河端ジュン一のレビュー一覧
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愛媛県にある家賃僅か一万二千円の格安アパート、ことだま荘。ここで暮らして管理人が提示する謎を解けば、どんな悩みも解決するという。
家族に関する悩みからことだま荘にやってきた田中は、様々事情を抱えた住人たちと交流しながら、謎の答えを探し、自身の悩みと向き合っていく。
ワケアリ住人ばかりのアパート、ことだま荘で「相談役」を任されることとなった田中と住人たちの交流を書いた、ちょっと不思議な癒し系ミステリ・ヒューマンドラマ小説です。
連作短篇の形式になっていて、途中で死人が出たり、重かったり少し悲しかったりする話もあるにはあるのですが、最終的には納得したり成長したり、皆新しい一歩を踏み出してアパ -
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言葉の呪い、祓います。
奇妙な売り文句の【ことだま荘】の管理人は、狐の面を纏うこれまた奇妙な人物。
父親によるトラウマから心の中に棲みつく化け物の幻覚に悩まされ、プロポーズに足踏みする田中はことだま荘の管理人•二宮へ相談する。
すると、解決策として提示されたのは【相談役】としてアパートに居住することを前提とした、やはり奇妙なゲームだった。
タイトル、表紙につられて。
プロローグ以降は、各部屋の住人視点で話が進みます。
それぞれ悩みを抱えた住人達、そこに寄り添う相談役の田中。
飽きることなく読み進めたのだけれど、最後の最後、管理人のエピソードがちょっと弱いかなーと私的印象。
でも仕掛け -
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築百年を超えるアパート「ことだま荘」。このボロアパートの利点は家賃が格安……というだけでなく、キツネ面の管理人曰く、ここで暮らし他の住人と交流することによりどんな悩みも解決するのだと――「言葉の呪い 祓います」
曲者ばかりの住人達との交流を通して、それぞれが自分と向き合い人生を獲得していく物語。
一年という期限が設定され、この6部屋しかないアパートの住人が、それぞれ問題を抱えて入居し、それが解決すると退去していく……という入れ替わりを繰り返しながら、各自の物語が(人生が)お互いに共鳴しながら展開していくのが鮮やか。
入居のルールとして「他の住人と交流すること」がある故に、とにかく登場人物達が -
Posted by ブクログ
ネタバレ"3D小説"というリアルタイムで書かれていくWeb小説に、小説内の登場人物ソルとして読者が干渉していく新しい試み
を文庫本にしたもの。
登場人物はおおよそ以下のように大別される。
* 小説内での登場人物
* 読者
* 主人公である久瀬にメールを通して干渉ができ、読者ともTwitterを通して交流ができる"ベル"
読者はTwitter上でベルに依頼をすることで物語に干渉できる仕組みになっている。
読者には定期的にバッドエンドの未来が提示される。
物語中で提示されるリアル脱出ゲームのような謎がバッドエンドに結びつくため、それを読者が解いてTwitter -