小崎哲哉のレビュー一覧

  • 現代アートとは何か

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    非常に重厚,面白い.
    現代アートとは何かというシンプルで難解な問いに対して
    自分のような素人でも腹落ちする見解を示唆してくれる.

    本書で述べられる現代アートを構成する3要素,アーティストの7つの創作動機は今後間違いなく自分の芸術鑑賞の際の補助になってくれるだろう.

    若干「料理の四面体」にも通ずる構成を感じる.

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    現代アート
    グローバル資本主義を前提とするシステム

    アウラ
    複製技術によって喪失した何か
    芸術作品の持ついまーここ的性質

    "芸術の起源は魔術や宗教に求められ、かつては畏怖や信仰の対象だったものが芸術作品へと移行

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    2025年05月18日
  • 現代アートとは何か

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    現代アートと言う不可解で全体像の見えないものを、多角的な視点から分析している。
    現代アート業界に渦巻く資本や権力の問題をジャーナリスティックな視点から分析したかと思えば、現代アートに必要な要素や製作者の動機、絵画や写真といった平面的な表現方法からインスタレーションへと移り変わっていく動向についてまで技術的な観点から解説している。
    大部だが、これ1冊読めばよくわからない現代アートと言うものに対する自分なりの視点を確保することができるだろう。

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    2019年02月03日
  • 現代アートとは何か

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    現代アートは、マルセル・デュシャンが「泉」で芸術家が作品を作るという従来のものから、世の中のものから選択し意味付けを行って鑑賞者に提示し鑑賞者がその評価を完成させるというものに変化させた流れの中にある。
    重要なのは、「インパクト」「コンセプト」「レイヤー」で、コンセプトは「エロス・タナトス・聖性」「世界と私」「アクチュアリティ」「制度への批判」「アート史への言及」「メディウム」「新規性」に分けて評価できる。
    実際のアートの値段は、メガコレクター、公的な美術館(実際のバイイングパワーは落ちているが、箔付け)、キュレーター、アートディーラーがプレイする世界で、批評家の役割はなくなってきている。

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    2018年08月24日
  • 現代アートとは何か

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    ネタバレ

    ヴェネチアで観て、バーゼルで買う。
     アートの世界にはいるということは、
     グローバル資本主義の勝ち組に加担すること。

    ピノー(ケリング)
     グッチ、プーマ、サンローラン、ブシュロン、
     クリスティーズ、シャトー・ラトゥール

    アルノー(ヴィトン LVMH 4兆円企業)
     モエエシャンドン、ドンペリニョン、ヘネシー、
     ロエヴェ、セリーヌ、ジバンシー、ケンゾー、
     フェンディ、ダナキャラン、クリスチャンディオール、
     ゲラン、タグホイヤー、ショーメ、ゼニス、ブルガリ

    カール ラガーフェルド(シャネル デザインディレクタ)
     デザインと建築が現代における真のアート。
     ブランド知名度でアーテ

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    2018年08月19日
  • 現代アートとは何か

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    アートジャーナリストとして、今のアート界の現状について詳しく取材し、本のタイトルである、現代アートとは何かについてをわかりやすく語っている。庶民には知り得ない、アートの舞台裏(学芸員、キュレーター、富豪、政治との関わり)について、ここまでしっかり、わかりやすく書いて伝えることのできる人が他にいるだろうか?批評でありながら平易な文章で書かれていて、ぐいぐい読めてしまう。値段以上の価値がある、2018年の買ってよかった本の1冊。

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    2018年07月12日
  • 現代アートとは何か

    購入済み

    これが現代美術

    とても興味深い内容だった。
    現代美術とは何か。どういった仕組みで評価されていくのか。

    知ることで、さらに興味が引き立てられていくのを感じる。

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    2025年12月06日
  • 現代アートを殺さないために ソフトな恐怖政治と表現の自由

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    現代アートの位置付けとその価値。アメリカにおける対立から、あいちトリエンナーレや公的美術館や公金補助の問題、美術館の立ち位置や自主規制の問題など。
    必ずしも同意はしかねるが、規制に関する問題を考えるのに一読の価値はある。ユダヤ人の存在や、日本のアート自体の質の浅さにも言及しているのは良。ピラミッド自体が小さいので質が伸びきらないというのはあるんだろうと思うが。
    美術行政や美術館運営等の側面はアーティスト側からの視点しか触れられていないので、ここからその面での課題やあり方を考えたい。

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    2024年08月25日
  • 現代アートとは何か

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    2024.05.05 なかなか読み応えのある、ある意味深くて重くて辛辣な素晴らしい本であった。それでいて割とわかりやすい。勉強になった。著者には深く感謝を表明したい。

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    2024年05月05日
  • 現代アートとは何か

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    愛知トリエンナーレをプロデュースしたディレクターによる現代アート産業俯瞰図。現代アートを形作る画廊やオークションハウス、アート・バーゼルやベネチア・ビエンナーレの舞台裏が描かれる。一般生活ではアクセスできない美術産業界を垣間見れる貴重なモノローグではあるが、舞台の内側の人間であるはずなのに、美術産業界に対する嫌悪感が見え隠れして、エンターテイメント教材として読めなかった。

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    2023年12月16日
  • 現代アートを殺さないために ソフトな恐怖政治と表現の自由

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    アートと現代社会の連関を論評した刺激的な著書。トランプ大統領不再任と世界のポピュリズム化やあいちトリエンナーレからの県知事リコール問題など、書き下ろしをリアルタイムで読めたのもインパクト高かった。著者自身の強いメッセージがダイレクトに論評となっているのも小気味良い。

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    2021年03月06日
  • 現代アートを殺さないために ソフトな恐怖政治と表現の自由

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    ネタバレ

    芸術は生産から選別へ
    「アメリカ」マウリツィオ カテラン 18金の便器 2016年 原価数億円
     グッケンハイム美術館 キュレイター ナンシースペクター
     ゴッホ「雪のある風景」貸出し要求するトランプ大統領/ホワイトハウスへの代案

    NEA全米芸術基金、NEH全米人文科学基金への圧力
     ジュディ シカゴ作 ディナーパーティー
     アンドレス セラーノ作 浸礼/ピスクライスト 

    あいちトリエンナーレ2019 「表現の不自由展・その後」
     テーマ「情の時代」津田大介 芸術監督
     「平和の碑」キム ソギョン+ウンソン
     「遠近を抱えてPartⅡ」大浦信行
       元の作品は富山県立近代美術館と議員が右

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    2021年10月14日
  • 現代アートを殺さないために ソフトな恐怖政治と表現の自由

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    現代アートは意味をよませるもの。
    読み手が中心な訳だから、レギュレーションもR指定もなくて、ただひたすらに、解釈して気に入らなければ拒絶すればよい、のだが。
    津田監督はどこまで絵を描いてたのか。

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    2021年02月22日
  • 現代アートとは何か

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    現代アートを支えるシステムとしての金(マーケット)の話から始まり、その誤解や構造的矛盾を明らかにした上で、個々のアーティストや作品、歴史的な意義を再確認する。誰にでも使える独自の評価チャートを用いて現代アートの見方を提示する。
    「あんな絵が100億?!」という疑問を納得できないにせよ理解できるようになるし、現代アートのわけわからなさにも「正史」があると思うとちょっと安心する。

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    2021年01月18日
  • 現代アートとは何か

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    読み終わるのに時間のかかった分厚い本。現代アートとその周辺についてよくわかる。大富豪のコレクターの話にはなんだかワクワクした。「ダイナスティー」とか思い出した(古い)。ただ、著者の現代アートへの興味が立体やインスタレーションに偏っているので、そこら辺はちょっと物足りないかも。絵画が好きなので絵の話も聞きたかった。とにかく濃い本です。

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    2020年08月15日
  • 現代アートとは何か

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    分厚い本やけど、具体的でわかりやすかった。
    ややこしく書いてなくて、興味深く読めた。
    現代アートとそれを取り巻く社会についてよくわかった。
    現代アート好きな人におすすめしたい。

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    2019年06月23日
  • 現代アートとは何か

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    作品の観点からだけではなく、現代の美術界全体を俯瞰してみるような内容。現代アートの現状について、背景となるゴシップも含めて広く知ることで近づくことができた。
    ・アートは投資対象にもなっている。アートの制作者は作品が資本主義から離れる立場を取ろうとしていると思うが、作品が売れること、興業が成功することは作者にとっても美術館にとっても必要で、ここにジレンマを感じる
    ・美術館も作者も、政府や公機関や大衆からの圧力にさらされ、自発的な忖度も見られるそう。この点、表現の自由は侵害されるべきではないと思うが、その内容が誰かを傷つけるものや、貶めるものである場合はどこまで自由が保障されるべきなのか、心情的に

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    2018年10月02日
  • 現代アートとは何か

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    マリーナ・アブラモビッチ

    ヒト・シュタイエル

    ハンス・ハーケ コンセプチュアル・アート 

    現代アート=文脈 アート史の文脈の中にどう位置づけるか?

    マルセル・デュシャン 泉

    サミュエル・ベケット

    ジョセフ・コスース 3つの椅子

    インパクト・コンセプト・レイヤーが現代アートの3大要素
    視覚的にある強いもの・思考的な要素・重層的

    現代アートの創作動機
    ①新しい視覚・感覚の追求
    ②メディウムと知覚の探求
    ③制度への言及と意義
    ④アクチュアリティと政治
    ⑤思想・哲学・科学・世界認識
    ⑥私と世界・記憶・歴史・共同体
    ⑦エロス・タナトス・聖性

    鑑賞
    ①インパクト かつてなかったような視覚

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    2018年05月26日
  • 現代アートを殺さないために ソフトな恐怖政治と表現の自由

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    現代アートのことはよくわからないけど,アートと世相,政治との関わりについては興味があったので読んでみた.
    物事の美しい面だけを見せるのがアートではない,綺麗なものも醜いものも正しいものも悪いものも,全て包括して世界が出来上がっていることに気付かせ,思考を揺さぶるのがアートの役割,と読んだ.

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    2021年10月15日
  • 現代アートとは何か

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    業界について辞書的に出来事を知るには良かったけれど、もうちょっとアートのことについて掘り下げられていたらなあ、と持ったりしました。でもこうやって表面だけ見るのが現代アートなんだよというのであれば、そうなのか、と納得します。

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    2020年07月14日
  • 現代アートとは何か

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    どこか幕の内弁当的で一貫したテーマが見えてこなかったというかストーリーがよくわからなかったが、このメタ認知という輪郭がこの本の醍醐味なのかもしれない。

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    2020年01月11日