
国が文化芸術活動に介入し、事後であっても恣意的に補助金をカットしうる
現代アートとは何か?
ロバートメイプルソープ
「誰かがしなきゃいけないし、それが自分であってもいいと思う。」
善行から愚行まで、薬から毒まで、生から死まで、
人間のあらゆる営為を描くのが芸術。 -
Posted by ブクログ
作品の観点からだけではなく、現代の美術界全体を俯瞰してみるような内容。現代アートの現状について、背景となるゴシップも含めて広く知ることで近づくことができた。
・アートは投資対象にもなっている。アートの制作者は作品が資本主義から離れる立場を取ろうとしていると思うが、作品が売れること、興業が成功することは作者にとっても美術館にとっても必要で、ここにジレンマを感じる
・美術館も作者も、政府や公機関や大衆からの圧力にさらされ、自発的な忖度も見られるそう。この点、表現の自由は侵害されるべきではないと思うが、その内容が誰かを傷つけるものや、貶めるものである場合はどこまで自由が保障されるべきなのか、心情的に許容しきれないものもある。
・著者は、アートの作者は歴史や知識を学ぶ必要があるが、観る側にはそれを求めてはいけない、ただし知っている方が楽しさが増す、と言っている。が他の部分では、現代アートには観客にも観る力、これまでの過去のアートとのつながり、読み解く力がなければ、現代アートを成立させる柱とはなりえないということをも主張しているように思う。これは結局どちらなのだろうか。
・現代アートは、創り出すのではなく、レディメイド、あるものを選択し意味づけるという定義は非常に面白く納得できた。
・現代アートは振り幅が広く多彩なので、好きなものもああるが、やはり好きに思えないもの、嫌いなモノもある。しかし、この本で現代アートが成立するための要素、動機を知ったことで、過去のアートを参考にし、リフレインしつつ、それを越え、新しいものを生み出そうとした結果であると思いながら観ると、嫌いではあっても、何か受け止められるものが生まれるように思う。
・紹介されていたチャートで各要素、動機を評価する方法は面白い。このチャートを持参して現代アートを鑑賞したら、これまでとは違った一歩近づいた鑑賞が楽しめそう。 -
Posted by ブクログ
マリーナ・アブラモビッチ
ヒト・シュタイエル
ハンス・ハーケ コンセプチュアル・アート
現代アート=文脈 アート史の文脈の中にどう位置づけるか?
マルセル・デュシャン 泉
サミュエル・ベケット
ジョセフ・コスース 3つの椅子
インパクト・コンセプト・レイヤーが現代アートの3大要素
視覚的にある強いもの・思考的な要素・重層的
現代アートの創作動機
①新しい視覚・感覚の追求
②メディウムと知覚の探求
③制度への言及と意義
④アクチュアリティと政治
⑤思想・哲学・科学・世界認識
⑥私と世界・記憶・歴史・共同体
⑦エロス・タナトス・聖性
鑑賞
①インパクト かつてなかったような視覚・感覚的な衝撃
②コンセプト 作家が訴えかけたい主張や思想、知的なメッセージ
③レイヤー 鑑賞者に様々なことを想像、想起、連想させる重層的に作品に組み込まれた感覚的・知的要素
想像力を刺激する
レイヤーとは連想した事柄の総体
腑に落ちるコンセプトが浮かび、インパクトなどと合わせて「イケてる!」と思えば、脳の報酬系が活性化して快感を与える。なんだかよくわからなかったりつまらないと思ったりすれば、報酬系が抑制されて不快に感じる。デュシャンやウンベルト・エーコが言う「開かれた作品」は、鑑賞者がこのように作品を受け止め、解釋することによって始めて「閉じられる」
作品の補助線
読まれるための技巧
開かれた作品のドアはどこまで開いておくべきなのか
今日のアートは選択し、命名し、新たな価値を与えること。最も重要なのは観念あるいは概念であり、本質は外見(形)にはない。
鑑賞者は能動的な鑑賞者にならなくてはならない
インスタレーションの時代
画像の膨大な増加
眼差しそのものの形成し、観客の5感に訴える時代
現代アートは美術ではなく、知術