李智慧のレビュー一覧
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アリババ、テンセントを中心に、中国が「下請け工場」「模倣」から脱却し、デジタル関連でアメリカの先端企業と並ぶに至った経緯が解説されている。
アリババ・アリペイの解説からは、日本の「キャッシュレス狂想曲」がいかに的外れだったかが分かる。
キャッシュバックの消耗戦も中国の再現でしかなかったようだ。
またテンセントの解説では、何度も危機を迎えながら消費者志向で進化してきたかが分かる。
アイフライテック、滴々出向などBAT以外の企業も紹介されている。
Microsoft、Facebook、Uberなどが進出し、検索サイトとして中国から閉め出されたGoogleが別サービスでなんとか中国に入り込もう -
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1999年に馬雲がAlibabaを立ち上げて20年。中国ITの成長は著しく、今やグローバルをリードする地位を確立している。その転換点となったイベントを時系列で読みやすく整理してある良書。読んでおくべきです!
2011:WeChat、2012:alibaba cloud、2013:モバイル決済(Alipay、Wechat Pay)、2014:オープンプラットフォーム化(配車アプリから、金融・保険へ)、2017:リアル小売、AI政策強化・・・
特にこの10年は、モバイル決済を起点に、ビックデータの処理基盤、データを活用したサービス・効率化の追求、信用スコアを加味したオープンプラットフォームから生ま -
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アリババ・テンセント・ファーウェイ。各企業の経営戦略が網羅的に解説されていて、ものすごく参考になる。
日本企業は戦後に輝かしい復興を遂げて成長したが、それから50年遅れて中国がこれだけ攻めてくるとは、昭和時代に誰が想像しただろうか。
日本は過去の栄光に頼って、守りに入ったままでいいのか。
本書を読んで、逞しい中国企業に見習う点は多いと感じた。
ファーウェイはこれだけの米国制裁を受けているにも関わらず、今でも未来に向けた研究開発に惜しみなく投資をしている。
創業間もない時期に、旧来の中国企業ではなく、世界に打って出るために「米国の靴を履く」と決めたという。
その後ファーウェイは、IBMへのコンサ -
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デジタル社会においても中国の台頭は目覚ましい。本書では、コロナ危機における中国の素早く効果的な対応に国内テック企業のデジタル技術が大きく貢献したことをはじめに指摘し、次いで中国政府のデジタル政策の歴史をまとめたあと、テンセントやアリババ、ファーウェイなどの企業について詳細に説明する。そしてデジタル人民元の検討の動向について説明し、日本への提言で締めくくる。
私は日本企業が中国企業と比べて圧倒的に力不足というわけではないと感じているが、中国政府の施策についての説明を読んで、それを政治が活かしきれていない情けなさを感じた。発展途上国から脱しようとしてきた中国は、その経済成長の柱としてデジタル技術 -
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ネタバレ2016年2050年イノベーション駆動型国家 中華民族の偉大な復興
重大科学技術プロジェクト
・量子通信と量子コンピューター研究
・脳科学と知能研究
・サイバーセキュリティ研究
・天地一体化通信網技術
・ビッグデータ技術
・インテリジェント製造とロボット技術
次世代AI発展計画
・自動運転:百度
・スマートシティ:アリババ
・医療:テンセント
・音声認識:アイフライテック iFlytek 声谷 スピーチバレー 合肥市
アントグループ
Fintech(クレジット;収入4割、5億人、資産運用、保険)売上63%
顧客信用情報、債権回収 金融機関と共同
中国モバイル決済の半分以上 1 -
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仕事柄、インド関連の市場研究をしているのだが、現地のサービスプロバイダーと話すと、たいてい彼らが見ているのは欧米ではなく中国である。昨年、アフターデジタルを読んで中国の発展に衝撃を受けたが、より詳しく知りたいと思い手に取った本。
こちらは、中国のアリババ、テンセントを中心に、なぜデジタル革命がこれだけ急激にこの15年ほどで起きたかをわかりやすくまとめている。
まず国策として予算も出して推進していること、その上で法律も変えていき、イノベーションの発展を止めないようにしていること、インフラが発展していなかった故に、顧客中心主義でサービスを磨くと顧客がついてくることが挙げられる。まさにデジタル -
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<目次>
序章米中貿易戦争とチャイナ・イノベーション
第1章習近平国家主席とデジタル強国戦略
第2章なぜ中国でイノベーションが爆発的に生まれているの
第3章アリババ集団とテンセント
第4章2強を追う先端技術企業
第5章急速に進むデジタル化の負の側面
第6章中国型イノベーションの本質と先端企業との付き合い
終章データーを制するものは、世界を制する
2018/10/2初版発行著者は中国人コンサル。
中国製造2025の国家戦略で、ハイテク産業へ舵とりをした中国の現状を記す。
私は2014/2-2018/10まで上海に住んだので、肌感でよくわかっているつもりのことを、この著者は中国を知らない人に -
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アリババ、テンセントを中心に、中国で今起きているイノベーションを紹介した1冊。この20年くらいの動きが背景を含めてよくわかります。2社以外の新しい会社の紹介は情報が少なく、ややとってつけたような印象。
シリコンバレーの会社もそうだけど、こういう会社のスピード感、チャレンジ精神をみると、本当に今の日本の企業はマズいのではないかと思います。なんだか老成化しているのでは。国民も会社も含めて、国全体が老成化するスピードが高まっているような感じもします。それはそれで、成熟した国の一つのありかたであり、人々の生き方ではあると思うのですが、日本が世界から遅れていっていることが、まだまだ共通の認識となっていな -
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ネタバレITからDT(データ テクノロジ)へ
データは経済活動の動力源。
100万人以上の海外留学生が帰国し、400万社以上が起業。
アリババとテンセント
世界的プラットフォーマーへ
P2Pレンディング
テクノロジー×金融
2018年時点で6000社以上設立するが7割は運営中止。
国産(ブラック企業)
羊毛党
架空取引で企業から報奨金をかき集める。
画像認証コードの代理認証「NID」
ネット企業の成否は
短期間で利用者を囲い込めるかで決まる。
プロダクトアウトではなく顧客視点
口コミからから改善点を見つけ、改善していく。
ウィーチャットのテンセント
「小走りしながら試 -
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本著で紹介されている、今の中国で起こっているイノベーションは、単にIT技術革新というレベルではなく、社会全体の仕組みを変える、一種の社会革命に近いインパクトがある。
同時に、それをグローバルに主導権を握ろうとする強い国家意志が働いていることも分かる。
米中貿易戦争が勃発するわけだ。
一方でバブル的な側面や、国家がどれだけコントロールできるのか?不安を抱かせる要素はあるものの、この中国とどう関わっていくべきか真剣に考える必要があるのだろう。
間違いなく無視できない存在であって、先ずは現実を直視する(学ぶ、知る)ことが重要。
以下抜粋
・高速鉄道、アリペイ、シェア自転車、ネットショッピング、これ -
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今の中国、その中国経済の表紙を飾り続けているアリババとテンセント。この2社を中心に連なるデジタル化社会の来し方を確認することができる一冊である。
輝かしい成功物語があり、またその背後に渦巻く生き馬の目を抜く闘いと騙し合い、栄光と破滅が何層にも重なる。そのダイナミズムを受け入れる社会が今の中国なのだろう。経済が成長するから金がまわる、金がまわるから経済が成長する。もう日本の社会が長いこと忘れてしまった景色である。
意識の改革なくしては何事も進まないし、またリスクをとって、時には事故が起こっても突き進んでいく。多少のことは気にせず、大きな問題があっても敢えてぶち当たっていく、そんなやり方でや -
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ここ2,3年で中国発のイノベーションが次々と起こっていると感じる機会が増えてきた。日経コンピュータの2018/7/19号で中国のIT企業が特集されていたが、日本が完全に追い越されたことを痛感させられる内容だった。今後、世界のイノベーションをアメリカと中国がリードするのは、ほぼ間違いないだろう。
とはいえ、日米欧で中国企業のサービスに触れる機会はまだまだ少ないので、勉強のためにこの本を手に取った。
アリババとテンセントのモバイル決済をキーにしたイノベーションが、2013年頃から一気に広がった背景や中国政府の政策についてされていて現状の理解に役立った。
これからは中国から学ぶ姿勢を持たなけれ