小崎哲哉のレビュー一覧
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非常に重厚,面白い.
現代アートとは何かというシンプルで難解な問いに対して
自分のような素人でも腹落ちする見解を示唆してくれる.
本書で述べられる現代アートを構成する3要素,アーティストの7つの創作動機は今後間違いなく自分の芸術鑑賞の際の補助になってくれるだろう.
若干「料理の四面体」にも通ずる構成を感じる.
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現代アート
グローバル資本主義を前提とするシステム
アウラ
複製技術によって喪失した何か
芸術作品の持ついまーここ的性質
"芸術の起源は魔術や宗教に求められ、かつては畏怖や信仰の対象だったものが芸術作品へと移行 -
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現代アートは、マルセル・デュシャンが「泉」で芸術家が作品を作るという従来のものから、世の中のものから選択し意味付けを行って鑑賞者に提示し鑑賞者がその評価を完成させるというものに変化させた流れの中にある。
重要なのは、「インパクト」「コンセプト」「レイヤー」で、コンセプトは「エロス・タナトス・聖性」「世界と私」「アクチュアリティ」「制度への批判」「アート史への言及」「メディウム」「新規性」に分けて評価できる。
実際のアートの値段は、メガコレクター、公的な美術館(実際のバイイングパワーは落ちているが、箔付け)、キュレーター、アートディーラーがプレイする世界で、批評家の役割はなくなってきている。 -
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ネタバレヴェネチアで観て、バーゼルで買う。
アートの世界にはいるということは、
グローバル資本主義の勝ち組に加担すること。
ピノー(ケリング)
グッチ、プーマ、サンローラン、ブシュロン、
クリスティーズ、シャトー・ラトゥール
アルノー(ヴィトン LVMH 4兆円企業)
モエエシャンドン、ドンペリニョン、ヘネシー、
ロエヴェ、セリーヌ、ジバンシー、ケンゾー、
フェンディ、ダナキャラン、クリスチャンディオール、
ゲラン、タグホイヤー、ショーメ、ゼニス、ブルガリ
カール ラガーフェルド(シャネル デザインディレクタ)
デザインと建築が現代における真のアート。
ブランド知名度でアーテ -
購入済み
これが現代美術
とても興味深い内容だった。
現代美術とは何か。どういった仕組みで評価されていくのか。
知ることで、さらに興味が引き立てられていくのを感じる。 -
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ネタバレ芸術は生産から選別へ
「アメリカ」マウリツィオ カテラン 18金の便器 2016年 原価数億円
グッケンハイム美術館 キュレイター ナンシースペクター
ゴッホ「雪のある風景」貸出し要求するトランプ大統領/ホワイトハウスへの代案
NEA全米芸術基金、NEH全米人文科学基金への圧力
ジュディ シカゴ作 ディナーパーティー
アンドレス セラーノ作 浸礼/ピスクライスト
あいちトリエンナーレ2019 「表現の不自由展・その後」
テーマ「情の時代」津田大介 芸術監督
「平和の碑」キム ソギョン+ウンソン
「遠近を抱えてPartⅡ」大浦信行
元の作品は富山県立近代美術館と議員が右 -
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作品の観点からだけではなく、現代の美術界全体を俯瞰してみるような内容。現代アートの現状について、背景となるゴシップも含めて広く知ることで近づくことができた。
・アートは投資対象にもなっている。アートの制作者は作品が資本主義から離れる立場を取ろうとしていると思うが、作品が売れること、興業が成功することは作者にとっても美術館にとっても必要で、ここにジレンマを感じる
・美術館も作者も、政府や公機関や大衆からの圧力にさらされ、自発的な忖度も見られるそう。この点、表現の自由は侵害されるべきではないと思うが、その内容が誰かを傷つけるものや、貶めるものである場合はどこまで自由が保障されるべきなのか、心情的に -
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マリーナ・アブラモビッチ
ヒト・シュタイエル
ハンス・ハーケ コンセプチュアル・アート
現代アート=文脈 アート史の文脈の中にどう位置づけるか?
マルセル・デュシャン 泉
サミュエル・ベケット
ジョセフ・コスース 3つの椅子
インパクト・コンセプト・レイヤーが現代アートの3大要素
視覚的にある強いもの・思考的な要素・重層的
現代アートの創作動機
①新しい視覚・感覚の追求
②メディウムと知覚の探求
③制度への言及と意義
④アクチュアリティと政治
⑤思想・哲学・科学・世界認識
⑥私と世界・記憶・歴史・共同体
⑦エロス・タナトス・聖性
鑑賞
①インパクト かつてなかったような視覚