ダニエル・ジブラットのレビュー一覧

  • 民主主義の死に方―二極化する政治が招く独裁への道―

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    ネタバレ

    アメリカを含め、世界各国の民主政治や民主化、そして独裁化の多様な経験を事例として多く引用し、民主主義の持続に必要とされる要素について理論を組み立てている。
    制度的側面のみでは民主主義を保つことには十分ではなく、政治に参加するひとびと、政党、組織の間での不文律が大きな役割を果たしていることを論じる。相互的寛容と組織的自制心と概念化されているこれらの暗黙のルールが民主主義を支えるガードレールとして機能すると説明する。
    二極化や政党の過激化とは、これらの不文律が四方八方で破られることで問題化し、主流派にも浸透し常態的になることでますます悪化する。
    特定の人種や宗教、グループに対して排他的にならず、多

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    2019年11月14日
  • 民主主義の死に方―二極化する政治が招く独裁への道―

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    民主主義の死に方:二極化する政治が招く独裁への道。スティーブン・レビツキー先生とダニエル・ジブラット先生の著書。世界中で民主主義が崩壊に向かっている。大衆迎合主義者や極端な過激派勢力が権力を手中にすると、合法的な独裁化で民主主義が危機にさらされる。アメリカのトランプ大統領のようなタイプの政治家が世界中で生まれている事実。民主主義を守って、独裁政治を防ぐには、きちんと選挙に行くこと。

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    2019年08月19日
  • 民主主義の死に方―二極化する政治が招く独裁への道―

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    民主主義を守っているのは憲法や法律よりもむしろ本書でやわらかいガードレールと呼ばれる規範や慣習であり、独裁者はまずそこを攻撃する、という指摘は説得的。

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    2019年04月05日
  • 民主主義の死に方―二極化する政治が招く独裁への道―

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    鈴木 幸一(インターネットイニシアティブ会長CEO)の2018年の3冊。
    「規範」と「自制」を捨てたトランプが大統領となった米国で、民主主義が崩壊する危機を分析している。

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    2018年12月30日
  • 少数派の横暴―民主主義はいかにして奪われるか―

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    アメリカでは現在の共和党に親和性のある地域・人々に政治的優遇措置があり、総得票で敗れてもトランプが大統領になりうる事態を招いている。
    著者はアメリカの民主主義は時代遅れで改善の必要があると考えている。
    興味深いのは比例代表制を高く評価していることだ。日本の比例代表制は落としたはずの候補を当選させてしまう詐欺のような制度だと思っていたが、アメリカの事情は異なるようだ。

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    2025年07月14日
  • 民主主義の死に方―二極化する政治が招く独裁への道―

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    2017年のトランプ大統領の登場で、民主主義の危機を感じた著者らの思いが込められた本だが、フランコ、ヒトラー、ムッソリーニの時代から、マルコス、カストロ、ピノチェトを経て、プーチン、チャベス、エルドアンまでの事例から、正統な選挙で選ばれた人が、次第に変貌していく過程を精密に検証している.アメリカ合衆国では憲法だけでなく、相互的寛容と自制心の二つの規範が長く踏襲されてきたことで、民主主義が守られてきたと総括しているが、トランプがそれを無視する行動を批判している.日本を振り返ると、大丈夫かなと感じることが多くなっている.

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    2023年03月01日
  • 民主主義の死に方―二極化する政治が招く独裁への道―

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    今、民主主義は危機的状況にある。トランプ政権がようやく倒れたのは良かったが、世界的に見ればまだまだ油断はできない。
    選挙は民主主義を護れるのか、日本は民主主義を護れているのか。一人ひとりが考えなくてはならないと思う。

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    2021年02月08日
  • 民主主義の死に方―二極化する政治が招く独裁への道―

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    〈かつて民主主義は革命やクーデターによって死んだ。しかし、現代の民主主義の死は選挙から始まる〉――アメリカの事例を中心に、民主的に選ばれた代表が「独裁者」になっていく道筋を提示している。

     本来、民主的な制度のうちには「独裁者」が生まれるのを防ぐためのしくみが備わっているはずだ。ところが独裁者は巧妙にその「たが」を外していく。それをサッカーにたとえている部分(p105)が秀逸だ。

    ●審判を抱き込む
     公務員や非党派の当局者をこっそり解雇し、支持者と入れ替える
     裁判所を支配する
     メディアの買収
    ●対戦相手を欠場させる
     対立している相手を捜査、逮捕、投獄、訴訟
     実業家を標的にする
     文

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    2019年04月14日
  • 民主主義の死に方―二極化する政治が招く独裁への道―

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    今、みんなが優しくない。
    意見の異なる相手を敵とみなして、相手を叩きのめそうとする。
    その背景には、そうしなければ自分のいる場所や、自分自身がないがしろにされる、失われる、そういう気持ちがあるのではないか。

    アメリカで民主主義が衰え始めているというのは、
    トランプさんが大統領になってからをみている人には、
    感覚的に「そうだよね」と同意が得られることだと思う。
    しかし本当のところ、アメリカの民主主義の衰退は、
    トランプさんが大統領になるかなり前から始まっていた。
    そしてそのことの起こりは、
    時を経るにしたがってさまざまな人種から支持を集めるようになった民主党に対して、
    相変わらず白人キリスト教

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    2019年01月30日
  • 民主主義の死に方―二極化する政治が招く独裁への道―

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    トランプ政権のことが書かれているのに、まるで日本のことが書かれているようだった。こんな時代になるとは思ってなかった。

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    2019年01月15日
  • 民主主義の死に方―二極化する政治が招く独裁への道―

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     自制と寛容の規範は”柔らかいガードレール”として機能していた。
     独裁主義的な自制を欠いた行動(①民主主義的ルールを拒否、②政治的な対立相手の正当性を否定する、③暴力を許容・促進する、④対立相手(メディアを含む)の市民的自由を率先して奪おうとする)に政党や支持者が迎合することで、相互寛容が破られ民主主義が破綻していく。
     ヘンリー・フォードやチャールズ・リンドバーグが民主主義の安全装置(門番)により排除されていたとは驚きだった。

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    2019年01月13日
  • 民主主義の死に方―二極化する政治が招く独裁への道―

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    この本が書かれた時点から、バイデン政権を経て、第二次トランプ政権。
    示した通りの方向になってはいないが、それでもすべてがおかしくなったわけではないということは、まだ守られているものが少しは残っている、ということなのかなぁとボヤッと考えてみた。

    ちょっと訳が読みづらい印象はある。

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    2025年07月13日
  • 民主主義の死に方―二極化する政治が招く独裁への道―

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    今、現在時の兵庫県での政治、その劇場化の先鞭、ここに在り、という感じ。国政とローカルな県政という枠は、関係ない、もう同列でいい。規範違反の常態化だったんだな。

    小人閑居して不善をなす、これに尽きるか。

    権力が歪な形で可視化される時代、少々のパンとサーカスでは、収まらないわな。

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    2025年02月27日
  • 少数派の横暴―民主主義はいかにして奪われるか―

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    ぼくが考えた最強の民主主義の実現について。

    ちょっと揶揄する言い方で申し訳ないが、民主主義とはこうあるべきで、その民主主義を阻害するしているのはこれだという。
    民主主義、それも、多民族民主主義が絶対正しくて、そのシステムによって生み出されるものについては一切評価していない。

    言ってるのは、アメリカの民主主義。

    理想に燃えた野蛮人による深みのない人工実験国家として成立したアメリカ。
    その、世界最初の成文憲法であり、最初の民主主義とか吠えとるが、要は理想と妥協の産物。
    彼らがやりたかったのは政治ではなく政局。権力を握るためには握らせないためには何でもする。そんな感じやん。
    なんでこいつら、「

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    2025年02月15日
  • 少数派の横暴―民主主義はいかにして奪われるか―

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    アメリカの選挙制度についての本。知っていることも多いが丁寧に歴史的起源から説明されている。読みやすい翻訳だと思います。

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    2024年12月09日
  • 民主主義の死に方―二極化する政治が招く独裁への道―

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    世界的な民主主義の危機が起こっている。

    合衆国憲法はなぜ守られているのか。
    それは競い合う政党同士が相互的寛容と組織的自制心を持っていたから。

    寛容と自制の規範は「やわらかいガードレール」として機能し党派間の闘いを避けるために役立ってた。

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    2022年04月29日
  • 民主主義の死に方―二極化する政治が招く独裁への道―

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    本来、民主的な制度のうちには「独裁者」が生まれるのを防ぐためのしくみが備わっているはずだ。ところが独裁者は巧妙にその「たが」を外していく。それをサッカーにたとえている部分(p105)が秀逸だ。

    審判を抱き込む
     公務員や非党派の当局者をこっそり解雇し、支持者と入れ替える
     裁判所を支配する
     メディアの買収
    対戦相手を欠場させる
     対立している相手を操作、逮捕、投獄、訴訟
     実業家を標的にする
     文化人を抑圧する
    ルールを変える
     選挙区の変更
     投票の制限
    「危機」を訴えてこれらを正当化する

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    2019年09月18日