ダニエル・ジブラットのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレアメリカを含め、世界各国の民主政治や民主化、そして独裁化の多様な経験を事例として多く引用し、民主主義の持続に必要とされる要素について理論を組み立てている。
制度的側面のみでは民主主義を保つことには十分ではなく、政治に参加するひとびと、政党、組織の間での不文律が大きな役割を果たしていることを論じる。相互的寛容と組織的自制心と概念化されているこれらの暗黙のルールが民主主義を支えるガードレールとして機能すると説明する。
二極化や政党の過激化とは、これらの不文律が四方八方で破られることで問題化し、主流派にも浸透し常態的になることでますます悪化する。
特定の人種や宗教、グループに対して排他的にならず、多 -
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Posted by ブクログ
〈かつて民主主義は革命やクーデターによって死んだ。しかし、現代の民主主義の死は選挙から始まる〉――アメリカの事例を中心に、民主的に選ばれた代表が「独裁者」になっていく道筋を提示している。
本来、民主的な制度のうちには「独裁者」が生まれるのを防ぐためのしくみが備わっているはずだ。ところが独裁者は巧妙にその「たが」を外していく。それをサッカーにたとえている部分(p105)が秀逸だ。
●審判を抱き込む
公務員や非党派の当局者をこっそり解雇し、支持者と入れ替える
裁判所を支配する
メディアの買収
●対戦相手を欠場させる
対立している相手を捜査、逮捕、投獄、訴訟
実業家を標的にする
文 -
Posted by ブクログ
ネタバレ今、みんなが優しくない。
意見の異なる相手を敵とみなして、相手を叩きのめそうとする。
その背景には、そうしなければ自分のいる場所や、自分自身がないがしろにされる、失われる、そういう気持ちがあるのではないか。
アメリカで民主主義が衰え始めているというのは、
トランプさんが大統領になってからをみている人には、
感覚的に「そうだよね」と同意が得られることだと思う。
しかし本当のところ、アメリカの民主主義の衰退は、
トランプさんが大統領になるかなり前から始まっていた。
そしてそのことの起こりは、
時を経るにしたがってさまざまな人種から支持を集めるようになった民主党に対して、
相変わらず白人キリスト教 -
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Posted by ブクログ
ぼくが考えた最強の民主主義の実現について。
ちょっと揶揄する言い方で申し訳ないが、民主主義とはこうあるべきで、その民主主義を阻害するしているのはこれだという。
民主主義、それも、多民族民主主義が絶対正しくて、そのシステムによって生み出されるものについては一切評価していない。
言ってるのは、アメリカの民主主義。
理想に燃えた野蛮人による深みのない人工実験国家として成立したアメリカ。
その、世界最初の成文憲法であり、最初の民主主義とか吠えとるが、要は理想と妥協の産物。
彼らがやりたかったのは政治ではなく政局。権力を握るためには握らせないためには何でもする。そんな感じやん。
なんでこいつら、「 -
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